西京極 紫の館

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トワイライト・テールズ 夏と少女と怪獣と 山本弘/著 角川書店

2016年07月21日 20時56分05秒 | 西京極の本棚
【紹介文】
アメリカの田舎町。11歳のハロルドは、湖に棲むモンスターを呼び出す実験に夢中だ。だが、血まみれの水着を残して少女が消え、恐ろしい噂が町を駆け巡る……(「夏と少女と怪獣と」)。タイ、北部。親に捨てられ、売春を強要された過去を持つシリヤム。絶望する彼女の声に耳を傾けたのは、巨大な怪獣だった(「怪獣神様」)。怪獣との邂逅を通じ容赦ない現実を乗り越えようともがく人間の姿を鮮やかに描く珠玉の4篇。 解説・大蔵崇裕

【総合評価】 ☆☆☆★★(満点は☆5つ)
 ドラマ性 ☆☆★★★
  独創性 ☆☆☆★★
 読み易さ ☆☆☆☆★

【西京極の読後感想】
僕の好きな『MM9』のスピンアウト短編集。怪獣小説家である著者のもう一方のジャンル、少女の出てくるファンタジーとが融合した4篇が収録されています。怪獣(特撮)ってのは元来ビジュアルで見せないと魅力が伝わり難いものなので、ノベライズは難しい。『MM9』は怪獣=自然災害という概念によってリアリティを持たせた稀有な成功例なのですが、今回少女モノ、ファンタジー物という雑味が加わったせいでちょっとどっちつかずな内容になってしまっていると思いました。夏に読むライトノベルとしてはお手ごろではあります。では各作品の評価と元ネタを書いておきます。
生と死のはざまで:ラストにどんでん返しあり。このパターンで他もやってくれれば良かったのに…
夏と少女と怪獣と:ちょっとしたサスペンスミステリー調のお話。オチは平凡。ウルトラセブンの「湖のひみつ」的な展開を期待したが…肩すかし。
怪獣神様:故・実相寺昭雄監督が撮りそうなお話。怪獣より人間の方が残酷だという内容。ウルトラマンの「まぼろしの雪山」のウーと雪ん子が元ネタかな?
怪獣無法地帯:4篇の中ではもっとも長いお話。SFっぽくもありホラーっぽくもある内容。元ネタは「キングコング」とウルトラマンの「故郷は地球」。舞台となるジャングルの名前“タタラジの森”ってウルトラマンの「怪獣無法地帯」の多々良島のまんまですがなw

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