エッセイ by Genki (森田 信義)

 800字で何を、どれほど表現できるのかに挑戦してみました。予想外に分量があります。

芝桜

2017年04月20日 22時34分24秒 | Weblog

 (8年前の芝桜1)

 (8年前の芝桜2)

   わが家から、車で二十分足らずの所に、芝桜の名所がある。八年前に偶然に訪れて感動、感心した場所である。近くに、決して安くない入場料を徴収する観光名所が多数存在するのに、この芝桜の広い地域は無料であった。
 農林省(当時)を定年退職した人が帰郷して、自分の田んぼのあぜ道に芝桜の苗を植えたのが始めだという.雑草を防ぎ、肥料にもなるというようで、この芝桜の園の後に、近くに数多くの芝桜の地が出現した。
 今日、ふと思い立って撮影に出かけてみた。途中に何カ所か美しく咲き誇る芝桜があり、さすがにオリジナルな芝桜園の影響力にはただならぬものがあると思っていた。が、肝心の芝桜を遠望できる所まで来て、少々違和感を覚えた.想像の中の芝桜に合致する姿が見えないのである。
 いよいよ間近に来て、目を疑った。花がごくわずかで地肌があちこちに見え、花も生気を失っている.見物に来ている人も皆無であった.立ち話をしている近所の農家の人に、花の盛りを過ぎたのかと尋ねてみたが、今が盛りだという。雑草が生えて花の見栄えがよくないのだともいう。雑草を防ぐのではなかったかと思うのだが、何しろ絶滅の道を歩んでいるようで、気が滅入る。せめて元気のよい場所もあるのではないかとあちこち歩き回ってみたが、どこもかしこも同じであった。
 農政の専門家の旗振りで始め、当初は、多くの観光客も訪れることに刺激を受けたとも思えるが、労力もお金もかかるボランティア活動に疲れ果ててしまったのだろうと推測できる。リーダーに不幸があったのかもしれない。
  自然を相手にした活動は難しい.もっとも、自然の荒廃は、人間に対する自然の勝利と言えなくもない。小さな花を前に考え込んだ。

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