岩堀修明ブログ

ドクター岩堀の
「私設動物資料室」

カイチュウの偽体腔

2017-04-20 | ドクター岩堀の「私設動物資料室」
 カイチュウは、袋形動物の線虫類に属する動物であり、ヒトの腸内に寄生する。
 カイチュウの体は、外方から、体壁、偽体腔、および消化管、精巣、卵巣などの体内にある器官より構成されている。
 偽体腔は、体壁の内方に広がる大きな腔所であり、内部は偽体腔液に満たされている。消化管、精巣、卵巣などは、偽体腔の中に分布しており、偽体腔液内に浮遊した状態になっている。偽体腔ができたことにより、体壁と体内にある消化管、精巣、卵巣などの器官は引き離され、体壁も体内の器官も、互いに自由に動くことができるようになった。さらに、いろいろな物質が偽体腔液内を拡散するので、物質の輸送も、速やかに行われるようになった。
 扁形動物には、体内に大きな腔所はなく、体壁と体内にある消化管などの器官は、実質上、つながっている。このため、体壁が動けば消化管なども動いてしまうし、消化管が運動すれば体壁も動いてしまう。物質の輸送は、隣接する細胞の間隙を通して行われている。
 体壁と体内にある器官との間に腔所ができたことは、動物にとって大きな出来事であった。袋形動物は偽体腔動物とも呼ばれる。


『その他生命体』 ジャンルのランキング
コメント   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 紐形動物の捕食器 | トップ | 真皮骨 »

コメントを投稿


コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。

あわせて読む

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL
  • 30日以上前の記事に対するトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • 送信元の記事内容が半角英数のみのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • このブログへのリンクがない記事からのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • ※ブログ管理者のみ、編集画面で設定の変更が可能です。