ボクの奥さん

ボクの奥さんは、甲斐よしひろさんの大ファン。そんな彼女との生活をお話したいと思います。

コラム拾い読み5

2017-07-21 11:41:00 | 日記
少し前の天声人語に…「外国語に訳しにくい単語を集めた
『翻訳できない世界のことば』という本があり
日本語の『TSUNDOKU(積ん読)』が取り上げられていた

『本を積み重ねて読んでいない後ろめたさ』と
『いつかは読みたい気持ち』を込めて訳すのは、確かに難題だろう

英紙ファイナンシャル・タイムズの見出しには
『Sontaku(忖度)』の語があった
『まだ出されていない命令に、先回りして懐柔的に従うこと』と
苦心して訳していた

忖も度も『はかる』の意味である
それが最近では、権力者の顔色を伺い
よからぬ行為をすることを指すようになってしまったのか」と記されていて

また、別の日には…「『善処します』
かつて永田町や霞ヶ関界隈で、盛んに使われた言葉である
前向きな態度かと見せて放置しておく場合に便利である

この言葉の危うさを知らしめたのは、日米繊維摩擦だろう
1969年、日米首脳会談で、佐藤栄作首相が『善処します』と発言
通訳が『I will do my best』と訳したとされる

ニクソン大統領は、輸出規制の確約を得たと受け止めた
この『誤訳』が、両国の関係悪化を招いたと語り継がれて来た

英文記録を精査すると『善処』どころか
首相は『私は誓う』『信じてほしい』と言葉を重ねて確約していたという

だとすれば、なぜ『誤訳』説が生まれたのか
通訳を務めた赤谷源一氏は、87年に他界している
長女の慶子さんは『父は生前、誤訳説が広まろうが広まるまいが
全く気にしていませんでした』

源一氏は、英オックスフォード大学で学び、後に国連事務次長も務めた
英語力の確かさは折り紙つきだった

慶子さん自身、通訳として数々の修羅場をくぐり抜けて来た
『交渉がもつれたり、こじれたりすると
当の政治家が通訳のせいにすることって
昔からあるんじゃないですか』と快活に笑った」と書かれていて

日本語…というより、日本人らしい言い回しによる微妙なニュアンスは
他国の方には伝わりにくいことを改めて実感しました(苦笑)

去年の梅雨明け宣言の翌々日にも…「あまりよくないと思いつつ
何度も記事に書いて来た『…とみられる』
断定するほどの自信はないが
ほぼ確かだと言える時についつい使いがちだった

そうやって登場させて来た言葉が、気象庁の発表にもあった
『(九州から東海地方にかけて)
18日ごろ、梅雨明けしたとみられる』
『ごろ』とあわせ、二重に自信なさげだ」と掲載されていたり

早稲田大学・中村明名誉教授のコラムでは
「言葉は正しく表現したつもりでも
場面や状況、あるいは文脈によっては、別の意味に受け取られることもある

箱の大きさにも紐の長さにも色々あるから
大小・長短の判断に若干の個人差はあるとしても
『大きな箱を長い紐で縛る』という表現は、一定のイメージを与える

ところが『大きな象』『小さな蟻』という場合
象は大きな動物の代表的な存在であり
蟻は小さな生き物の象徴的な存在だから

『大きな象』は、象の中でも特に大きな、ある一頭を指すのか
象という大きな動物という意味で、種類を話題にしているのか
その両方の解釈が成り立つ

つまり『大きな箱』の『大きな』が、意味を限定しているのに対し
『大きな象』の『大きな』は、意味を説明しているに過ぎない
むろん、象や蟻に限らず『大きな鯨』も『小さな米つぶ』も
『細い糸』『丸いボール』も同様だ

その形容の当てはまる典型的な名詞が続けば
必ず生じる問題である」と記されていたり
日本人でさえ、日本語の曖昧さに振り回されることがあります(苦笑)

…が、一方で、それだけ語彙が豊富な言語だとも言える訳で
海外の曲や小説の和訳を名手と呼ばれる方が手がけられると
単なる直訳にとどまらず、的確でありながらも
行間を読んだ奥深いものに生まれ変わることが多いらしい

もっとも、竹内まりやさんは、初めてビートルズの曲をお聴きになった際に
原曲の歌詞を本来の意味やニュアンスで理解したいと
英語の勉強に励まれたそうですが…

甲斐さんは、かつてサンストで…
「二葉亭四迷っていう人が、洋書を日本語に訳すのに
『I love you』で物凄く悩んだ結果
『私はあなたのためなら死んでもいい』としたっていう話があるんだけど

『I love you』=『僕は君を愛してる』っていうのは
誰かが便宜上、無理矢理決めた『モノサシ言葉』でしかないもんね

それが、二葉亭四迷にとっては『死んでもいい』という意味だったんだろうし
俺だったら、うーん…女の人と会うとポンポン喋れないし
そうだな…俺の『I love you』は無言です…なんてのはどうだろ?」
…と、おっしゃってました(笑)

ともあれ、そういった「意訳」の極致が
洋画の字幕スーパーじゃないかと…?
映像を観ながら読める字幕には限りがあるため
目安は、1秒につき4文字程度、句読点は使わず
1行は14文字で、2行までが一般的…とされている中

会話や長いセリフをどう区切るか
言葉遊びやギャグ、専門用語をどう表現するか
漢字やひらがな、カタカナの割合をどうするのか…といった点も考えつつ
的確な日本語を選び出し、簡潔に訳す知恵と工夫が詰まっているそうです

映画「カサブランカ」のあまりにも有名な「君の瞳に乾杯」というセリフ
原語では「Here's looking at you」(君を見ながら乾杯)だったらしいんだけど
その本来の原語が持つ細やかなニュアンスは判らないながらも
「君の瞳に乾杯」の方が、圧倒的にイイ!と思います♪

ジョニデ演じるジャック・スパロウが
手下に見放され、雨の中でグチるシーンでは
「あいつら、かつてのジャック・スパロウ船長は色褪せたと思っているのか
長年、風呂には入ってないのにな」という直訳が

「俺の栄光も泥まみれ / 風呂に入ってないし」という2行に収まってますが
原文では「wash out(色褪せる)」と
「wash(洗う)」が、かけ言葉になっていて

オチを「風呂に入ってない」にしたいものの
この部分の尺が2秒ほどで、8〜9字でセリフを作らなければならず
「色褪せる」まで表現する余裕がなくて
「泥まみれ」が編み出されたんだとか…

「スター俳優本人の声が聴ける」と人気を集めた字幕版も
近年は、スターよりも派手なCG映像を楽しむ時代になり
「映像の邪魔になる」と吹き替え版に押され気味みたいですが
その原因として「若者の活字離れ」を挙げられる方がおられる一方で

「イヤイヤ、スマホ世代は横文字に親しんでいるため
文字を読むスピードは速いはず」とおっしゃる方は
「忙しい現代人を飽きさせないように
昔の映画に比べて、今の映画は、会話の速度が上がっている」と
環境による映画自体の変化を理由になさってます

でも、映画館以外…衛星放送や配信などによる海外映像や
日本語作品につける日本語の「バリアフリー字幕」…の分野では
字幕翻訳の需要は高まっているようです

そういえば、甲斐さんがNYで「乱」をご覧になった時に
「冗談を言う場面で、一番最初に笑ったのは、まぎれもなく俺でした
そらそうだっての(笑)でも、気分イイよね」と話されてましたね(笑)
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