傍観者の独り言

団塊世代で、民間企業で「チンタラ・グウタラ」に過ごした人間の手前勝手な気儘な戯言・放言。

自然エネルギーで、町つくりの事例(高知県梼原町)・・・リーダーの資質

2011-06-11 11:49:38 | 社会

朝日新聞の週末版[be on Saturday]に、「自然エネルギーで、町づくり」を推進してきた前高知県梼原町長の中越武義氏(67歳)を紹介しています。
中越武義・前梼原町長は、町長就任後、風車2基設置し、売電で得られる利益を環境基金と積み立て、自然エネルギー採用の財源にし、財政は県内トップの健全性と安定性を実現し、山奥の過疎の町立病院は黒字経営と。

記事は、風車・木質ペレット・小水力発電・ソーラーと自然エネルギーによる町おこしが前面であるが、中越武義・前梼原町長は、インタビューで、「議会だけでなく町民を巻き込み、町ぐるみで推進」、「小さな町なら3課で充分」と、役場の機構を、総務課と環境推進課、保険福祉支援センターに統合し、環境推進課の配下に建設関係とし、環境を重視したと。
保険・医療については、輪番で20世帯に一人の割で健康・福祉の世話係を決め、係になった人には年間8日間、1日8時間の勉強をしてもらい、予防医療を推進し、県内で医療費がもっとも少なくったと。
教育委員会には、子供から高齢者までみんなが生涯学習するんだという思いで「生涯学習課」だけにしたと。

そして、町長を3期で辞めた問いに?に、中越武義・前梼原町長は、
”「首長は権限が集中します。1期目は前の行政を継続しつつ新たな発想し、2期目は自分の計画を実現し、3期目はそれを仕上げてチェックする。それ以上になると新たな発想は出ず自分の身を守ることになりがちです。若い人に委ねるべきだと思いました。」”
と語っています。

当方は、日本の再生は、地域の再生であり、究極は「人づくり」という考えです。
脱原発を自然エネルギーで代替は非現実という論調に違和感を持ち、「自然エネルギーで、町づくり」という標題が目に留まり、前高知県梼原町長の中越武義氏の紹介記事を一読しました。
要は、「自然エネルギーで、町づくり」とは副題であり、本題は、リーダー(組織責任者)の資質と思いましたね。

本ブログで、
”「当方は、現役時代に、酒の席で、松下電器(現パナソニック)の人間から、松下幸之助氏の経営逸話として「組織責任者の責任とは」を聞いたことがあります。
松下幸之助氏は、課(グループ)なりの組織の長には3つの責任があるとし、
① 権限委譲し、結果責任をとること
② 新たな仕事の創造を、権限委譲すれば時間に余裕できるので
③ 部下育成
と聞いたことがあります、担当の仕事を熟知し、部下に権限委譲することで、権限委譲すれば時間に余裕ができ、新しい取り組み、新たな仕事を創造する責任があるということで、もう一つは預かった部下を自分以上の力量のある人間に育成することです。

世の中、組織責任者より組織管理者が多く、権限委譲せず責任移譲し結果責任をとらず、部下を自分のライバル視する人間が多く、現場は不条理が鬱積するのが常ですね
。」”
と書きました。

要は、組織責任者の責務とは、実務に通じて、問題意識を持ち、新たな仕事を創造することです。
中越武義・前梼原町長は、実務に通じており、問題意識を持ち、自然エネルギー(風車)を問題解決の序の口とし、役場の構造を改革し、町民の健康を考え、次世代の人材を地域で育てる文化を形成させ、財政も健全化させたのです。
短絡的に、風車を売電で財政良化をめざしたのではなく、地域の資源を活かして産業化(雇用創造)させ、併せて、高齢者と弱者が安心して生活できるように、外部コンサルの頼らず住民と一緒に、新たな創造に挑戦してきたのです。

東日本大震災の復興構想会議の理想論はわかるが、実務的な現実的な復旧が先決ではないかと思いがします。
現場は現場に任せ、本部は後方支援に注力すべきで、現場の責任は大きいのです。
現場の責任者の資質が問われるのです。



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