僕のほそ道   ~ のん日記 ~

  
これと言ったテーマはなく、話はバラバラです。 つい昔の思い出話が多くなるのは年のせい? 

バルセロナの旅を思い出す

2017年08月22日 | 旅行

    

先週、スペインのバルセロナで起きたテロ事件にはショックを受けました。バルセロナと言えば、2001(平成13)年10月に旅行した思い出深い街だからです。

2001年の10月といえば、ニューヨークで起きた同時多発テロから1ヵ月後でした。実は僕たちは10月にニューヨークへ旅行する予定で、すでに旅行社への支払いも済ませていたところだったのですが、そこでテロが起きたので急きょ行き先を変更せざるを得なくなり、かねてから興味のあったスペインのマドリードとバルセロナに行くことにしたのでした。

しかし、スペインもテロの影響でかなり危険な場所だというのは、現地へ行ってからガイドの話などでわかりました。それも一番治安の悪いのがマドリードで、2番目がバルセロナだということでした。なんじゃ、そら。う~ん、でもね~、もう来てしまったから仕方ない。あの時ほど身辺を警戒しながら旅行したのは、後にも先にもなかったですね。

マドリードで数日観光し、トレドやアランフェスにも足を延ばし、そのあと飛行機に乗ってバルセロナへ。空港で林さんという聡明で親切そうな女性のガイドさんが僕たちを迎えてくれていました。車の中で「同時多発テロ事件以来、日本の中高年の旅行者の方々がパタッと来られなくなりましたよ」と、僕たちが来たことをとても珍しがっていました。そんな珍しがられてもねぇ。

車でホテルへ行くまでに、林さんはいろんな話をしてくれたのですが、「バルセロナは一部特定の地域で治安が悪いので十分に気をつけてください」と言われました。その一部の地域というのが旧市街で、カタルーニャ広場から南に広がる一帯だという。まず、広場から港のほうに延びるランブラス通り。そしてその周辺にあるカテドラル、ピカソ美術館あたりが要注意。ランブラス通りはバルセロナでもっとも有名な通りで、カテドラル周辺は「ゴシック地区」と呼ばれ、見どころの多い観光ポイントだが、このあたりが最も油断ならない地域である、とのことでした。そして林さんはこういうことを言ったのです。

「ゴシック地区には、モロッコあたりから来ている泥棒たちが多く住んでいるので、観光するなら観光客が増える午前11時ごろからにしてください。モロッコ人はスペインの白人より少し浅黒い顔をしていますが、スペイン人と見分けがつきにくいです。色の黒い人はインド系で、目つきはよくないんですが、まじめに働きに来ている人たちなので悪いことはしません。リュックをかつぐ時は背中ではなく前にかつぎ、常時出し入れするお金は5千ペセタ(4千円程度)くらいまでにして、それ以上は奥深く隠しておいてください。そして常にまわりに警戒の目を配ってください。挙動不審と思われるほどキョロキョロしていれば、泥棒は近寄ってきませんから」

そんな具体的なアドバイスをしてくれました。

「治安が悪い」と言われたのは旧市街地で、カタルーニャ広場から延びるランブラス通りだと言われたのですが、今回のテロ事件が起きたのが、ほかでもないこのランブラス通りだったので、やっぱりそうか、と思いました。さらにガイドの林さんは、モロッコ人が治安を乱しているとも言っていましたが、今回のテロ事件の容疑者として最初に報じられたのがモロッコ国籍でバルセロナ在住の17歳の少年でした(警察に射殺されましたが)。その報に接した時、林さんの言葉が、鮮明によみがえってきたのでした。

事件が起きたランブラス通りは、前述したようにバルセロナの旧市街地を貫く並木道で、市民の憩いの場であるカタルーニャ広場から港に近いコロンブスの像まで続く開放的な遊歩道です。確か中央の道が歩行者専用で、並木の両側、つまり日本だったら歩道になる道を車が走っていたような記憶があります。道の途中に大道芸人がパフォーマンスをしたりして、とても魅力的な通りでした。

僕たちは林さんに警告されていたので、前後左右をキョロキョロ見回しながら歩きました。服装も古い普段着を着て、カメラも手に持たず、リュックやバッグの代わりに、クシャクシャのスーパーマーケットの袋に必要なものを入れて持ち、どこから見ても観光客には見えない恰好をして歩いていたのですが、それでも、後ろに怪しげな男がひとり、僕たちをじっと見ながらついて来ているのを感じたので、急にUターンしてその男を振り切ったこともありました。ま、とにかく、自分でもやり過ぎと違うか? と思うほどの警戒をしながら、観光を続けました。

一昨日の日曜日の「サンデーモーニング」で、ある女性コメンテーターが、今回のテロ事件に対して、
「スペインのような平和な国でもこんなことが起きて、驚いています」
と言っていましたが、これはちょっと違うように思います。僕たちがスペインへ行ってから2年余り後に、マドリードの中心にあるアトーチャー駅などで数百人が死亡、数千人が負傷した列車爆破テロ事件も起きています。スペインが「平和な国」でないことは、この事件一つを見てもわかると思いますが

 

 
バルセロナのカタルーニャ広場で。
「治安が悪いので写真を撮ってもらうのも相手を見て」
とガイドさんに言われていたので、このときは、
観光客らしい金髪の女性にお願いをして撮ってもらいました。
この旅行で2人一緒に写っている写真は、唯一この写真のみです。

この広場の横にテロが起きたランブラス通りがあります。

 

 

 

 

 

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