石原延啓 ブログ

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美しき青きドナウ(ヴァッハウ渓谷)

2010-04-18 22:09:47 | Weblog


4/17
この一週間は雨続きで今日は久しぶりにカラッと晴れた。
日本の友人より紹介してもらったherblet夫妻のお誘いでヴァッハウ渓谷へ行く。
ガイドブックによればドナウ川流域でも最も美しいとされているらしく、世界遺産にも登録されている。古くから交通の要衝であった川の両岸辺にはいくつもの古城や修道院を見ることができる。またワインの産地としても有名だ。
いざ「美しき青きドナウ」へ。

それにしてもオーストリアの田舎の風景はなんと美しいのだろう。余計なものがまるでない。
先日ネットで山形・銀山温泉のアメリカ人名物女将が帰国してしまった記事を読んだのだが、彼女はオーナーが伝統ある旅館の内装を現代の西洋風にリュニューアルするのに反対していたとのこと。結局デザイナーを入れて改装がなされた後、旅館の経営は傾き巨大な負債を抱えてしまった。現代の日本人はもう少し余計なもののない美しさに価値を見いだしても良いのではないかな。

まずはクレムス、デュレンシュタインを通り過ぎてシュピッツへ向かう。
本格的に温かくなってから初めて快晴となった週末、あるいはこの一週間のぐずついた天気の憂さを晴らす為からか凄い人出(あくまでもこちらにしては、という意味ですが)で駐車スペースが見つからない。それでも何とか確保して周辺を散策。
旦那のマリオ曰くブドウのだんだん畑が美しいのでまずはここに立ち寄るそうだ。辺りは春の到来で匂い立つようだ。歩いてみて、とにかく街(村)が旧いのには驚かされる。



次に名所中の名所デュレンシュタインへ移動。
この街を有名にしているのは崖上にあるケーンリンガー城跡にまつわるイギリスのリチャード獅子心王の物語。第三回十字軍の帰途、オーストリアのレオポルト公の怒りに触れて1192~93年にかけてここで幽閉されていたそうだ。そのお城のお膝元、ドナウと山の狭い場所に旧い小さな街がくっついている。駐車場から川縁を歩くと崖の岩肌にトンネルが!そこを昇ると美しい街になっていた。なにげない町役場の建物にも600年(!)の歴史があった。
地元のワインやらアプリコットジャムやらのお店が並びド観光地なのだけれども充分に楽しめた。2歳のおチビちゃんがいたので城跡までは行かなかったが青色の塔を持つ教会のテラスから見るドナウの眺めは美しかったです。



行き帰りの車窓から遠く山の上にSFXの映像のごとく巨大な城壁のシルエットが見えた。後で調べてみるとメルクの大修道院だった。
せっかくオーストリアまできたのだから観光もしなければね。充実した一日でした。