日本ジオパーク委員会(委員長・尾池和夫元京大学長)は8日、日本ジオパーク(地質遺産)の初認定地域として、「アポイ岳」と「洞爺湖有珠山」の道内2カ所を含む計7カ所を決めた。世界遺産の地質版と言われ、貴重な地質や地形、災害跡地などが見られることが評価された。今後地元自治体は、認定地域をジオパークと名乗ることができ、教育や防災、観光など地域振興に弾みがつくと期待される。
アポイ岳(810メートル)は、上部マントルのかんらん岩がプレート(岩板)活動によって地表に押し上げられてできた世界的にも珍しい場所。特に、上昇する間の熱や圧力の変化で起こる変質がほとんどないため、地下の状態を正確に把握できる点で貴重だ。植物の成長を阻害する成分が含まれるため、それに適応した独特の植生も見られる。地質と植物の関係を知る上でも重要な地域だ。
地元の日高管内様似町の坂下一幸町長は「これまでの啓発保護活動が評価されたものと思う」と喜びを表した。来年度から3年計画で、アポイ岳とその周辺の案内板や説明板の設置、ガイドの養成などを進める。
洞爺湖有珠山は、00年の噴火災害跡や10万年前の噴火でできたカルデラ湖である洞爺湖など、火山をよく観察できる。特に地域に含まれる昭和新山は、地元住民が私費で土地を保全し、防災啓発を続けるというジオパークの理念の先駆けの地となった。世界ジオパークの国内候補に選ばれており、日本ジオパークとして既に内定していた。
北海道大学の新井田清信准教授は「(今回決まった道内地域は)地球規模の地殻変動を観察するには絶好の場所。ジオパーク認定は地質学の研究や普及教育に大きく貢献する」と評価している。
道内では旧石器時代に利用された黒曜石が取れる網走管内遠軽町と、蛇紋岩と特殊な植物が観察できる夕張岳がある夕張市にもジオパーク認定に向けた動きがある。【去石信一】
毎日新聞 2008年12月9日 地方版
http://mainichi.jp/hokkaido/shakai/news/20081209ddlk01040147000c.html










