ISO成功法

ISOと継続的改善を両立させよう。ISOは継続的改善のための、基盤整備に役立つ。基盤整備と継続的改善のコツを整理したい。

14.コミュニケーションと責任権限

2006-12-19 | 継続的改善52
責任権限を明確にすることはコミュニケーションを良くすることである。
自分の仕事の前工程、後工程がわかり、仕事の関連や目的が明確になるからである。
「後工程はお客様」というのは品質管理の基本である。お客様のことを考えて仕事をするのであって、自分の都合で仕事をするわけではない。責任権限を組織に周知することはコミュニケーションを良くするため行うことであり、仕事の基本を教育することでもある。
この基本が理解されてないから、部門間の壁が厚く、部門間連携の悪い組織になる。
くどいようだが教育の不足である。

システムを長い間放置しておくと、責任権限を必要以上に複雑にして自分の責任を曖昧にする組織になる。システムの官僚化である。この原因は経営幹部の思いつきの組織いじりである。組織を細分化しておいて、指示命令を徹底させるために、どんな細かいことでも報告しろと指示する。「報連相」という古臭いシステムである。これが時に、秘密警官のような機能を果たす。信頼によって組織が成り立つのではなく、不信感が蔓延する。経営幹部の器量と恐怖感がそのまま組織に反映されるからである。ドラッカーがこのことを指摘していたと思うが、組織がだめになる前兆である。これにもう一つ品質問題隠しが追加されれば、悪循環が組織に蔓延する。

ISOは本来このようなことをなくすために、システムの継続的改善を要求している。
システム作成段階から、成果のあがるシステムを考えるべきである。
1+1を2にするだけならシステムはいらない。システムとは部分の和より全体を大きくすることである。シナジー効果をあげるのがシステムの目的である。

たとえば中小企業、少ない人員で仕事をオーバーラップしているから、うまくいく。
組織が複雑になり、責任権限が細分化されたのでは、うまくいくはずはない。こんなあたり前のことが理解されてない。
文書化のみ考えて、取り付かれたように文書を作ると、硬直化したシステムになる。システムは両刃の剣であることを忘れてはいけない。

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