田園城郭都市構想 34

2017年03月12日 | 湖と城郭都市

1.ハワードの田園都市構想
2.田園都市論の現代的意義
.日本型田園都市構想
4.和歌山市都市計画と学園城郭都市
5.近代ニュータウンの系譜
       -理想都市像の変遷-
6.世界遺産登録に向けた取り組み
7.街道と湖上交通と都市形成
8.観光の現況と近未来

8-2-2 多様性と向き合う旅行

近未来の旅行を考えさせられるビデオ――ネクストワール
ド・シリーズ 私たちの未来「第4回 人生はどこまで楽
しくなるのか」2015.1.25 NHK(上写真)――を観る。

【概要】

ファッションやグルメ、一家団らんなど、人生の楽しみを
形作るものが、テクノロジーによって大きく変わろうとし
ている。色や形が変化する洋服や、自然食材に頼らず化合
物によって味のパターンを無限に作り出せる究極のグルメ
我慢しないで出来るダイエット法。中でも、ゲーム界から
発展したバーチャルリアリティ(仮想現実)の技術が進化
し、部屋に居ながら世界中を旅できる「どこでもドア」の
実現が近づいている。

さらに、画期的なのは亡くなった人がデジタル空間に残し
たデータを元に、人格を再現しようという試み。亡くなっ
た大切な人と永遠の語らいを続けられることも夢ではない
。現実とは別の「もう一つの世界」「もう一つの人生」を
手にできる未来で、私たちの人生はどれだけ楽しくなって
いるのか?という設問で展開する。

舞台は2045年。バーチャルリアリティの世界に浸る青
年と少女の物語。部屋に居ながら世界中に行ける「バーチ
ャル旅行」に夢中の青年は、幼い頃に出会った少女のこと
が今も忘れられない。一方、最愛の母親を亡くした少女は、
父親の手によってホログラムの技術で母親が蘇ったことに
激しい葛藤を抱いていた。蘇った母親は、作りものなのか、
本物なのか。葛藤する少女。そして青年と少女は、運命的
な出会いを果たすというストーリである。

 Wikitude

このような新しいテクノロジーを使った旅行の流行が、ど
のような影響、どの程度の変容をもたらすのかは、もう少
し時間が立ってみないとわからないが、近未来の概念は、
①リアル旅行、②バーチャル旅行と、さらに、①に拡張現
実(Augmented Reality)を融合した旅行③(これは、例え
ば「滋賀県ナショナルトレッキング構想」に組み込んでい
る)の3つの旅行/観光交流に分化していると考えるのは
自然である。

9.「湖の碧い四つの古城」構想

ここで、前8章の「インバウンド観光を推進する5つの施
策」をふまえ、国内外及び県下現況を配慮しつつ、直裁的
に差別化に焦点は自ずと「びわ湖」と定まる。その琵琶湖
も刻々と変化し、その上でわたしたち県民の暮らしが綿々
と綴られてきた、歴史(時間軸)×産業(分業軸)×資源(
(環境軸)の展開から、①古城、②バイオマス資源循環、
③湖上交通を抽出し「湖の碧い四つの古城(Azure quatre
vieux château sur le lac
)構想」である。

9-1 四つの城の機能



まず、ここで「四つの碧い城」はこのシリーズの「田園城
郭都市構想 28」の「第7章 湖上交通史」で掲載した、安
土城趾、長浜城、大溝築城、坂本城趾を観光交流拠点――
ビワイチ(自転車スポーツ)、ナショナルトレッキング(
水上・空中・トレッキング・登山のためのメンタル・天候・
防災・医療などと、観光交流情報センタ――機能を担う。



● 湖上からみた大溝城趾



● 坂本城趾公園湖岸からの湖上風景



● 湖上から見た安土城趾



● 湖上から見た長浜城

この四つの城を「碧い」とネイミングしたのは、琵琶湖の
碧と湖
面の反射光に映える「碧い城」を表現しているが、
ここを後で記載する「木質/非木質バイオマス原料の及び
燃焼灰の湖上輸送基地(港)機能をも備える。勿論、遊覧
船の停泊も可能だろう。

9-4 バイオマスエネルギー利用機能

次に、木質/非木質バイオマスをエネルギー変換する方法
は大きく分けて次の2つがある。

  1. 木質バイオマスを発酵しガス化し、①燃焼ボイラー、
    ②ガスタービン発電、③燃料電池にて変換するする
    方法 ※ 排熱を交換機や熱電変換素子で改修する
    方法。
  2. 木質バイオマスを燃焼ガス化した後、第1項と同様
    にエネルギー変換する方法。
     

このとき排熱は徹底的に回収利用するとともに、この工程
で発生する廃棄物を回収し、①土壌改質剤(肥料)、②コン
クリートなどの窯業増量剤として徹底利用する。

順序が逆になったが、木質(非木質)バイオエネルギーの
利用目的は、①持続可能な再生可能なエネルギーの自給自
足であり、②森林の保護と里山振興。そのためには、物質
収支/エネルギー収支の完全管理と廃棄物及び廃熱のゼロ
化を目標とし、さらに、これらのエネルギー次の目的に利
用する。

  1. 発電及び給湯(主に家庭用)
  2. 地下水源の温泉化(産業用)
  3. 養漁池・温室栽培・酪農・窯業熱源(産業用)
  4. 燻薪/燻炭化・堆肥・コンクリート増量剤(家庭用
    /産業用)

例えば、源泉が長浜の「伊吹薬草の里文化センター」付近
ににあればそこに集中させ、「コンパクト里山コンビナー
」と「里山観光・保養街」を形成する。


                      この項つづく

 

【エピソード】

 
 

 

【脚注及びリンク】
-------------------------------------------
  

  1. 訪れてよし、迎えてよし、地域よしの「観光・三方よし」
    滋賀県「観光交流」振興指針 2013.12.27
  2. 平成 27 年度 滋賀県「観光交流」振興指針 アクションプ
    ラン 2016.04.28
  3. 平成22年度 地域新成長産業創出促進事業   観光を手
    法とした地域経済活性化に関する調査報告書 日本交
    通公社 2011
    .05.30
    .
  4. 世界観光機関アジア太平洋センター
  5. 日本を観光立国にするための3つの課題:日経ビジ
    ネスオンライン 2016.11.17
     
  6. 世界観光機関アジア太平洋センター
  7. ツーリズムと観光の定義 佐竹真一 2010.03.23 
  8. 企画展示「湖の船」開催記録 びわ湖最後の船大工・
    松井三四郎大いに語る 琵琶湖博物館研究調査報告 
    19号 2012.03.21
  9. 古代の都支えた湖畔の製鉄炉 古きを歩けば(49)
    源内峠遺跡 2013.03.12 NIKKE STYLE
  10. 鉄鉱石の採掘地と製鉄遺跡の関係についての試論―
    滋賀県の事例を中心に―」(
    大道和人 滋賀県文化財
    保護協会紀要 No.9 2012.06.08
  11. 淡海文庫 「信長 船づくりの誤算―湖上交通史の再
    検討」用田 政晴【著】1997.07.20
  12. 世界遺産の保全と住民生活-「白川郷」を事例とし
    て-」才津祐美子、福岡工業大学、環境社会学研究
    (12)、 23-402006-10-31
  13. NPO法人 彦根景観フォーラム 第4回世界遺産を目
    指す彦根の課題
     2008.02.29
  14. 世界遺産所在自治体の保全と観光活用に関する取組
    事例集 国交省観光庁 2014.10.24
  15. 世界遺産登録による経済波及効果の分析 えひめ地
    域政策研究センタ 2007.01.11
  16. 世界遺産登録と持続可能な観光地づくりに関する一
    考察『地域政策研究』(高崎経済大学地域政策学会)
    新井直樹 第11巻,第2号,20089
  17. 世界遺産を活用した観光振興のあり方に関する研究
    運輸政策研究所 第35回 研究報告会 小室充弘
    2015.08.05
  18. 世界遺産登録に向けた取り組み(2014年度)彦根市
  19. 世界遺産に登録されるまで|世界遺産検定 NPO法
    人 世界遺産アカデミー
  20. 高句麗平壌城の都市形態と設計 閔徳植、 国際日本
    文化研究センター学術リポジトリ
  21. 松本市の都市計画 松本市
  22. ひこにゃんがいてもダメ? 彦根城はなぜ世界遺産
    になれないのか 週刊朝日 2013年6月28日号
  23. 利用者が“便利”だと思えるパーク&ライド ECO
    JAPAN インタビュー前編 2007.03.02
  24. 利用者が“便利”だと思えるパーク&ライド ECO
    JAPAN インタビュー後編 2007.03.09
  25. 第1回 ポストケインズ派経済学とは何か 佐々木
    啓明 2011.10.05
  26. 2回 ポストケインズ派経済学とは何か 佐々木
    啓明 2011.10.07
  27. 第3回 ポストケインズ派経済学とは何か 佐々木
    啓明 2011.10.19
  28. 第4回 ポストケインズ派経済学とは何か 佐々木
    啓明 2011.10.26
  29. 第8次彦根市交通安全計画 2012,03.22
  30. Core Strategy (2013) - Milton Keynes Council
  31. "The New Towns: There Problems and the Future
    Department for Communities and Local Government,
    2002.11.21
  32. 日本エシカル推進協議会Japan Ethical Initiative-
    エシカル日本
  33. 明治期廃絶城郭の公園化について ―史跡の保存活
    用の前史として― 佐々木孝文
     2015.06.26
  34. 都市とは何か 都市計画なぜ必要か - 東北大学
    奥村誠  2015.10.15
  35. 和歌山市都市計画マスタープラン 和歌山市
    2017.01.12
  36. 和歌山市立地適正化計画 2016.12.22
  37. 日本型田園都市構想―イギリス田園都市と比較し
    京田辺市を見直す―2001.12.11 西村利也
  38. 田園都市とエソテリシズム 吉村正和 2004.03.05
  39. 田園都市論の現代的意義 中井検裕 家とまちなみ
    45、2003.7.8
  40. 住宅地計画論 1.ハワードの田園都市構想園都市
  41. 都市思想の二人の巨人、ジェイコブズとハワード:
    宮﨑洋司市
  42. 近代ニュータウンの系譜―理想都市像の変遷-、
    佐藤健正、2016.06 28
  43. 近代ニュータウンの系譜―理想都市像の変遷-、
    佐藤健正、2016.07 26
  44. 近代ニュータウンの系譜―理想都市像の変遷-、
    佐藤健正、2016.07 26
  45. 近代ニュータウンの系譜―理想都市像の変遷-、
    佐藤健正、2016.07 03
  46. 平成 28年度 主要事業 彦根市
  47. 都市づくりの基本方針(全体構想) 彦根市 橋梁長寿命
    化修繕計画による対策橋梁について滋賀県
  48. 中国城郭都市社会史研究 川勝守 著 汲古書院
  49. 都市計画の世界史、日端康雄 講談社現代新書
  50. ドイツ流 街づくり読本  水島信
  51. 続・ドイツ流 街づくり読本 水島信
  52. 完・ドイツ流 街づくり読本 水島信
  53. 都市計画1 日本の都市計画制度の概要 大谷英一
  54. 都市計画2 都市の歴史と都市計画 大谷英一
  55. 都市計画の理論 系譜と課題 高見沢実編集
  56. 彦根市都市計画道路網見直し指針 
  57. 地域別のまちづくり方針(地域別構想)-彦根市 

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