西京極 紫の館

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千年の愉楽  監督/若松孝二

2013年03月27日 19時32分14秒 | 西京極シネマ
【出演】
 寺島しのぶ
 佐野 史郎
 高良 健吾
 高岡 蒼佑

【ストーリー】
紀州の路地に生を受け、女たちに圧倒的な愉楽を与えながら、命の火を燃やしつくして死んでゆく、美しい中本の男たち。その血の真の尊さを知っているのは、彼らの誕生から死までを見つめ続けた路地の産婆・オリュウノオバだけである。年老いて、いまわの際をさまよい続けるオリュウの胸に、この路地に生を受け、もがき、命を溢れさせて死んでいった美しい男たちの物語が甦る。己の美しさを呪うように、女たちの愉楽の海に沈んでいった半蔵。火を噴くように生きていたいと切望し、刹那の炎に己の命を焼き尽くした三好。路地から旅立ち、北の地で立ち上がろうともがいて叩き潰された達男。生きよ、生きよ、お前はお前のまま、生きよと祈り続けたオリュウ。うたかたの現世で、生きて死んでいく人間を、路地の人間の生き死にを、見つめ続けたオリュウの声なき祈りが、時空を越えて路地の上を流れていく…

【西京極の評価】
若松孝二監督の遺作、観てきました。若松監督の過去作に比べるとわりと正統派、どストレートな映画でした。和歌山県の漁村の被差別地域が舞台。女を惹きつけて、女で破滅する業深き血。その血に抗いつつも血に粛清されていく男たち。その男たちを産婆としてこの世に送り出し、母として最期を看取る女オリュウ。中本の血で破滅する高良健吾にせよ、高岡蒼佑にせよ、男としてあれだけモテて死ぬなら本望でしょ。笑いのない『モテキ』みたいなもんですね。もう一人の中本の血族、染谷将太クンは…初老にさしかかった寺島しのぶとHしただけですぐ死んじゃったけど…本望でしたか?(苦笑)

追記:
なぜか時代設定とあわないガードレールとか看板とか電信柱とかがいっぱいあったのですが、セットの立て込みをしない事で制作費を削減したってことでしょうか?だとしたらそれは不味かったんじゃないでしょうかねぇ、天国の若松監督。

【総合評価】 ☆☆☆★★(満点は☆5つ)
 ストーリー ☆☆★★★
 演出/演技 ☆☆☆★★
 映像    ☆☆☆★★
 音楽/音響 ☆☆☆☆★

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2 コメント

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原作を (sakurai)
2013-04-21 11:30:05
さっぱり知らなかったので、「路地」が意味するものをわからないまま見てしまい、よく理解できなかったのですが、被差別部落のことだったのだと、得心でした。
中上健次のテーマだったのですね。
原作ものを扱うのは、若松監督にしちゃ珍しいと思いますが、結構悦に入ってたみたいで、自画自賛っぽく言ってましたもん。
どこかゆったりと作ったという感があったのかもしれませんね。右だの、左だのと、いろいろと言われた後に、別の視点にしたのかなあ。
きら星の役者を並べて、楽しそうに撮ってたそうですよ。なんだかその雰囲気が伝わってきたような気がしました。

で、やけに現代的な風景についてですが、私も感じました。
で、佐野さんのお話で、人物はふけさせなかったのだけど、別に指摘されない。遺影がはなすなどということについても変だとはあまり言われないのに、排気口が見えたり、舗装道路が見えてしまうと、すぐさま指摘される。
役者はものには勝てないのか。。見てほしいとこはそこじゃないのだけど、役者として悔しいなあ~的なことをおしゃってました。
なるほど・・かなと思って、あえてそこには突っ込まないことにした次第。
sakuraiさんへ (西京極 紫)
2013-04-21 18:00:21
そうですか、若松監督は意図的に背景を作り込まなかったのですね。

若松監督には申し訳ありませんが、
やはり気になってしまいましたね。
そこのところは意地を張らずに
時代背景に合わせた美術にしてもらいたかった。
せっかく男性俳優陣が良い演技をしていたのですから
そこは邪魔しちゃダメだと思います。

プロなんだから。

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