H28 寒河江市立にしね保育所

ゆっくりおおきくなあれ

『どうか忘れないでください、子どものことを。』24

2017年02月12日 | 日記

 今回も調査結果からのものです。相当興味深いものです。年齢を重ねると、小さい時の思い出はほとんどなくなります。一緒に寝たことも忘れてしまいます。一緒に農作業をしたことは覚えていますが。ただ、母と姉と3人がいて、そこで鉛筆を削ってもらった覚えはあります。鉛筆削りがなかった時代ですから。

 両親に何かをしてもらったという鮮明な記憶はありませんが、覚えているのは、トラックで蔵王に行ったことです。軽トラックの後ろに乗って(むかしはフォロというものがついていて乗っても良かった)エコーラインを登って、途中で止まったことがあったのです。めったに旅行なんていけなかったのですが、これだけ覚えています。

 そして、スケートに連れて行ってもらったこともあります。冬になると一度は行っていました。だから、私はスケートをそれなりにすべることができます。私が連れて行ってもらった分、私も、子どもたちを連れて行きました。シーズンに1、2回は行きました。スキーも1、2回程度。そんな記憶が、もしかしたら、今の私の原点にあるのかもしれません。

 大学生の調査ですから、もっと記憶は新しいです。乳幼児期にどれだけ大切にされたかということが、その後の生き方に影響を与える。就職できないという方が多くなっているという現実もあります。何がどうかと明らかではないようですが、どうもそうらしいということがある、とすれば、そうならないようにと努めるのが親の役割ではないかと思います。

 ぜひお読みください。


 【日本、中国の大学生を調査してわかった乳幼児期の大切さ】

 大学の博士課程のとき、シュタイナー教育を専門にしている方と知り合いました。

 この方はすでに大学の先生だったのですが、私と同じ大学で博士号をとるための研究をされていて、主に日本と中国の大学生の比較調査研究をしておられました。

 正確にすべてを覚えているわけではないのですが、たとえば「あなたは赤ちゃんのころのお母さんのにおいを覚えていますか」という質問があった。日中の大学生に5段階で回答させるんです。「まったく覚えていない」「覚えていない気がする」「どちらともいえない」「覚えている気がする」「よく覚えている」というような5段階です。

 また一同じように「赤ちゃんのころに聞いたお母さんの声を覚えていますか」「お母さんに添い寝をしてもらった記憶がありますか」といった設問などがあります。中国人の大学生、日本人の大学生が無記名でこうした問いに答えていく、という調査です。

 設問はたくさんあります。後半には「あなたには自尊心がありますか」「自己肯定感はありますか」「あなたはなにか夢を持っていますか」「将来に対する希望がありますか」「自分を創造性豊かな人間だと思いますか」といった項目がならんでいる。

 この集計結果は、驚くべきものでした。日本人も中国人も、その回答のパターンはほとんど同じでした。

「お母さんのにおいを覚えている」と答えた学生は、自尊心が高く、自己肯定感も強い、同時に夢や希望を持っていると答えている場合が多く、自分自身を意欲的で創造性も豊かだと思う、と感じていました。

 本当に母親のにおいの記憶があるのかどうかは、なんともいえません。けれど「覚えている」と感じている人が、自己肯定感などを強く持っているということなのですね。

 この傾向は、日本も中国も変わらなかった。

 しかし、この調査で私が日本人としてとても悲しく思ったのは、「母親のにおいを覚えている」と答えた日本人が、中国人に比べて決定的に少なかったことです。同時に「自己肯定感がある」「夢がある」「自尊心がある」と答えた人も少なかった。

 母親のにおいの記憶や添い寝経験の有無は、明かに、大学生の自尊心などの持ち方に関連があるということです。

 どんなにおいなのか、どのくらい添い寝をしたらどうなるのか、といったことはわかりません。ほかにも調査項目以外の要素もあるかもしれません。

 けれど、この結果は注目に値するものだと思います。とても大きな意味を持った調査だと感じました。

 いま日本の大学生はいっしょうけんめい就職活動をして、やっと就職してもじきに辞めてしまう人が多いようです。自尊心が持てない、組織内でうまくやっていけない、プレッシャーが大きい、などさまざまな理由はあると思います。終身雇用制がくずれ、不況による新卒採用の枠が減るなどして、いまの大学生はとても大変だとは思います。けれど、会社をじきに辞めてしまう若者の多くが、辞めた理由として社内の人間関係をあげています。人間関係がうまくいかずに、結果的に夢や希望、自己肯定感を感じられずに自尊心をも失ってしまう。

 こうした現実を見るにつけ、なにか、乳幼児期の育てられ方と、大人になってからの自尊心、将米への夢や、自己肯定感、健全な人間関係はやはり大きなつながりがあると思わずにはいられないのです

 現代の若者が抱える問題をすべて「親の育て方」のせいにするつもりはまったくありません。母親がいない家庭もあれば、父親がいない家庭もめずらしくないし、両親の都合で祖父母の家で育つ人もいます。両親そろっていつも子どものそばにいられなかったとしても、なにひとつ問題なく育つ子どもはたくさんいます。

 しかし、こうした調査結果を見て、現代の青少年、青年たちを見ていると、やはり私はお母さんお父さんに「できるだけ、子どもに手をかけてあげなさい」「いくらでも子どもが喜ぶことをしてあげなさい」「関わりすぎていけないことはなにもないですよ」と申し上げたいのです。


<太田コメント>

 精神科医として、実際に子どもたち、大人と関わってきた佐々木氏の言葉は重いです。

「乳幼児期の育てられ方と、大人になってからの自尊心、将米への夢や、自己肯定感、健全な人間関係はやはり大きなつながりがあると思わずにはいられないのです。」

 こうしたことであるならば、「親として心して」育てなければならないと思います。以前も書いている通り、「自尊心」さえあれば生きていける、と。「自尊心」を育ててもらったかどうかが大きいと。それには、親や周りの大人に、大切に育てられたか、愛情をかけ育てられたかということが大事になります。

 これまでにたくさんの子どもたちを見てきて、どうしてこの子は、こういう状態になってしまうのかなとわからない場合があります。たいていは、こうしたことからそうなのだろうと予想がつきます。だから、保育所でもそれに対応していくということになります。わかる場合は、お父さんやお母さんにお伝えすることもあります。

 でも、それが予想がつかない。送迎に来るお父さん、お母さんの姿、その関わりからはわからない場合があります。家庭でのお父さんお母さんが、保育所で見る姿とは違う場合です。これは、私たちは見ていませんからわかりません。この場合、現在の子どもの姿を伝えるのは簡単ですが、こうした方がいいと伝えることがむずかしくなります。

 こうした、どうしてこうなるかわからない子どもを考える時、そうかなと考えるのが、子育てのズレです。子どもがしてほしいということをしているか、子どもがしてほしくないことをしていないかということです。どうしても、親がしてあげたいことをしてしまうのです。親の気持ちが優先してしまい、子ども気持ちを考えずにしてしまう。親の思いと子どもも思いにズレがあるのではないかと。

 これは、親御さんを見ていて感じることがあります。親も育った環境が様々ですから、親の思いもそれぞれです。当然そうなる場合があると思います。 

 すると、子どもがしてほしいことを表現できなかったり、しなくなっていたりする場合があります。親が、子どもが本当にしてほしいことに気づかずにいてしまうのです。そして、ズレた状態で関わってしまう。それがスパイラル状に積み重なってしまうのです。そうすると、子どもが気持ちが安定しなかったり、身体的な症状が出て来たりするのです。子どもに性格にも大きく影響をしてきてしまうこともあります。

 親が強い場合に多いです。子どもたちは職員には言いますが、「お父さんやお母さんに行ってみたら?」というと、「親に言えない」「言っても聞いてくれない」と、子どもが言うこともあります。自分の本音を職員には伝えられるが、親には言えない。子どもが伝えると、それを言ってはいけないと口止めしてしまう親御さんもいます。

 ごめんなさい。それで子どもはよりよく育つわけはありません。子どもらしく、屈託なく、あけっぴろげで、天真爛漫で、育たなければならないのに、親の影響で、周りの大人の影響でできないわけですから。

 私たち職員も、気をつけなければならないことがあります。あまりにも子どもに近くなると、親のように叱ってしまう場合もあります。でも、あくまでも他人であることを肝に銘じなければなりません。だから、叱り方も親とは違わなければなりません。でも、子どもに情がうつってしまう。どうしても親のようになってしまう。

 だから、悪いことは悪いと伝えることは必要なのですが、それはそれとするという切り替えが大事になります。子どもの行為に対してのみ指導することになります。これはとても大事なことです。教員としても最大限気をつけていたことです。

 こうしたことを書くと、子育ては難しいと感じてしまう場合があります。そんなことはありません。いつも書いている通り、「シンプルな子育て」でいいのです。「子どもがしてほしいことだけをしてあげる」でいいのです。そして「愛を持って育てる」、それしかないと思っています。よろしくお願いいたします。

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