靴下にはそっとオレンジを忍ばせて

南米出身の夫とアラスカで二男三女を育てる日々、書き留めておきたいこと。

チック症について

2013-03-31 03:20:13 | 子育てノート
まだまだ渦中にあるのですが、随分と気持ちの整理がついてきたので、ここ一ヶ月ほどのことをまとめてみます。私自身、この一ヶ月という間、悩み、落ち込むなかで、同じような症状のある子供さんを育てられる親御さん達の話を聞き、頑張ろうと励まされたように、こうして向き合い改善へと取り組んでいる私達一家族の様子を伝えることで、少しでも楽になる方がいるのならば、そう願っています。

・次男の発症

三歳次男にチックのような症状が出始めたのが先月の終わり。プレスクールの帰りに車の中で物を落としてしまったという普段なら何でもないことが原因で、赤ちゃん以来こんなに激しく泣くのは初めてと感じるほど泣き叫んだ翌日、始まりました。秋以来何ヶ月間か行きたくないとぐずっていたプレスクール、やっと一人で行けるようになったのもつかの間、泣くことはないものも朝になると行きたくない!というのが再び始まっていました。そこで症状が出て日以来、しばらくお休みすることに。実は四番目の子にも四歳半の時、それらしい症状が出たことがあり、その時週一日で通っていた習い事を止めたところ、一ヶ月ほどでなくなったという経験があります。

 それでも、今回のものは少し違っています。三女のものが、鼻風邪をひいたあと、鼻をぐずぐずする表情が少し癖になったのかな、といった程度で、チックとまでは言わないのかもしれない、という様子だったのですが、次男のものは、首ふりを主に、時に表情や手も少し動くのです。その仕草の大きさも頻度の多さも三女のときとは比べ物になりません。小児科医に診察を受けたり、チックについての様々な情報を集め、彼の様子を見つつ、私と夫に何ができるかと探ってきました。


・チックとは

 自らの意志に関わらず繰り返し同じ仕草を繰り返してしまう症状を言います。瞬き、顔をしかめる、首を振る、などの動作チックと、あっあっ、ふんふん、などの声を発してしまう音声チックに分けられます。子供の一割から二割に見られるといわれ、男の子の方が女の子より三倍の確率で多いそうです。指や首をポキポキならしたり、貧乏ゆすりなども含めると何らかの「癖行動」をもっている人は、二人に一人という見方も。

 三歳頃から見られることのあるチック、子供のチックは一年以内に消える一過性のものがほとんどで、繰り返し出たとしても、90パーセント以上が大人になれば治るもの。それでも稀に残る場合も(ビートたけし氏や石原慎太郎氏のように)。

 その症状が重くなるとトゥーレット症候群と言われ、動作チックと音声チックが絡み合い、命に別状はないものの、日常生活に支障をきたします。症状を抑える薬はあるものの、根本的な治癒は今のところなし。


・原因と対処

 一昔前は、原因は全て母子関係にあるという説明が主。今は、脳の仕組みに原因があり、何らかの発達障害という説が主流。成長の過程で、脳のバランスがうまくとれなくなっている状態。ほとんどの場合は、成長と共に脳がよりスムーズに機能するようになっていくため消えていくのだそう。

 全く同じ環境にあっても、出る子と出ない子があり(一卵性双子の一人のみに出る例など)、小児科医によると、緊張や興奮を緩めるための、その子特有の表現方法、個性と。ある意味こうして「緩める」方法を学ぶことで、ストレスを溜め込むことなく、その子にとっての助けになるとも。

「予防とか、こうしたら良くなるとか、何かできることはないのですか?」と尋ねる私に、小児科医、きっぱり「ないです」と。「症状については『無視』が一番です。普通どおりに生活してください。プレスクールもあなたの選択ですが、戻して全然構いませんよ。ストレスに対し自分で慣れていこうとしている過程なんですから。日常生活で普通に出会うストレスくらいならば、慣れていかなくてはいけません。私達は子供達をcripple(不具)にはしたくないのです、いずれ自立して一人で歩いていかなくてはならないのですから」と。

「感受性の強い、敏感な子がなりやすい」とも。

 他の人が普通に通り過ぎてしまえることでも、何倍もの強烈さで感じてしまう、それは五人の子に共通して言える特徴かもしれないな、と感じることがあります。次男はその緊張を、こういった形で表現しているのでしょう。

 確かに「その子特有の表現方法」というのは納得のいく説明でした。同じように育ててきたはずの上の子達は発症せず、次男にだけ発症。ああ、私がああしてしまったから、こうしてしまったからと、かなり落ちこんでいたのですが、冷静に考えてみると、「母子関係に全て原因がある」ということならば、全員に何らかの症状が出ているはずなのです。思い返せば、上の子達に対しての方が申し訳なかったなあという失敗を多くしていたもの。何か他にも原因があるはずです。

 「ストレスに慣れていく過程」、それでも「習い事を止めたとたん治りそれ以来出ていないという三女の例」が示すように、取り除いても差し障りない原因は取り除いてやる、他の子が何ともないことでも、その子に対して無理過ぎるのならば、ハードルを下げるというのも必要だなと感じています。その子にとって「日常生活で普通に出会うストレスくらい」でないものは、取り除いていく。

 「愛情不足」「がみがみと叱りすぎ」「神経質」「過干渉」「ニグレクト」、そういった母親の姿勢や態度が原因でチックになるのだと、一昔前は母親のみが矢面に立たされてきたチック。次男の様子を見、私達の生活を振り返り、調べていくと、そんな単純なものじゃないでしょう、そう思えてきます。


・次男の症状観察

 次男の観察を続けて約一ヶ月。次男を見ていると、症状が出るときというのは、緊張、とまどい、チャレンジ、興奮状態にある時のようです。それは一概に「嫌だ」とストレスを感じている時だけでなく、嬉しくて興奮状態にある時などもです。まさしく興奮の緊張や張りを、症状によって緩めバランスをとっているのでしょう。

 そして最も出る時というのが、上の子たちと遊んでいる時。特に磁石なんじゃないかというぐらい、一心同体状態の四番目の三女と遊んでいる時。朝から今日もあなたに会えてよかった!と抱き合うことから始まり、学校から帰ってくる三女を待ち焦がれ、帰ってくればもう離れることなく遊び続ける互いに大好きな二人。これだけ一緒にいるのに喧嘩もたまにするくらい、三女も次男が可愛くてしょうがない。三女が右といえば、右、上といえば上、次男に何かを聞くときは、三女に聞くだけで、どっちみち三女と同じ答えを言うから分かっちゃうね、と上の子たちと言い合っているほど。

 それでも二歳上のおしゃまな(女の子の方が発達面でより早く色々器用にこなせるようになる場合が多いと感じています)姉と、付き合っていくには彼もかなり背伸びして張っている状態なのでしょう。そんな三女とこれほどべったり、しかも三女以外にも、姉達兄に囲まれ、家族が揃えば、興奮状態が続きっぱなし。

 ただでさえ色々なことを強烈に感じてしまう僕、兄姉のいないせっかくゆったりできる機会に、プレスクールという新しい環境で緊張続き。ママも一日中家事や兄姉達の世話に走り回ってるし、もうたまらな~い! 次男の状態とはそういうことなのかなと。


・ドーパミンを抑える?

 チックの研究では、「ドーパミンの過剰放出が原因」とする説が最も有力とされているようです。「ドーパミンの放出量」を抑えることで、症状も緩和されると。

 ならば、落ち着いてゆったり穏やかに三歳児であれる環境を作り出すことで、症状も治まっていくのではないか。確かに、同じ年齢の子達と遊んでいる時や、私と二人でゆっくりのんびりしている時は、あまり症状が出ないのです。

他にもドーパミンを減らすのに良い方法を調べてみると:

1.睡眠をたくさんとる
 ああ、これもまさしく。上の子たちと同じペースで寝起きしている三歳児。昼寝しないことも。ということで、外で思いっきり身体を動かす活動を午後一時半くらいまでし、その後ドライブして帰宅(昼寝を嫌がる彼も運動の後車に揺られいつしかすやすや)という昼寝を取り入れた生活パターンを始めました。

2、チョコレート、カフェインを避ける 
 チョコレートなんて上の子達が三歳の頃は周りになかったので与えたこともなかったのですが、今は周りにそれぞれの子供達が学校やお友達からいただいく様々なキャンディーやお菓子類が溢れてます。食べるのは時々ですが、上の子達が三歳だった時に比べ、口に入れる機会も圧倒的に多いです。

3、テレビやパソコンの使用を控える
 これらはドーパミンを増やすのだそう。これも、上の子達が三歳のときは、今のようにいつも誰かがコンピューターの前にいる(宿題やリサーチで上の子達の日常に必要、その他にコンピューターゲームだって時間を決めているものの、上の子達が交代でしていたら、全体的にはかなりの量)なんて状態はなかったです。スマートフォンも家に三台あるし。テレビを見るという習慣が家にはないのですが、映画は週に一度見るし、上の子達が育った環境に比べ、メディアに触れる機会に溢れてます。

こう見てくると、なぜ次男だけに症状が出ているのかが、かなり納得できます。四人の兄姉達に囲まれ、この生活ペースに環境、ドーパミン次から次へとどんどん放出状態だといえるかもしれません。


・これから

 まずは変えられる環境から変えていくこと。「ゆった~り、ドーパミン抑える環境を整えよう作戦」というのが、今の私と夫とが行き着いた計画です。上の子達がいない時は、今の内に!と走り回っていた家事もひとまずそこそこにして、まずは次男とゆった~り、けたけた笑えるような遊びをしたり、外で自由に思いっきり走り回る。たくさんスキンシップをとり、安心してゆった~りとした気持ちになれるよう。

 それでも、こうして症状を促すだろう環境に囲まれずとも、普通の日常生活以上の無理を与えていなくても、愛情たっぷりでスキンシップをとり、ゆったりと暮らしていても、「その子特有の表現方法、個性」と言われるように、元々出易い脳の仕組み、体質というのがあり、症状が出る子には出るのでしょう。そして一生この「個性」と付き合っていくという可能性もあり得る、その覚悟もできてきました。

 私達にできる限りのことをし続け、それでもどうしようもないことは受け入れる、そう進んでいきます。


 チックに取り組む全ての方々へ、心からのエールを送りつつ。


三歳児アクティビティーに遊ぶ日々:

公共のリクリエーションセンターにて、

いえ~い。

こうやって、


それ~。


図書館で歌たった後は、塗りえ。
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4 コメント

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よかったです。 (りん)
2013-04-01 02:06:35
しばらく連絡していなかったので、どうしているかと思っているところでした。記事を拝見し、次男君の笑顔が増えたことを心から嬉しく思っています。ほんとによかったなあ。嬉しいなあ。

普通に暮らしていて何か意外な事が起こった時に、初めはあれが悪いんだろうか、これが悪いんだろうかと考えがちですよね。人を責めてみたり自分を責めてみたり、考え過ぎて落ち込んだり、ぐるぐると考えのループの中にいたり。それはそれで自然なことで、でもそこから目の前にあるチックという現象に素直に向き合ったマチカさんは、偉いおかあさんだと思うな。

次男君は絶対に大丈夫だよという声が聞こえてきませんか?
今しばらくママと付き合いたいだけなんでしょうね。それはきっとママにも素敵な恵みをもたらしてくれることでしょう。

正直言って、わたしにはよくわからないです。ただ、今世界がものすごいスピードで変わっているらしくて、その渦の中にわたしたちも暮らしているという事実が、これまでの価値観を洗い直しているという感じがします。

マチカママ、リラックスして心の光に従って素敵な家庭を守って下さい。いつも応援しています。そして、心から次男君の幸福を願っています。
うちも (テッサー)
2013-04-02 13:50:30
毎度タイムリーな話題でびっくり。
うちの長男も吃音(どもり)があってね。
幼稚園の時にも少しあらわれたんだけど、その時は妹がうまれたてて、精神的に不安なのかなって見守り1カ月くらいで消失。
今回は昨年半ばから最後の言葉を繰り返すようになって、あまり気にとめてなかったんだけど、12月末から最初の文字のどもりがひどくなってきたの。先生にも相談して、友達からはからかわれていないし、本人もあまり気にしていないから様子みましょう、と言われ、私もガミガミいいすぎだったのかな、と細かく注意しなくしたり。それでも緊張場面や興奮すると激しくてねー。最近はクラスの女の子に私が「・・君って話し方が・・」って言われて少しショックだったわ。
先生も、みんなの前で発表する時とかは目立ちますね、って言ってたけど、気になるなら、学校に言語聴覚士がきて訓練することもできるから(他の指定学校に週1程度通う)言って下さいね、と。
夫も小さい頃どもってたみたいで、それもあっていじめられた経験もあるんだけど、自然になおるから指摘するな、と言われ、でも気になるし、時にイラっとするし、なかなかねー。
今は夫は普通に話すけど、やっぱり時々妙なクセ(わざとはっきり話さなかったり、貧乏ゆすりや鼻歌を歌うなどけっこういじめられポイント満載)するから、精神的にストレス耐性が弱いのかも。
こうゆうのって、もぐらたたきで、一つ消えてもまた他のところに出たりするから、精神的に落ち着くことをまず目的にした方がよさそうよね。
りんさんへ、コメントありがとうございます! (マチカ)
2013-04-07 06:53:15
りんさ~ん、ありがとう! ご無沙汰しています。
そんなこんなで次男との密月な毎日です。(笑)

りんさん喜んでくれて、嬉しいです。ほんとに、笑顔が随分と増えました。動きも活発でのびのびとしてきて。

自分を潰してしまうくらい自分を責め、でもそこにはまり込んでいてもどこかに辿り着くわけでもなく。駄目なら駄目なりに、立ち上がって何ができるのかと動き前を向いて歩いていく。目の前には自分を必要としている手がいくつもあり。(2かける5ですね、笑)

「絶対に大丈夫だという声」
ありがとう、りんさん。出来る限りのことをし続けます。あとは委ねて。どうなろうとも大丈夫であるためにも。

「今しばらくママと付き合いたいだけなんでしょうね。それはきっとママにも素敵な恵みをもたらしてくれることでしょう。」
この言葉、大切にします。この一ヶ月でこれまで見えなかったもの、見ようとしなかったものが少しだけ見えるようになったようにも感じています。落ち込んで、泣いて、笑って、嬉し涙も流して、毎日が一段と濃くなったようです。

「ものすごい勢いで変化する世界」、本当ですね。調べても、考えても、分からないことだらけです。変化の渦の中、自分の踏み出す一歩を、大切にしていきたいです。

プレスクールのあの暖かい空間を想っています。応援してますからね。ふれ~ふれ~りんさん!

春ですね、陽だまりの中お茶できる日を楽しみにしています。吟行?俳句?詩?(笑)

心よりの感謝を込めて。今週も良き日々をお過ごしください!
テッサーさんへ、コメントありがとうございます! (マチカ)
2013-04-07 07:34:53
テッサーさんにとってタイムリーな話題となってよかったです。そうなんだね。

下の子が生まれる時、チックや吃音になることが多いと聞くね。小さな子にとって、とてつもなく大きな変化だものね、不安にもなるよね。そしてそういったことを強く感じてしまう子もいれば、平気な子もいる。

昨年の終わり頃からまた出てきたんだね。きっと一生懸命ストレスや不安に慣れていこうとしているんだね。
クラスの女の子にテッサーさんが言われるの、子供って無邪気に残酷なところがあるからね、でもその分裏がなくて。

その分野の専門家は知識もあるし、同じようなケースに向き合って改善してきた経験も多いし、改善方法やヒントをもらうためにも会ってみる手はあるよね。テッサーさんがこれは違うと思えば、取り入れなければいいし。

医療従事者のテッサーさんの方が、よく知ってると思うけれど、こういうのは遺伝も大きいと言われているそうだね。

夫さんも子供時代吃音があったんだね。でも多くの子供たちがそうなように、大人になるにつれ消えていったんだね。辛い思いもしたんだね。きっと息子君の気持ち誰よりも分かって、そんなお父さんを持って、息子君幸せだね。

私自身も、調べてみる内に、チック的な性質というの、随分とあるなあと思ってね。子供時代隠れチックだったなあ(鼻をぐずぐずとしてた)、今でも指ぽきぽきならすことあるし、貧乏ゆすりしてることもあるし(このリズムによしやるぞ!とエンジンかかったり、笑)。不安症という面ではもろにだし。そう考えていくと、上の子達に出てないほうがすごいことなんじゃないかと思えてきたりしてね。

看護師の友人と話していたら、ドーパミンと言えば、分裂症の人っていうのはドーパミンが半端じゃなく出て、普通の人が見えないことや聞こえないことが聞こえるほど敏感になってしまうんだよと、聞いてね。私自身を振り返りかなりぎくりとしたりね。次男も敏感過ぎるところがあってね。それは上の子達にも共通することで。この敏感さを上手に伸ばし生かせられるようになればと願っています。

息子君も、その特有な繊細さ、敏感さ、そういったものがうまく伸ばされ生かされていくといいよね。普通の人が通り過ぎることにも立ちどまって強く感じてしまう、それはしんどいことだけれど、逆にいい面にもなり得るはず。

「精神的にストレス耐性が弱い」
この耐性を培っていきたいです。徐々に、少しずつ慣らすようにして。無理させすぎず、緩ませすぎず、これが難しいのだけれどね。

「こうゆうのって、もぐらたたきで、一つ消えてもまた他のところに出たりするから、精神的に落ち着くことをまず目的にした方がよさそうよね。」
ホント、まさしくだね。今の症状が一旦おさまったとしても、根元のところを太くしていかないと。そう思っています。

ありがとう、シェアしてくれて。応援してるね。でも無理しすぎないようにね。私もマイペースで頑張るね。

すっかり春だろうなあ、そちらは。初夏の雰囲気もそろそろかな。日本のあの五月の緑、匂い大好きです。今週も良い日々を!感謝を込めて。


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