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1月4日(金)テクニカルポイント

2007-12-29 09:56:37 | Weblog
  • 11月全国消費者物価指数(生鮮食品を除く総合、コアCPI)は前年比プラス0.4%と、市場予想を上回り、1998年3月(プラス1.8%)以来の高い伸びとなった。
    民間エコノミストの間では12月の伸び率はプラス0.6%程度まで拡大し、今年度末にはプラス0.8%にまで上昇するとの観測も出始めている。ただ、生産・所得・消費の好循環メカニズムが弱まっていると見られることなどから、民間エコノミストの間では、早期の利上げはなさそうとの見方が多い。
    <年度末に向け、一段と強まる原油高の物価押し上げ効果>
    全国コアCPIの伸び率が拡大しているが、原油価格高騰による石油製品主導である点が特徴になっている。11月の石油製品価格は前年比9.3%上昇、CPIを0.37%ポイント押し上げた。一方、内閣府が発表した石油製品・その他特殊要因を除くCPIは前年比0.03%低下と、依然マイナス圏にとどまっている。
    12月については、先行指標である12月の東京都区部コアCPI(前月比プラス0.1%、前年比プラス0.3%)などを勘案して、前年比でプラス0.6%程度まで上昇するとの見方が多い。
    コアCPI押し上げの原動力である原油価格が今程度の高値で今後も推移すれば「来年3月には前年比0.7─0.8%程度にまで上昇する可能性がある」(アールビーエス証券・チーフエコノミスト、山崎衛氏)という。
    財務省によれば12月上旬の輸入原油価格は1バレル当たり89.1ドルだったが、前年比ベースでの伸びはプラス52%程度となり、11月のプラス35%から大幅に拡大した。この価格水準が今後も維持されれば、伸び率は、来年2月にプラス62%、3月にプラス56%程度となり、CPI押し上げ圧力は一段と強まりそうだ。
    <疑問符が付きだした景気循環メカニズム、消費悪化なら景気後退の声>  
    こうしたコアCPIの加速が今後、予想されるにもかかわらず、エコノミストの間では「日銀の金融政策に影響を与えることはないだろう」(農林中金総研の南武志主任研究員)との見方が大勢だ。
    次期利上げのタイミングについても「慎重に米国の景気動向や欧米の金融市場の安定を見計らって、国内景気に回復の兆しが見える来年9─10月ごろまで、利上げを遅らせるのではないか」(カリヨン証券・チーフエコノミスト、加藤進氏)など、来年夏以後との見方が強まっている。
    1つには生産・所得・消費の前向きの循環メカニズムの回転速度が鈍化しているのではないかとの疑問がある。11月有効求人倍率は0.99倍と2年ぶりの低水準となり、雇用が強いので所得もいずれ上向くとのシナリオに疑問が呈された。
    7─9月期法人企業統計では、経常利益が21期ぶりにマイナスに転じ、これまで強いとみられていた企業部門の健全性にも疑問符が付いた。南氏は「こうしたサイクルに目詰まりがあるとみている。(好循環メカニズムのサイクルが)いったん止まりそう」と懸念を示した。
    「原油価格上昇にもっぱら頼った形で消費者物価がプラス転化したとしても、それをもってデフレ脱却とはいえない」(第一生命経済研・主任エコノミストの新家義貴氏)との指摘もある。同氏は、家計の購買力低下やマインド停滞が個人消費を下押しする可能性など、原油価格上昇が景気に与える悪影響に注目すべきとして「今後、消費が大幅に悪化するようなことがあれば、一気に景気後退も視野に入ってくる」と警告した。
    CPIを押し上げてきた原油価格も、来年春以降、伸び率鈍化が予想されることも見逃せない。89.1ドル程度の輸入原油価格が今後も維持されたとしても、前年比伸び率は来年5月にはプラス30%台、10月には10%台、11月には1ケタ台と徐々に減速してくる。みずほ証券・チーフマーケットエコノミストの上野泰也氏は「原油高が主因だとわかりきっているCPIコアの短期的な上振れを根拠に、安易に利上げを模索するようなことはしない」と予想した。 


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