西京極 紫の館

サッカー観戦、映画や音楽鑑賞、読書などなど、
日々のなんやらかんやらを書いてみようかな、と♪

名君の碑 保科正之の生涯  中村彰彦/著  文藝春秋

2016年04月30日 23時18分47秒 | 西京極の本棚
【紹介文】
江戸時代初期、二代将軍秀忠のご落胤として生まれた幸松は、信州高遠の保科家を継ぐ。やがて異母兄である三代将軍家光に引き立てられ、幕閣に於いて重きをなすに至る。会津へ転封となった後も、名利を求めず、傲ることなく、「足るを知る」こそ君主の道とした清しい生涯を、時に熱く、時に冷静に描く著者渾身の書。

【総合評価】 ☆☆☆★★(満点は☆5つ)
 ドラマ性 ☆☆★★★
  独創性 ☆☆☆★★
 読み易さ ☆☆☆☆★

【西京極の読後感想】
幕末に逆賊扱いされ、新政府軍に目の仇にされた会津藩とその藩主・松平容保。その会津藩の祖が保科正之。その徹底した佐幕主義の源が理解出来ました。徳川家には幼年時代に母子共々結構酷い扱いを受けていたにもかかわらず、恨まず、妬まず、まさに滅私奉公するその精神構造は普通じゃない。この小説の記述のすべてが真実とは思わないが、会津藩の歴史が正之の思想を体現しているのは確か。700ページ近い大作で、結構堅い文体ではありましたが、楽に読めました。

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4/29 第10節 セレッソ大阪戦 (大阪・キンチョウスタジアム)

2016年04月30日 10時30分09秒 | サンガ観戦レポート2016
チャレンジャーのサッカーで敵地快勝!

GW期間中、リーグ上位クラブとの対戦が続くサンガ。
ここで結果がついてくれば自信もつくし、上位進出が現実味を帯びてくる。
GWを「ゴールデン週間」にするか「ガッカリ週間」にするかが懸かっている。

まず緒戦は2位のセレッソ。その戦力は間違いなくJ1クラス。
ここキンチョウスタジアムは昨年も来たが、フォルラン祭でボコボコにされた。
そもそもセレッソとはアウェイで勝った記憶がない。
前節の徳島の様にガチガチに引いてくる事はありえないが、
前節今季初黒星を喫したこともあり、連敗阻止に向け全力で攻めかかってくるだろう。
前日の京都新聞のコラムにもあった「球際の強さで勝負」出来るか、
挑戦者としての闘い方が出来るか、注目したい。

【サンガのスタメン】
 GK:菅野
 DF:石櫃、菅沼、下畠、本多
 MF:堀米、佐藤健、アンドレイ、山瀬
 FW:ダニエル・ロビーニョ、イ・ヨンジェ
SUB:清水、齊藤、國領、田村、エスクデロ競飛王、有田、沼

前節のミスもあり、古巣との対戦で名誉回復を図りたかったソメは無念のベンチ外。
どうやら前日練習中に怪我をしたらしい。
脳震盪養生中の祐治もまだ復帰出来ないし、守備陣は緊急事態。
翔吾が久しぶりにセンターバックに。
ベンチにもDFは齊藤クンただ一人、ヤバくないか?

近距離アウェイなので、アウェイゴール裏はほぼ満席。
西京極でも久しく経験できない密集感を味わえてサポの雰囲気は良い。
サポ連主導で企画した初のアウェイコレオグラフィーも上手くいった。
あとは試合だが…

【試合感想】
試合の入りは最高だった。
サンガがすべての局面で高い集中力と積極性を発揮。
ボールへのアタックもセレッソを完全に上回っていた。
的確なチャージでインターセプト、早いボール回し。

セレッソは自分たちのサッカーが出来ないまま訪れた開始8分、サンガのCK。
キッカー堀米のボールは絶妙な軌跡を描きつつゴール前へ…
決して観易くないキンチョウスタジアムのゴール裏、
なおかつ遠いサイドで誰が決めたのか良くわからなかったが、
ボールがゴールネット上部に突き刺さったのだけははっきり確認出来た。
決めたのは…アンドレイ!!
(どうやらスゲー見事なボレーシュートだったらしい)

いけるゾ、サンガ!

先制を許したセレッソは、焦りのせいか中盤を省略し、縦に長いボールを入れ始める。
何度もコーナーキックのピンチを迎えたが、
守備陣(特に本多)が踏ん張り前半を無失点で乗り切った。
サンガのボールを追い回す運動量がハンパなかったので
後半最後までスタミナが続くのかがやや心配…

だがこの日のサンガに限って言えばその心配は杞憂でした。

後半開始3分でいきなり得たコーナーキック。
再びキッカーとなった堀米がまたしても絶妙のボールをゴール前へ。
これを空中戦で競り勝った本多がヘッドで叩きつける様に決める!
なんと、なんと、2点差!

サッカーにおいて2点差は一番危険なスコアと言われている。
それは追いかける側が一点でも返すと勢いに乗り、
追われる側は精神的プレッシャーからミスを犯しやすくなるからだ。
そのピンチ、ペナ内で犯したファウルで与えてしまったPKのシーン。

♪きょ~と~のゴ~ル守り抜け すげ~のたかのり すげの~たかのり~
 きょ~と~のゴール守り抜け すげ~のたかのり すげのたかの~り~♪


アウェイ席を埋め尽くしたサンガサポの祈りのチャントの中、
見事に応え、新守護神・菅野が足一本でPK阻止に成功!
ボールがはじき出された瞬間、サポーターは大騒ぎとなった。

勝った!

この瞬間に勝利は確信した。
しかしピッチで闘う選手たちはそんな余裕はなかっただろう。
最後まで集中力を切らさず、セレッソの嫌がるプレイを続けている。
そして試合終了のホイッスル。
あとは歓喜のみ。
試合終了後、殊勲の主将・菅野が挨拶に来てくれた。
ようやくサポと新守護神との絆が結ばれた気がした。

勝ち点3は積み上げたものの順位はまだ14位のまま。
だが、この勝ち点3は大きい。
チームにとっても、我々サポにとっても。
この試合で見せた集中力と気迫、それを続けていく事。
結果はその先にある

今のところGWは「ゴールデン」な感じですw

【試合結果】 C大阪0-2京都

【観客数】 14,883人

【得点者】
 京都 : アンドレイ8、本多48

【サンガ選手の個人的評価】(10段階評価で5が平均)
 GK:菅野8
 DF:石櫃6、菅沼6.5、下畠6、本多7
 MF:堀米6(87分 國領-)、佐藤健5.5、アンドレイ7、山瀬6
 FW:ロビーニョ5.5(68分 エスクデロ6)、イ・ヨンジェ6(78分 有田5.5)

【今日の私的MOM】
 菅野 孝憲 : 圧巻のPK阻止で試合の主導権を離さなかった

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レヴェナント:蘇えりし者  監督/アレハンドロ・G・イニャリトゥ

2016年04月27日 20時42分19秒 | 西京極シネマ
【出演】
 レオナルド・ディカプリオ
 トム・ハーディ
 ドーナル・グリーソン

【ストーリー】
アメリカ西部の原野、ハンターのヒュー・グラスは狩猟の最中に熊の襲撃を受けて瀕死の重傷を負うが、同行していた仲間のジョン・フィッツジェラルドに置き去りにされてしまう。かろうじて死のふちから生還したグラスは、自分を見捨てたフィッツジェラルドにリベンジを果たすべく、大自然の猛威に立ち向かいながらおよそ300キロに及ぶ過酷な道のりを突き進んでいく。

【西京極の評価】
たしかにレオ様の演技はアカデミー主演男優賞を獲っただけあって凄いんだけど、ちょっと異常な回復力で不自然。死ぬって、普通。これが実話だっていうのが信じ難い。それに今回の騒動の元って斥候役なのにグラス自身がヘラジカ撃った銃声なんじゃないのかな、と。さらに熊に襲われたのだって自分の不注意だし。殺人隠蔽やら生き埋め、置き去りは卑劣だとは思うが、フィッツジェラルドの理屈も分からなくもない。ゆえにお話に共感は出来なかった。ただアメリカの大自然の美しさと迫力は堪能できる2時間半でした。

【総合評価】 ☆☆☆★★(満点は☆5つ)
 ストーリー ☆☆★★★
 演出/演技 ☆☆☆☆★
 映像    ☆☆☆☆☆
 音楽/音響 ☆☆☆★★

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スポットライト 世紀のスクープ  監督/トム・マッカーシー

2016年04月27日 20時33分26秒 | 西京極シネマ
【出演】
 マーク・ラファロ
 マイケル・キートン
 レイチェル・マクアダムス
 リーヴ・シュレイバー

【ストーリー】
2002年、ウォルターやマイクたちのチームは、「The Boston Globe」で連載コーナー「Spotlight」を担当していた。ある日、彼らはこれまでうやむやにされてきた、神父による児童への性的虐待の真相について調査を開始する。カトリック教徒が多いボストンでは彼らの行為はタブーだったが…

【西京極の評価】
信仰心が薄い我々日本人には理解しづらいテーマではあるが、アメリカ人が精神的な拠り所の暗部を描く凄味を感じる。昨年度アカデミー作品賞を獲っただけはあります。聖職者の歪んだ欲望は、そのはけ口とされた者の心を壊す。それも深い部分を。その責任を感じ、常忘れずにいて欲しい。世に“先生”と呼ばれる皆様、宜しくお願い致します。そしてマスコミの真の存在意義。こちらもゴシップばかり追いかけている下衆い日本のマスコミ関係者の皆様、一度自らを省みてくださいませ。

【総合評価】 ☆☆☆☆★(満点は☆5つ)
 ストーリー ☆☆☆☆☆
 演出/演技 ☆☆☆☆☆
 映像    ☆☆☆★★
 音楽/音響 ☆☆☆★★

追記:
それにしても邦題の「世紀のスクープ」って…なんだかB級コメディみたいでイメージ悪く、損してると思う。もうちょっと硬い副題にした方が良かったのに。

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恋人たち  監督/橋口 亮輔

2016年04月25日 22時48分21秒 | 西京極シネマ
【出演】
 篠原 篤
 成嶋 瞳子
 池田 良
 光石 研

【ストーリー】
橋梁点検の仕事をしているアツシには、愛する妻を通り魔殺人事件で亡くしたつらい過去があった。自分に関心がない夫と考え方が違う姑と生活している瞳子は、パートの取引先の男と親しくなったことから平凡な日常が変わっていく。エリート弁護士の四ノ宮は友人にひそかな思いを寄せていたが、ある日、誤解が生じてしまい…

【西京極の評価】
生きることは辛い。生きることは見苦しい。それでも人は生きていく。とにかく生々しい。生活感、会話があまりにもリアル過ぎて一瞬ドキョメンタリーフィルムを観ているかのような錯覚に陥る。途中で光石研さんや木野花さん、リリーフランキーさんらが絡んでくるので、「あ、コレ、フィクションだった」と我に返ったくらい。ヘヴィなテーマですが、明日への希望の光がかすかに射してくるラストは素晴らしかった。

【総合評価】 ☆☆☆☆★(満点は☆5つ)
 ストーリー ☆☆☆★★
 演出/演技 ☆☆☆☆☆
 映像    ☆☆☆☆★
 音楽/音響 ☆☆☆★★

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