西鎌発、地域ぐるみで教育を考える

西鎌倉地域において、家庭、学校、地域が交流し、連携して子どもたちの教育環境を考える「教育懇話会」の活動記録です。

ニシカマコンワカイ 広報紙 第34号

2012-06-02 06:34:49 | Weblog
ニシカマコンワカイ 第34号

☺☺☺今年度代表者会レポート!!

西鎌倉地域教育懇話会では、年に3回、各自治会・町内会や地域活動団体等の代表者、学校の先生方、そして私たち懇話会役員が一堂に会する「代表者会」を開催しております。代表者会では、地域の方々が学校教育の現状を知り、また懇談を通じて地域と学校が顔の見える関係を作り、地域ぐるみで子どもたちを育てていく意識の醸成を図っています。幸いにして西鎌倉地域では今、学校教育の現場がとても落ち着いていますが、これは先生方の情熱もさることながら、こうした会に毎回たくさん出席してくださる地域の方々の協力あってこそ、です。
さて、代表者会では毎回テーマを決め、グループミーティングを行っています。平成23年度は前年度に引き続き、「子どもをめぐる、こころとからだの健康」という大テーマに基づき、3回それぞれ様々な企画を試みてきました。皆様の関心の高いテーマということもあり、毎回議論が熱く盛り上がりましたので、その様子をレポートさせていただきます。

第1回
日時:平成23年7月9日(土) 場所:西鎌倉小
話題:「かまくらっ子の調査から見える子どもたちの食と生活環境」





鎌倉市教育委員会教育センター指導主事の礒部久仁子さんを講師に迎え、「かまくらっ子の調査から見える子どもたちの食と生活環境」というテーマで話題提供をいただきました。平成20年に実施した、鎌倉市の子どもたちに対するアンケートの調査結果に基づくお話です。挨拶の状況、起床・就寝の時刻、食生活の傾向などをうかがうことができました。会の後半はそのお話を受けて、恒例の6~7人によるグループミーティング。やはりその人数ですと活発に意見が出るようです。グループミーティング後、それぞれのグループで出た意見を要約して発表していただきましたので、その中の幾つかを次のとおり紹介いたします。

偏食や野菜嫌いの傾向が高まる中で、旬のものをいただいたり、地産地消を進めたり、地域や家庭での食育が大事のように思います。

塾の低年齢化が進んだ影響もあり、夜遅まで起きている子が増えてきていますが、夜遅くまで起きている子は、学校で体調を悪くする傾向が高いようです。外で身体を動かして遊んだら、疲れて早くごはんを食べて寝てしまいます。遊ぶこと、遊び方も大事なことだと思います。

夕食を家族みんなでいただく傾向が高まってたいへんよいと思いますが、不景気でお父さんの帰宅が早くなった裏返し、という面も影響しているかもしれません。そもそもお父さんは「みんな」の中に含まれている?という冗談も出ました。

手広中の子どもたちはあいさつがたいへんよい。先生たちがとくに指導しているというわけではないのに、子どもたちの中で「こういうものだ」と浸透しているところがすばらしいです。

中学校の昼食は弁当で、朝お母さんたちはたいへんな思いをして作っていると思いますが、子どもたちへの愛情表現の一つであり、また子どもたちにとっても感謝の気持ちを持ち続けることができるので、後々振り返ればいい面が多いように思います。

(文責:懇話会書記 日高)


第2回
日時:平成23年12月3日(土) 場所:西鎌倉小
話題:「子どもたちのこころとからだの健康について~学校給食から~」





 西鎌倉小学校栄養士の深沢幸子さんを講師に迎え、学校給食を作る過程や、取り組む姿勢などについてお話をいただきました。給食は、単なる昼食の提供ということだけではなく、教育の一環として位置づけられているようで、栄養面やおいしさへの取り組みをはじめ、地産地消を意識するなど、質の高い、かつ情熱的な取り組みに驚くばかりでした。とくに感心したのは、学校給食作りに関わる皆さんの、安全に対する意識の高さです。確かに問題が起きてはならないことですが、食材一つ一つを、慎重すぎるほど慎重に取り扱うとともに、衛生面に配慮した作業動線図を毎回作っているようです。また食器は環境ホルモンが出ない強化磁器を使い、またその洗浄も、合成界面活性剤が入っているものは使わず、純せっけんを使用しているようです。
献立も拝見させていただきましたが、私たちが子どもの頃に比べて明らかに美味しそうだし、バリエーションに富んでいます。参加者の方々から、一度地域の方々を招いて試食会を行ってほしいという要望が相次いだほどでした。残念ながら給食を作るしくみの都合上、なかなかそのような機会を設けることが難しいようですが、やはり皆さん、あきらめきれない様子でした。
献立以外にも、皆さんは学校給食の取り組みに興味津々で、矢継ぎ早に手が挙がって講師の方に質問。予定していたグループミーティングの時間がほとんどなくなってしまうほどでした。
現在、西鎌倉小および手広中の子どもたちは、総じて心身共にすくすくと育っているようですが、その背景には、こうした給食への取り組みも少なからず影響しているのではないかと思いました。
(文責:懇話会書記 日高)


第3回
日時:平成24年2月19日(土) 場所:西鎌倉小
話題:「鎌倉市教育センター相談室から見たかまくらっ子の心とからだ」

 鎌倉市教育委員会教育センター指導主事の河合克也さんを講師に迎え、教育センター相談室の様々な取り組みや、当センターに対する相談内容の傾向などについてお話をいただきました。相談者の約9割が小中学生で、相談内容の多い順に、不登校、学校生活のこと、家族関係のこと、発達障害、性格・行動上の問題、となるようです。また10、11月に相談件数が増加する傾向にあるようですが、その時期は、夏休みに遊び過ぎた影響、あるいは夏休みの宿題が消化できなかった影響などが出やすいようです。
 また教育センターでは、そういった相談に対応して、学校や家庭と連携し、場合によっては支援体制を作って、日々地道な取り組みをされているようです。その取り組みの中で感じるのは、日頃の近所付き合いや地域の結びつきがとても大切だということ。やはり地域の結びつきが希薄なところで、そのような問題が生じやすいようです。その観点で見ると、この懇話会の取り組みをはじめ、西鎌倉地域の状況はたいへんすばらしい、とお褒めの言葉をいただきました。
 お話をいただいた後、恒例のグループミーティング。私たちにとって重いテーマではありましたが、活発に意見交換が行われました。その中で出た意見を次のとおり幾つか紹介します。

昔に比べてきょうだいや友だちが少なく、子ども同士の関係が希薄になっています。また子どもの関心が、自分の方ばかりに向いている傾向を感じます。そういったことも影響しているような気がします。

問題を起こす子どもを見ていると、家族の不和など、家庭環境が少なからず影響を与えている場合が多いようです。

小中学校のPTAの状況を見ていても、親同士のコミュニケーションが案外少ないです。今回の話し合いのように、地域交流できる機会をたくさん作るといいと思います。

子どもたちは信用している相手には心を開きます。知らない人に注意されれば、下手をすると「不審者」扱いされます。やはり日頃のコミュニケーションが大事です。そのためにも、コミュニケーションの始まりである「あいさつ」が大事です。
(文責:懇話会書記 日高)
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