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日本固有のスグリ

2016年09月10日 | 樹木

「スグリ」(Ribes sinanense F.Maek)【スグリ科スグリ属】の果実が色づき始めました。
『日本の固有植物』(加藤・海老原: 2011)によると、スグリは日本固有種とのことです。
このスグリ、長野県と山梨県のみに分布する希少種のようです。
画像のスグリは、湯ノ丸山系に生育する標高1300mほどの落葉樹林内の株です。
家庭などで栽培されるお馴染みの“スグリ”は、外来種のセイヨウスグリが多そうです。
牧野新日本植物図鑑を参考に、スグリとセイヨウスグリの違いを画像で比べてみました。
画像に用いたセイヨウスグリは近所の畑のわきに植えられている株です。


一つ目は花で、花弁の形、花弁と雄しべの長さの比較です。
スグリは5月に開花、花弁の形は披針形で雄しべとほぼ同じ長さになります。
セイヨウスグリは4-5月に開花、花弁の形は倒卵形で雄しべよりかなり短めです。


二つ目は子房や果実の表面に生える白色の毛の有無です。
スグリは無毛で、セイヨウスグリは毛が多く、熟しても毛が見える果実もあります。


三つ目は果実の形で、見分けの手段としては分かり易い特徴です。
スグリは楕円形、セイヨウスグリは球形でマルスグリとも呼ばれています。
どちらの実も食べられますが、美味しいといえばセイヨウスグリでしょうか。


四つ目は刺の数で、特に、冬は見分けのポイントになります。
スグリは葉腋の下に3つの刺があり、セイヨウスグリはほとんどの刺が1つです。
稀に2つ(画像右の下の刺)や3つに分かれた刺もあります。
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