ZOOM Hシリーズのレコーダーを使っている人、最近多いですね。私はZOOM Hシリーズを発売当初から使っています。このZOOM Hシリーズで録音を行う時には次のことに注意しています。
ZOOM Hシリーズのレコーダーで録音を行う場合、レベルメーターが-12dBを超え始めると音が歪みます。何故、歪むのか?です。
ZOOM Hシリーズは特殊なエンファシス回路を含むADコンバーターで構成されています。これはマイクアンプアナログ域で中高域を12dBブーストしてAD変換し、デジタル域で、同じ中高域帯域を12dB下げて、その信号を記録しています。この為、-12dBを超え始めると中高域から歪み始め、デジタル域でその歪んだ信号部分を12dB下げるため、通常のクリップ歪みとは異なる穏やかな歪みになります。このエンファシスは中高域のみで起こり、低域成分ではこのような歪みは発生しません。
このエンファシスのあるおかげで、ZOOM Hシリーズはデジタル特有の「量子化雑音」が低く、他のメーカーの機種との音色上の大きな相違になっていますが、それを生かすには録音時にピークで録音メーターが-12dBを超えないように、録音レベルを調整しなければいけません。
ZOOM Hシリーズで録音を行い、-12dBを超えた歪みは中域で聞こえやすく、高域特性がよくないモニター環境や再生ソフトでは、この歪みがより強調して聞こえる可能性があります。
ZOOM Hシリーズは、このようなことに注意が必要だと思います。