中国不滞在記 in 神戸

行って見て聞いて考えた中国のこと

遠足で台州へ行ってきた②

2014年04月17日 | 中国の学生
一日目の夕方は学生と近くの公園を散歩した。
仙居の町を貫く川に沿って遊歩道が設けられている。

例によって木々や建物が青や黄色のイルミネーションで飾られているが、
それを除いては、広々して気持ちのいい空間だ。

あちこちの地方都市に行ったが、大抵こんな広い公園がある。
日本の都市のせせこましい公園、何とかならんもんかと思う。

二日目、日曜日は朝からバスに乗って神仙居という標高1400m位の山に行った。

神様や仙人が住む処と言う意味らしい。
ここもまた、風景区になっていて登るには入場料を払わなければならない。

山に登るのにお金がいるなんて、日本では富士山だけだ。
それもたった500円か1000円か取るの取らないので大揉めした。
社会主義国家は、あっという間に中国の主な文化・自然遺産を風景区に取り込み、
利権の巣窟人民のリクリエーションの場に整備したのである。

入場料125元(2100円)、浙江省の平均給与4千元と比べていかにも高い。
日本人の平均給与を30万とすれば、1万円ぐらいに相当する。
小学生と中学生のこどものいる家族4人だと優に日本円にして3万円は越すだろう。
これだけのお金を痛みを感じずに使える人民は上位10%ぐらいではないのか。
それで「为人民服务」なんてスローガン唱えたって絵空事だろうが。
怒りが込み上げてくる。この正義の怒りは、最近、風景区の割引制度が65歳以上に引き上げられてきたからでもあるのだが。。

神仙居風景区は巍巍たる山塊の間に深く谷が切れ込み、11座もの大きな滝があり、巨岩奇石、さながらに水墨画の世界である。中国にはこのようなすばらしい景観があちこちにある。日本にあれば、ハイキングの名所になるに違いない。


この断崖絶壁は「将軍岩」





ロープウエイも設置されている。登り55元、下り45元と設定が細かい。寝不足で体調がよくなかったのでロープウエイにするつもりだったが、学生が何やら相談して一人だけロープウエイで日本外教について上がるという。よけいな負担をかけさせないため、一緒に歩いて登ることにした。





これがなかなか大変で、たっぷり2時間かかった。学生たちは勇躍、軽い足取りで登って行くのだが、ワタクシは牛歩の如く、ゆっくりと歩いた。そのうち彼らはバテるに違いないと思っていたら、案の定、日ごろから運動している2,3人を除き、みんな息が切れている。
登山はゆっくりしたペースで休まずに上るのが定石なのだ。

40歳頃から登山が第2次マイブームになって、以来20年位九州から北海道までいろいろな山を登った。深田久弥の日本百名山は50数座位しか登っていないが。。。その代り北アルプスや南アルプスの山々は何度も登った。人によっては百名山達成の横断幕まで用意している人もいるそうだが。。。ワタクシは登ろうとは思わない。それは深田久弥の百名山であって、ワタクシのではないからだ。つまらない山もある。彼が登らなかった山でいい山もある。だから百名山を全部登りたいとはちっとも思わない。←これって登りたいの裏返しかも

登って行くうちに滝に遭遇、中国語では瀑布(pù bù)という。けっこう大きな滝が11座もあるそうだ。





三重県に大台ケ原というステキな山があり、そこには大蛇という数百mの落差のある深い谷があるがこちらの方が遥かに雄大だ。


学生は豚の手みたいだと恥ずかしがっていたが、、、

日本だとこのような山は必ずと言っていいほど、修験道の行者場になっているが、中国ではそのようなものはないようだ。あまり禁欲的でないお国柄のせいかもしれない。


展望台はガラスでできていて数百メートルもの落差が真下に見える。
これはちょっと怖い。ガラスが汚れていて下がよく見えないのでよかった。


中国人は写真をとられるとき、ポーズ大好き、これはその一つのバージョン。

巨岩の間からロープウエーが見える。



下りはロープウエーで降りることになったが、そこで事件発生・・・・・
乗ってしばらく下降したところでいきなり停まってしまった。
原因はなんと停電。日本でも強風でゴンドラが途中停止することはあるが、ロープウエーは
あまり聞いたことがない。いかついおっさんが大声で男の乗務員に文句を言いだした。
ようだ、というのはこの地方の方言なので、学生たちには彼が何を言っているのか全然わからない。台州の学生もいるが、この地方からほんの80キロ離れた町の出身なのに、
やっぱり听不懂(tīng bú|bù dǒng)聞き取れない 。この地方に限ったことではない。
華南の中国の方言の多様性は斯くの如しなのだ。浙江省の温州方言などは、その難解ぶりで
有名で、あまりにも分かりにくいので軍隊の暗号に使われたそうである。華北や東北ではどうなんだろうか。

幸い10分ほどで動き出した。
下の駅に着くとみんなぞろぞろ乗車券売り場へ。払い戻しを要求したらしいが、あえ無く却下。10分ほどだからしかたないが、乗務員からはすみませんの一言もなかった。それどころか、この乗務員は停まっている間を除いて、観光案内をするわけでもなく、ずっと携帯をいじりっぱなし。ま、中国では普通のことなんですけど。。

バスで学校に帰着、おもしろいのはここから流れ解散で、何の挨拶もなく、三々五々思い思いに消えていく。日本ならみんなで集まって、幹事にごくろうさんの一つも言ってから一斉に解散すると思うのだが。。。。このゆるさ、そんなに嫌いじゃない。


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