

【紹介文】
「君はこれから世界でいちばんタフな15歳の少年になる」
【総合評価】 ☆☆☆☆☆(満点は☆5つ)
ドラマ性 ☆☆☆☆☆
独創性 ☆☆☆☆☆
読み易さ ☆☆☆☆★
【西京極の読後感想】
元来、人は不完全であり、その不完全な部分を求め続けるものである。この小説に登場する人物たちは皆、なにかしらの不具者である。そして彼らは物語の進行と共に自分たちが不完全な存在であることを自覚し、本当の自分の姿を知り、他者との関係を紡いでゆく。「海辺のカフカ」はとても不思議な小説だ。ファンタジーであり、ミステリーであり、サスペンスであり、ホラーである。青春小説の様でもあり、哲学書の様でもある。極めて村上春樹的な小説である。いくつかの謎は結局解き明かされぬままラストを迎える。しかし、読む者はそこに不満は感じないはずだ。謎はすべて解き明かされないのが自然であり、人が不完全である様に、物語も不完全であって良いのだ。そう、不完全さこそが心地良い。










