浦野房三『脊椎関節炎』(新興医学出版社、2008年)
うちの上さんは自宅から近くにある(自転車でもいける距離にある)大学病院でリウマチの治療を受けている。全身の関節が痛くて、手の指なんか少々腫れているのに、リウマチ検査で数値が出ないので、最初は、あちこち病院をたらい回しにされ、今の大学病院のリウマチ科でも、最初の担当医が処方してくれる薬(抗炎症薬)は、まったく効かない上に、腹が痛くなる、熱がでる、吐き気がでるなどの副作用がひどくて、薬を変える、また同じことの繰り返しで、一年棒に振った。結局、一年後に、担当医も諦めたのか、メトレートという抗リウマチ薬(リウマチの薬としては一番良く使われており、効果もある)を処方してくれた。
昨年の11月である。そして飲み始めてひと月で効果が現れ、痛みが軽減し始めた。最初は4mg/週だけで、効果が出たので、ひと月後には二倍に、そのひと月後にはさらに二倍にしてもらい、現在は週に12mg飲んで、かなり痛みが改善した。寝起きの浮腫みもなくなり、以前は考えられなかった正座も、短時間だができるようになった。
その間に担当者が代わり(つなぎとして2回ほどリウマチ科の主任教授が担当)、前々回から新しい担当者になった。この医者は、以前の担当者がまったくしなかったことだが、数値がでないのに、全身の関節に痛みがあるという点に注目したようで、上さんの関節を丁寧に指圧して痛みの場所、程度を問診し、さらにどんな薬が効いたり効かなかったかも聞き、足にむくみがあったかどうかなども聞いて、どうもリウマチではないようだから、検討してみるということで、前回の診察は終わり、今回、脊椎関節炎の未分化型だろうと診断を下した。
そこですぐにインターネットで調べてみると、日本ではあまり知られていないらしい。そこですぐにアマゾンでこの本を購入し、勉強してみた。医者向けの本で、もちろん専門用語が分からない箇所もあるが、およそのイメージがつかめて、どんな治療方法があるのかなど、今後の展望をどんなふうに持ったらいいのかが目的なので、わからないところはすっ飛ばして読んだ。
リウマチ、脊椎関節炎、線維筋痛症、この3つの病気は識別するのがかなり難しいらしい。最近はリウマチの場合にかならず数値がでる抗CPP検査などができるようになり、数値が出ない場合にはリウマチ以外の病気を疑うようになったらしい。だが線維筋痛症と脊椎関節炎の区別もかなり難しいらしく、とくに日本では脊椎関節炎の研究が進んでいないために、多くの脊椎関節炎患者が線維筋痛症に分類されてきたらしい。だが線維筋痛症に分類されても、この病気自体が原因不明の病気で、これといった薬が効くわけでもなく、あれこれ試して効く薬を探しだすしかないというような、泣きたくなるような病気なのだ。私だったら線維筋痛症なんて言われるくらいだったら、リウマチだと言われていたほうがましだと思うくらい。それくらいややこしい話だ。
この本には脊椎関節炎はリウマチとは違うとかいてあるが、よく似ているとしか言いようがない。リウマチは関節内部の軟骨やと滑膜の表面が炎症を起こして痛みを生じるが、脊椎関節炎は名の通り、脊椎を中心として、関節の周辺部に炎症を起こすものらしい。しかも原因はわかっていないという。だけど、リウマチの薬として広く使われているメトレートやメトトレキサートが効くのだから、リウマチみたいなものじゃないのか?大学病院の医者は科学者みたいなものだから、病名をはっきりさせないといけないのかもしれないが、我々庶民は、治ればいい、薬が効けばいいのだ。
リウマチと脊椎関節炎が違う病気だとしても、そして上さんの病気がリウマチではなくて、脊椎関節炎だとしても、メトレートが効いて、痛みがなくなればそれで結果オーライなのだ。それに日本で厚生労働省が基準としているメトレートやメトトレキサートの使用料は、週8mgと非常に少ないらしい。
だけど世界的には20mgや場合によっては30mgも使用して治している場合もある。だから
リウマチ専門医のなかには男は20mg、女は16mgが普通だと書いている人もいる。この人に言わせれば、副作用を十分注意しながら使用すれば治るのに、厚生労働省が示す基準が低いので、それを超える勇気のない医者がほとんどで、一向に治らない患者もたくさんいるらしい。基準を超えていたって、適切な量を使用すれば治るのに、少ない量しか使わなために、何時まで経っても治らない患者は、悲劇としか言いようがない。
それで上さんにも、16mgか20mgまで増やしてもらうように言ってみたらとアドバイスして、上さんもそう言ったらしいのだが、この新しい担当者は、今でも多すぎるのに、これ以上増やすことはないと言ったらしい。病名はリウマチから脊椎関節炎に変わったが、薬は同じ(私はそれでよかったと思っているが)。それなら試しに16mgか20mgまで増やしてみたらどうか?それでも今以上に改善がないのなら、もとに戻せばいい。あるいはもっと効いて、完全に痛みが取れるかもしれないのだ。
なんか釈然としない。