2011年も早いもので、あと1カ月を残すのみとなりました。
今日は、先月、文科省より報告された「体力・運動能力調査報告書」(体力テスト)の結果についてお話しします。わが国では、1964年(昭和39年)からこの「体力テスト」が実施されてきており、毎年、“体育の日”に政府から公表されることになっています。
まず、「体力とは何か?」ということについて簡単にふれておきます。体力とは大別して「行動体力」と「防衛体力」とに分けられます。行動体力とは、外界に働きかけていく身体の力のことで、わかりやすく言うと、行動を起こす力(筋力、パワー)、行動を持続する力(筋持久力、全身持久力)、行動を調整する力(平衡性、敏捷性、柔軟性など)等を指すことができます。一方、防衛体力とは、暑さや寒さに対する抵抗力であったり、身体の調子を整えたり、適応したりする力のことを言います。一般的に「体力・運動能力テスト」と言われているものは、行動体力のことを指していると理解してください。
さて最新の調査結果(2010年)と10年前(2000年)の結果とを比べてみますと、握力(筋力)では小学6年生の男子で2010年20.3kg・2000年20.6kg、中学3年生の男子で2010年35.8kg・2000年36.3kgとこの10年で若干の低下がみられました。女子についても同様の結果でした。全国平均値で見てみると現代の子どもは握力がないようですね。走・跳・投の能力について見てみますと、50m走では小学6年生男子で2010年8.82秒・2000年8.89秒、中学3年生男子で2010年7.51秒・2000年7.63秒という結果であり、記録の向上が確認されました。立ち幅跳びでは、小学6年生男子で2010年167.27cm・2000年168.12cm、中学3年生男子で2010年213.12cm・2000年210.71cmであり、中学生で記録が向上していました。ボール投げについて小学生・中学生とも、2010年の記録に向上が確認されました。これらの結果から、現在の子どもの体力は総じて向上しているものと捉えられることでしょう。しかしながら、この体力データと運動習慣とのデータをクロスさせた結果を見てみますと、「スポーツクラブに所属している子」と「所属していない子」の50m走の記録は、所属している子どもが8.71秒・所属していない子が9.17秒と記録に大きな違いが認められ、また、このような差は以前よりも現代の方がより拡大の傾向をみせているようです。
このことは、身体を動かして運動したり遊んだりという機会が保障されている子どもほど発育・発達が促進されることを裏付けるものと考えられます。
生涯を通じて豊かなスポーツライフを送るためにも一生を健康に過ごすためにも、子ども期からの運動やスポーツの実施は欠かせないものとなってきているのではないでしょうか。
北九州市で活動する総合型地域スポーツクラブ LAC