仁左衛門日記

The Diary of Nizaemon

ブロークン・アイデンティティ

2017年06月13日 | ムービー
『ブロークン・アイデンティティ(原題La ultima muerte)』(2012年/ダビド・ルイス監督/メキシコ)を見た。
物語は、「網膜スキャンによるID管理が実用化されている近未来。医師のハイメ・アレクサンデル(アルヴァロ・ゲレロ)は、元妻ソフィア(クローデット・メイエ)と所有していた山の別荘の整理に来ていた時、目の前でクルマを盗まれてしまう。運悪く8年ぶりの規模だという大嵐に見舞われて通信障害が発生し、外部への連絡も取れない中、裏手に一人の青年(クノ・ベッカー)が倒れているのを発見。たまたま通りかかったトラックに乗せてもらい、2人で街まで出るのだが、総合病院の網膜スキャンでは彼のID照合ができなかった。逃げるようにして、怯える青年を自分の勤務先に連れて行ったものの・・・」という内容。
ハイメ医師はとことんついてない男のようだ。
目の前でクルマを盗まれ、通信障害で電話も使えず、嵐で割れた窓ガラスを修理しようとしたものの、小屋の屋根が落ちてきて頭を直撃する。
まぁ8年ぶりの規模だという大嵐の日に山深く入り込んでいくのがそもそもどうかとは思うのではあるが。
(^_^;)
「死人でもID登録はあるはずだ」という台詞があったが、青年のID登録がなかったのは、消されてしまったという事なのだろう。
頭を打って倒れているところを青年に助けてもらったハイメとしては、記憶を失っている謎の青年を何とか助けたいと思うのはやまやまなのだろうが、同時刻に囚人を移送中の大型ヘリコプターが墜落し、脱走者が出たという事件が発生していたのだから、彼の存在は何とも怪しすぎる。
診察の結果、すい臓が肥大し、胃には潰瘍があるというし、彼の血中からは臓器移植の際に使われる薬の成分が検出されたという。
そして、IDが非登録。
これは深い闇を抱えた事件の臭いがプンプンなのだが、ハイメは友人医師らを巻き込んでどんどんと深入りしていく。
「全部君のせいだ」と怒ってみたところで、自分から関わりをもったくせに何を言ってるの?という感じだ。
謎が謎を呼ぶ展開の、ナカナカに面白い物語だった。