五ツ星お米マイスター西島豊造の「豊かに造ろう」

様々な現実を見つめらがらも、日々を前向きに考えて進んでゆくためのブログです
(旧ブログ名:喜怒哀楽ハチャメチャ日記)

北海道米プロジェクトについて、改めて考えてみる-プラス1

2008年11月28日 14時36分13秒 | Weblog
北海道米プロジェクトについて、改めて考えてみる-終を読んだ、北海道米プロジェクトの中心となっている生産者と担当者から、朝、立て続けに連絡が入った。
消費地で起こっている厳しい現実を知り、かなり困惑している様子が、声からも伝わってくる。

自分でも、「このままでは終われない」という気持ちがあることを伝え、まだ、形を成していない計画ながらも、既に実行体制に入っていることについては伝えた。
しかし、相当に困難であることは明らかで、どこまで計画がプラスに働くかについては、判らないということも伝えた。

とりあえず、北海道米プロジェクトが崩壊しきらないうちに、早急にしなければならないことは、「芦別産高度クリーン栽培ななつぼし」と、高度クリーン栽培を実行し始めている産地・地域を、大きく一塊となっている北海道米という枠から、切り離してしまうことだ。

北海道というところは、東北の米どころ数県分の大きさを持っていることから、そもそも、地域も違うし、気候条件も違うことから、北海道米という、ひとまとめにした言い方をする事自体に無理があるのである。
ましてや、一般的な栽培方法の北海道米と、北海道の将来を考えて提案されている高度クリーン栽培米とでは、お米の特徴、炊き上がり具合、美味しさなどについて、まったく別物であると考えたほうが良いくらいに違っているのである。

したがって、北海道米プロジェクトを始動した直後は、「北海道」という大きな名称や、「ななつぼし」という、大きく括った言い方は、避けたほうが良いのではも考えていたのだが、北海道米の将来のためには、あえて区別をしないほうが良いだろうと考えていたし、生産者が滅茶苦茶なことをしないだろうと信じたい気持ちもあったし、ラストチャンスという事から、ホクレンとしてもシッカリやっていくだろうと考えていたことから、あえて同じにしたのだった。

しかし、それが今、自分たちの首を締め付けていることから、「芦別産高度クリーン栽培ななつぼし」については、この考え方を止めて、当初の計画とおり、地域名・栽培タイプを絞り込んだ、北海道米とは異なった、差別化米として販売をし直すことにしようと考えている。
そのために、まず考えなければならないことは、ブランド名から「畦畔香るななつぼし」というブランド名から「ななつぼし」という品種名を消した、新しい名称を付け直すことだろう。

テレビ・ラジオ・新聞・雑誌などでも、「ななつぼし」といわれてしまうと、どうしても、低品質の「ななつぼし」だったり、安売りの「ななつぼし」と、同じイメージとなってしまうことから、「芦別産高度クリーン栽培ななつぼし」は、北海道米であって北海道米ではなく、「ななつぼし」であって「ななつぼし」ではない、「これが新しい北海道米なのだ」と、消費者に伝えるようにするつもりである。
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北海道米プロジェクトについて、改めて考えてみる-終

2008年11月28日 00時26分19秒 | Weblog
スーパーや百貨店で販売されている「おぼろづき」「ふっくりんこ」は、売れているのだろうか。
本来なら、プロジェクトを実行している関係上、ホクレンが教えてくれるべきものなのだろうが、ホクレンからは、まったく情報が入ってこないため、スーパーや百貨店で販売されている北海道米の現状については判らない。
2008年10月21日から開かれた三越札幌店での「2008ホクレン大収穫祭」では、「ゆめぴりか、1袋(2キロ)1000円」が、イベント初日の1時間に続いて2日目も45分で完売となったという事も、インターネットで知ったし、少し前に、滝川市の生産者が、都内で「高度クリーン米ななつぼし」を販売したのだが、そのことについても、産地からは連絡がなく、偶然新聞で知るという、真にお粗末な現状。

「ゆめぴりか」を消費地でデビューさせるか、そのまま諦めてしまうかについては、「おぼろづき」「ふっくりんこ」の販売状況が鍵となるのだが、状況が判らないのでは、作戦など立つはずがない。
しばらくは、ホクレンが、どう出るのかを待つことにしたほうが良いだろう。
このまま、何にも言ってこないのなら、もう北海道米のブランド化は諦めたのだと考え、他のブランド化を待っている産地を、急いで動かしてあげようと思っている。

「ゆめぴりか」のために、どうして「おぼろづき」「ふっくりんこ」の販売状況が鍵となるのかというと、この2銘柄の特徴の違い、炊き上がりの違い、美味しさの違い等を、全国からお米が集まっている消費地の消費者が、シッカリと理解できるのかについて、疑問があるからである。

「おぼろづき」は、おいしさの秘密はお米のデンプンに含まれる“アミロース”。
アミロースを含む割合が少ないお米は、粘りが強くなります。
一般の「うるち米」のアミロースが20%前後であるのに対し、「おぼろづき」は概ね16%以下で、やわらかい食感と強い粘りが自慢です。
http://www.hokkaido-kome.gr.jp/hinsyu/89.html

「ふっくりんこ」は、平成15年採用、道南で生まれ育ちローカルブランドとして確立。
平成19年産から作付・販売区域を拡大し、全道に進出しました。
その名の通りふっくらした食感で、冷めても硬くなりにくく、おいしさ長持ち。
http://www.hokkaido-kome.gr.jp/hinsyu/fukkuri.html

と、北海道米販売拡大委員会のHP「北海道のお米」には書かれている。

確かに「おぼろづき」「ふっくりんこ」は、北海道米としては優れた品種であるかも知れないが、全国から見れば、同じような特徴を持った銘柄米は、いくつか存在している。
しかも、その産地のほうが、シッカリとしたブランド米の道を歩んでいる。
北海道米は、随分と知られるようにはなっているものの、まだまだブランド米にはなっていないため、全体としての評価は、依然として低いままなのだ。
したがって、価格を安くして販売するのであれば、ある程度は売れると思うが、ブランド化するための価格で販売するとなると、他の産地に流れていってしまう可能性がある。

また、「粘りが強く」や「ふっくらした食感」等という、炊き上がり具合についても、現在の消費地の好みとは、若干異なっている。
現在、圧力IH炊飯器を持っている消費者であれば、どんなお米でも、粘りを出すことは可能であることから、消費者のほうでも、「あえて知らないお米に挑戦しなくても・・」という考え方がある。
したがって、炊き上がりの部分だけを力説しても、一度は買ったとしてもリピーターになる人は少なく、長期的に売れるような気がしていないのである。

北海道米をブランド米にするためには、まだまだ解決しなければならないことは山ほどあるのだが、さて、どうなることやら。

---------------終わり--------------
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北海道米プロジェクトについて、改めて考えてみる-5

2008年11月27日 22時33分28秒 | Weblog
市場では、まだまだ北海道米は、人気が残っているという声も聞くし、値段も安売りではないという声も聞く。それなのに、なぜ自分だけが「駄目だ」と言い続けているのか。
今の現状を整理しなおせば、まだ自分の力だったら、プロジェクトは動かせるのではないかという声も聞く。
正直言って、修正をしようと思えば、直ぐにでも修正は出来る。
プロジェクトを継続させようと思えば、それも現実には可能なのだ。

では、自分は何について怒っているのか。
勘の良いひとなら、既に気がついているだろう。

北海道米をブランド化させるためには、たぶん今回がラストチャンスとなるから、絶対にミスは許されないという事。
今回についてだけは、店頭での対面販売でなければブランド化出来ないという事。
「ななつぼし」の美味しさを理解できる消費者は、まだ少ないという事。
北海道米の美味しい食べ方を提案しないと、一過性のブームで終わってしまうという事。
階段を上っている最中に、価格の下げての販売をしてはいけないという事。
「きらら397」と同じ失敗をしないよう、低品質のお米や、毎回品質の違うお米の販売をしない事。
品質に大きなブレがある「おぼろづき」「ふっくりんこ」については、流通と販売を制限する事。
「おぼろづき」「ふっくりんこ」が失敗すると、「ゆめぴりか」がデビュー出来なくなってしまうという事。
生産者が、勝手栽培をしたり、勝手な価格で販売をしないように、地域の足並みを揃えるようにする事。
話題のあるお米の栽培だけに偏るのではなく、品種に合った適地での栽培を、地域に薦めるようにする事。
等について、シッカリと説明していたにもかかわらず、勝手な判断で行動して、勝手にスーパーで「ななつぼし」の販売を低価格で仕掛けて、消費者から「美味しくない」と言われてしまって、自分で自滅して、自分でラストチャンスを無駄にしてしまったホクレンに対して怒っているのだ。

それと、ちょっと話題になった程度で舞い上がって、勝手に「おぼろづき」「ふっくりんこ」を栽培して、消費地では絶対にクレームとなるバラパラな品質のお米を作って、さらに、観光地という、消費地の人が見る環境であるにもかかわらず、勝手に隣同士で価格競争しながら激安をしている、おろかな生産者たちに対しても、物凄く怒っているのだ。

産地側が勝手なことをしているのに、どうやってプロジェクトを動かせばよいというのか、そんな産地を、なぜブランド化させなければならないのか。
自分は、北海道で仕事をしていた関係から、本当なら、どの産地よりも北海道米をブランド化をしてあげたいのだが、こんな状況では、出来るはずがないし、実行する必要性が見えない。
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北海道米プロジェクトについて、改めて考えてみる-4

2008年11月27日 21時44分09秒 | Weblog
そもそも北海道米プロジェクトとは、どういう構想になっていたのだろうか。
北海道米については、今後、このプロジェクトは使えないと考えられるが、まだ他の産地では利用できる可能性も残っていることから、説明してみようと思う。

このプロジェクトの最終到達イメージは、業務用米と見下されている北海道米を、「コシヒカリ・あきたこまち・ひとめぼれ」と同等で、誰もが知っているお米にすることなのだが、ただ知っているというだけでは意味がなく、棚に並んでいたら、率先して手にって貰い、好んで食べてもらえるブランド米にすることなのだ。

知っている米とブランド米というのは、実はイコールではない。
知っていても、価格が特売価格であったら、それはブランド米にはならず、ただの特売米となってしまうのだ。
現実に売られている「あきたこまち」「はえぬき」「きらら397」を、特売米とかお買い得米という人はいるだろうが、ブランド米だという人は、ほとんどいないと思う。
「コシヒカリ」についても、一定の価格以上で売られている「コシヒカリ」についてはブランド米として考えているが、特売価格で売られている産地のお米については、特売米として、割り切って消費者は購入しているという現実がある。
だから、北海道米についても、消費者がブランド米だと考えてくれる価格で販売できるまでに、シッカリと育て上げなければならなかったのだ。

具体的に言うと、デビューが決まっている「ゆめぴりか」については、産地の将来のためにも、若い後継者を作り出すためにも、お米の新しい時代のためにも、大ブランド米と肩を並べる、1kg600円代で、堂々と販売したいと考えていたのだ。

産地とホクレンのミスで販売計画が立たなくなってしまった「おぼろづき」「ふっくりんこ」については、この特徴を好む消費者のこだわり具合、このお米の話題性、そして栽培の難しさ、さらにこのお米の実力等を考慮して、また「ゆめぴりか」を1kg600円代にレベルアップするための橋渡のお米として、1kg570~590円内での販売を考えていた。

既にに販売している「ななつぼし」については、品質・食味・安全性などを、もう1レベルアップし、1kg500円に成長させることで、スーパー・量販店で販売されている、産地ごとで品質・食味などがバラバラであるが、価格が1kg356円前後の「ななつぼし」との、強烈な差別化を考えていた。

さらに、「美味しくない」と悪いイメージが定着してしまっている「きらら397」についても、北海道米の色々な銘柄米がブランド米になることで、不適地で無理をして作らなくてはならないという必要性が無くなるため、適地のみに栽培地域を再編しなおし、デビュー当時の、良食味「きらら397」を蘇らそうと考えていた。

これだけでは、まだプロジェクトの全貌からすると、1割も説明してはいないのだが、つまり、北海道米プロジェクトというのは、話題性などで有名になっていくタイプではなく、北海道米の実力で、一歩一歩確実に、階段を上るように、成長させていくプロジェクトだったのだ。
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北海道米プロジェクトについて、改めて考えてみる-3

2008年11月26日 08時56分28秒 | Weblog
 当初、「芦別産高度クリーン栽培ななつぼし」については、ホクレンの流通システムを使用せずに、独自のルートで、消費地までお米を運び入れようとも考えていたのだが、この方法をとってしまうと、農協・生産者と自分の店との、1対1の関係しか作ることが出来ないし、陸続きの本州内と違って、海を渡らなければならないというのは、想像以上に大変だということも判ったので、厄介者扱いされているとしても、ホクレンの流通システムを使用したいと考えた。

ホクレンを使用するもうひとつの理由は、どんなにプロジェクトが成功したとしても、1地域だけでは意味が無い。
なぜなら、このプロジェクトは、北海道全体が活性化し、熱意を失っている若い生産者に希望を与え、多くの地域からブランド化の声が上がってくることを理想としている。
そのためにも、ホクレンが主導権を握り、各農協と生産者の将来を考えていくことがベストだと思っているからである。

「芦別産高度クリーン栽培ななつぼし」は、時間とともに女性を中心に人気が出てきて、このお米の噂を聞きつけた人は、遠方からでも、わざわざ買いに来てくれるほどにまでになったのだが、それに伴い、「早すぎる。土台が出来上がっていないのに・・・」という思いは、日に日に強くなっていって、「今のままでは崩壊る」という、最悪の末路までが、初年度で見え始めてしまっていた。

しかし、消費地での人気が北海道へ伝わったことで、北海道では今までに無いほどに活気付いていたので、「自分が仕掛けたのに、自分が水を差すのは、現時点では許されないのでは」という考えも出始めてしまったことで、自分としては動くことが出来なくなってしまった。
その分、マスコミ等の取材の時には、「ななつぼし」の特徴や美味しさを説明しながらも、将来のためにもブランド化が必要などだという説明もしていたのだが、そこまでは産地の人たちには届かなかったようだ。
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北海道米プロジェクトについて、改めて考えてみる-2

2008年11月25日 04時46分10秒 | Weblog
 中央農試技術体系化チームの高度クリーン米栽培の体系化実証(クリーン農業:H16~17)の「芦別産高度クリーン栽培ななつぼし」を、Suzunobu Project Riceとして販売することになった初年度、ホクレンの対応の冷たさは、かなりのものだったし、そうなることも判っていた。

ホクレンは、毎年、高額のお金をかけて、北海道米のピーアールをしているのだが、それでも「北海道米は不味い」というイメージが消せないまま、業務用専用米か特売米としての評価しか得られないでいた。
そこに、たかが年商2億にも満たない、小さな米屋の自分が乗り込んで行って、経費を一銭もかけずに、生産量がほとんど無い「芦別産高度クリーン栽培ななつぼし」だけで、東京という消費地で北海道米のブランド化をするというのだから、「無知で愚か者が来た」とでも思っていたのだろう。
おまけに、北海道全体の生産量からすると、「芦別産高度クリーン栽培ななつぼし」の生産量は、あまりにも少なすぎて、今までま流通システムでは、システムに乗せることすら難しいという厄介者なのだ。

でも自分には、「大組織のホクレンに出来なくて、お米さえ自分の店に届けば、店頭販売さえ出来れば、ブランド化は出来る」という、絶対的な自信があった。
それは、「誰に対して、北海道米をピーアールするのか」という違いにある。

つまり自分は、そのお米を食べる本人に、「このお米は、こういう場所で、このような人たちによって、新しい時代のための、新しい農法で作られているお米なのだ。さらに、昔と今は違って、新しい農法から生まれた、この米というのは、こんな美味しさをもっているんだ。」とうことを、昔ながらの対面販売の方法で、一人ひとりに対して、直接説明していく方法なのに対して、ホクレンは、スーパーや量販店のバイヤーであるとか、米卸であるとか、業務用米として使う会社の担当者などに対して、「北海道米をお願いします」と頭を下げているだけで、自分たちで直接、そのお米を食べる本人にはピーアールしていないのである。
こういう言い方をすると、ホクレントしては定期的に、スーパーなどでイベントや試食販売はしているというだろうが、売り子に任せて販売しているだけであって、自分たちが直接売っているわけではないことから、結論としては、何もしていないのと同じだろう。

自信があったといっても、「北海道米プロジェクトについて、改めて考えてみる-1」で書いたとおり、「コシヒカリ」とは反対側に位置する「ななつぼし」の特徴のため、全ての消費者が「美味しい」ということはありえないため、その特徴に関心が持てる新しい食文化、つまり、玄米食・分搗き米・雑穀米の食文化を作り上げ、その中でも、美容・健康・安全、さらに新しい情報に敏感な、若い女性を中心にピーアールを絞り込むことにして、食べ応えを求める男性に於いては、あえて健康面で注意をしなければならない男性に絞り込み、小学生がいる家庭の場合は、朝食・おかゆなど、身体が起きていない朝からでも、食べやすいお米だということで、ピーアールをしていったのだ。

作戦は見事に成功して、半年もしないうちに、女性を中心に「「ななつぼし」は美味しい」という評判が広がっていったのだが、正直いってこのスピードについては、「早すぎる。土台が出来上がっていないのに・・・」と、当初から危険性が判っていたのだが、産地を少しでも早く活性化させたいという思いもあったし、道さえ間違わなければ大丈夫だろうという考えもあったため、目を瞑ることにしてしまったのだ。

この時既に、一歩間違えれば、こうなってしまうことは判っていたのだから、甘ったれた考えは捨てて、初心の考えを貫いておけば、今回のようなことにはならなかったのだろう。
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北海道米プロジェクトについて、改めて考えてみる-1

2008年11月23日 11時15分29秒 | Weblog
 ホクレンと産地の生産者がしでかした巨大なミスのために、現在、北海道米プロジェクトは止まってしまったままとなっている。
「どうやったら再起動できるのか」と、毎日考えてはいるのだが、その場しのぎの作戦なら、いつくか見つかったのだが、「これ」といった決定的な作戦についは、いまだに見つかっていない。

そもそも、北海道米プロジェクトというものは、どういう考えから実行することになったのか。
まだ実行してから、数年しか経っていないのだが、今では、ものすごく過去のプロジェクトのように感じていることから、もう一度北海道米プロジェクトについて、考え直してみようと思う。

北海道で農業土木の仕事をしていた関係から、北海道の水田環境については、ある程度の知識があった。
その中で自分としては、北海道は水田の実力を活かしきっていないという思いがあったのだが、水田を活かしきる品種と栽培が見つかっていないという現実があったため、今は北海道米をブランド化する時期ではないと、長い間、実行しないままでいた。
それと、自分ごときが出しゃばらなくても、北海道にはホクレンという大組織があることから、ホクレンでブランド化をしてくるのだろうと思っていた。

そんな中で、消費者に支持される実力をもって生まれた「きらら397」なのに、低品質の「きらら397」を消費地に送り込んで、スーパー・量販店で、低価格での販売をしてしまったことから、以前の銘柄米で言われていた「北海道米は不味い」というイメージを、さらに消費地で確実なものにしてしまったことで、日本の全ての柄米の中で「最低の米」と言われてしまい、その時点で、ブランドへの道は完全に断ち切られてしまっていた。

「きらら397」以降に、「ほしのゆめ」「ななつぼし」「彩」「あやひめ」などのお米も誕生したりしたのだが、消費地では「きらら397」の悪いイメージが強すぎてしまい、特売価格の「きらら397」だけは店頭に並んでいたが、その他の銘柄米は、ほとんど店頭に並ぶことが無いままとなってしまっていた。

よって、自分としては、「きらら397」をブランド化するのは不可能と考え、「ミルキークイーン」が人気となっている時期があったことから、「彩」「あやひめ」の低アミロース米をが誕生した時には、いち早く消費地で販売することが出来たら、少しでも北海道米のイメージアップになるのではないかと考えて、仕入れルートを作り出そうとしたが、結果として断念することとなってしまった。

それでは「ほしのゆめ」「ななつぼし」ならどうなのかと、色々とデータ分析をして、消費地での可能性を調べてみたのだが、結論から言えば「ほしのゆめ」については、「きらら397」の食感と近いことから、時既に遅く、いまさらブランド化を実行したとしても支持されることは無いと結論付けることとなった。

「ななつぼし」については、「コシヒカリ」系とは違う特徴を持っていて、この特徴については、お米の食べ比べが出来ない消費者でも判ってもらえる可能性があることが判ったのだが、とはいえ「コシヒカリ」とは反対側に位置する「ななつぼし」の特徴を、消費者がマイナスではなくプラスなんだと考えてもらうためには、ただ店頭で並べているだけでは不可能で、店頭で、それもリフレットなどではなく、口頭で、「ななつぼし」の特徴と、「ななつぼし」の特徴が秀でる食べ方を、消費者に直接提案しなければならないという、厳しい現実があることが判った。

したがって、「ななつぼし」のブランド化を実行するには、その前に「ななつぼし」の特徴を「美味しい」といってくれる、新しい食文化を作る必要があり、そのために仕掛けた食文化が、玄米食・分搗き米・雑穀米・朝食・おかゆ等であるが、残念ながら、この時代(流行)の寿命は短く、1回波が来たからといって、安易に仕掛けようとしてしまうと、この時代に対する産地の体制が出来上がった頃には、消費地では既に寿命が尽きていることは明らかのため、寿命が尽きないように、これらの時代を、ある一定のサイクルで、強制的に波が起きるように仕掛けなければならなかった。

玄米食・分搗き米・雑穀米・朝食・おかゆ等の時代が、一定のサイクルで波が来るように仕掛けるのに約10年。自分としては、もっと早く実現できると思っていたのだが、思った以上に時間がかかってしまう結果となってしまった。

その10年の間に、ブランド米になることが出来ないでいた北海道米は、消費地では忘れ去られる存在になり始めていて、北海道の生産者の意欲も、かなり落ち込んでしまっていたため、直ぐにでも「ななつぼし」を消費地に送り込まなければ、産地も崩壊してしまうだろうし、消費地でのブランド化も不可能になってしまうという限界時期となっていたのだが、残念ながらその波に乗せるための方法が見つからずに、かなり焦っていた。

そんな時に、うわさでは聞いていた、中央農試技術体系化チームの高度クリーン米栽培の体系化実証(クリーン農業:H16~17)が、本当に実証されていて、それも、自分が良く知っている芦別地域で、それも「ななつぼし」で行われていることを聞きたのだった。
さらに、その実証精度についても、自分の求めているレベルであったことから、「この米なら、作り上げてきた新しい食文化に送り込んでも、決してマイナスには評価されないだろう」と考え、ホクレンに良い顔をしてもらえない中でSuzunobu Project Riceとして販売に踏み切ったのだった。
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産地は動けるだろうか

2008年11月20日 08時58分30秒 | Weblog
 昨日、新しいスズノブのブランド米候補となっている産地と打ち合わせをしたのだが、今回は、あえて県名を使用せずに、地域名でのブランド化をしていく考えでいることから、産地としては、想像していなかった計画となったかもしれない。
そのため、かなり驚いたようだし、出来るか出来ないかの不安も出てしまったことだろう。

 しかし、このままでは崩壊していってしまうと考えられるブランド名に、いつまでもこだわり続けけるには限界があるし、どんなに頑張ったとしても、ブランド名の崩壊に巻き込まれてしまうのは明らかなので、最初から切り離してブランド化をすることにしたのだ。

 実際には、今日から具体的な話し合いが始まっていくのだが、なんとか実現できる方向で、産地が動いてくれると嬉しいのだが。
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苦渋の選択

2008年11月19日 04時36分03秒 | Weblog
 日付が変わった火曜日の深夜、いつも通りに玉川島屋へ納品へ行ったのだが、その日は、いつもの納品と、大きく違うことが一つあった。
丁度新米時期のため、売り場にあった古米を、新米と入れ替えるために返品することはよくあることなのだが、納品したばかりの新米を返品する日となっていたのだ。

 返品する銘柄米は「北海道きらら397」と「北海道おぼろづき」
昨年の今時期だったら、「北海道畦畔かおるななつぼし」と同様に、「北海道きらら397」は人気銘柄米だったため、売り場に並べれば、閉店を待たずに完売していた。
しかし、産地がしでかしたスーパーでの販売戦略の失敗の影響を、まともに受けてしまった事で、自分が心血を注いで実行していた「北海道プロジェクト」が崩壊してしまった結果、自分の店では、北海道米に勢いが無くなってしまったのだ。

 玉川島屋店だけでも、毎日90kg以上は売れていた「北海道畦畔かおるななつぼし」は、1/3程度まで落ち込み、試食販売をしたにも関わらず、「北海道きらら397」は、納品してから1袋も売れなくて、「北海道おぼろづき」についても、たった6袋売れただけという、散々な結果となってしまったのだ。

 こんな実績では、場所代が高い玉川島屋で扱い続けることは不可能なため、売り場に並べてから、まだ1ヶ月も経っていないのだが、返品することにしたのだ。
 今、売り場から無くなるということは、その銘柄米にとっては「死」を意味するほどの、大きなダメージとなってしまうのだが、この現実を作ってしまったのは産地なのだから、仕方が無いと思うしかないだろう。
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全銘柄米がようやく揃う

2008年11月19日 04時05分45秒 | Weblog
 なんだかんだと、新米入荷が遅れてしまっていて、いまだに届かない地区があったりしていたのだが、今週末にはそれらの地区も入荷することとなったため、これで全銘柄米が入荷することとなった。
 もっとも、最初の計画段階では、もう数銘柄は入荷する予定だったのだが、結局は入荷してこないようなので、それらについては、完全に計画から外すことにして、入荷してきた銘柄米と、これからでも入荷できる予定の銘柄米だけで、新しく計画を組み直すことにしたのだ。

 これから交渉する銘柄米は、今まで地域指定していなかった「新潟コシヒカリ」と、「栃木コシヒカリ」で、この2銘柄米については、年内にも地域指定出来ればと考えている。
諦めた銘柄米は、「北海道ふっくりんこ」と「北海道おぼろづき」などの数銘柄米となる。

 日に日に、消費地では景気が悪くなっていっているため、少しでも早く、現実に合った計画に修正しなければならないので、動ける物は早急に動かし、動かない物については、思い切って見切る必要があると考えたのだ。
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新潟から佐渡を切り離しての販売計画

2008年11月15日 10時17分49秒 | Weblog
 新潟県がお米の価格を下げて販売する可能性が、かなり高くなってきた。
それも、「年内中は、お歳暮等の関係があるので、魚沼産だけは価格を維持し、その他の地域のお米の価格を下げて販売する」という、安易に考え方のようだ。

 ハッキリ言って、消費者を馬鹿にしている考え方だと思う。
基本価格が下がってしまえば、いくら新潟米といえども、安売り米・お買い得米となってしまうことは明らか。
既に安売り産地となってしまっている、秋田県・山形県・北海道・千葉県などと肩を並べるということだ。
 魚沼産だからといっても、所詮新潟県の中の魚沼産なのだから、お歳暮で使ってくれるのかも疑問が出るし、安売り産地のお米を贈るというのは、誰でも、「えー。安売りしている産地のお米?」と言われてしまうのが怖いので、ある程度の勇気が必要となる。

 こんな愚かなことを、今まさに産地は、真面目に真剣に検討しているのかと思うと、「新潟米は、もう復活できないな」と思えてしょうがない。

 自分としては、新潟米が安売り米になってしまっても、特に問題は無いのだが、唯一困ってしまうのが、今年から始めている「山古志村コシヒカリ」と佐渡の「朱鷺と暮らす郷」である。
この貴重な2銘柄については、何が何でもブランドを守り、成長させ続けなければならない。
しかし、新潟米は安売り米となってしまうと、この2銘柄のポジション・価格がおかしくなってしまう。

 栽培方法も違うし、生産数量も大きく違うので、新潟米の安売りを気にしなくても良いのかもしれないが、無傷でいられるという保証は無い。
そうならないようにするためには、山古志村は「山古志村」で、佐渡は「佐渡」として、新潟米であって「新潟米」ではないというように、新潟米の中から外して、独立させて販売するほうが、この2銘柄は生き生きとするのではと思っている。

 まだ、新潟米が安売りになるのかについては、決定ではないようなのだが、決定されたとなったら、店の看板も「新潟」ではなく、「山古志」「佐渡」と替えようと思っている。
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仕切り直すしかない

2008年11月13日 18時26分14秒 | Weblog
 今年から、新潟県佐渡市のお米の中でも、一番農薬使用量を抑えた、もっとも安全性の高い「朱鷺と暮らす郷」の販売が始まったのだが、最初から蹴躓いてしまった。

「朱鷺と暮らす郷」は、朱鷺の生活圏で栽培されているお米であることから、安全性を高めているために、生産量も限定されてしまうし、価格も高いことから、全国でも自分の店だけの販売となっている。
よって、他店の影響を受けずに、シッカリとした販売が出来ると考えていたのだが、現実は甘くなかった。

 どうしてなのかというと、同年から、佐渡コシヒカリ(安全性は別レベル)の販売を始めているスーパーがあるのだが、販売前にスーパー側として考えていた、佐渡コシヒカリの販売展開が、予想に反して出来ていないことから、当初設定していた価格よりも、既に5kgで200円ほど下がってしまっているらしいという情報が入り、さらに、その価格でさえも苦戦しているとの、悪い情報が入ってきている。
確か、スーパーと全農新潟との佐渡コシヒカリ(安全性は別レベル)の契約の中では、年間契約となっていると聞いているので、販売前のイメージ展開が出来ていないとなると、今後は、さらに価格を下げていく可能性がある。
 もう一つ、以前から販売をしている某組合では、安全性は言いながらも、産地の将来性や、産地が置かれている現在の状況を考慮しないで、相変わらず価格優先の販売を続けている。

 実はこれが、自分にとっても、佐渡のためにも、朱鷺のためにも必要不可欠な「朱鷺と暮らす郷」を販売していくに当たって、ものすごく邪魔な存在になってしまっているのだ。

 一つのブランド米を作り上げるには、膨大な時間とエネルギーが必要となるし、ブランド化が安定するまでは、どんな些細なミスも許されない。
ましてやこのお米は、朱鷺の将来にも影響する、とても大切なお米なのだ。
「話題だから」「今が旬だから」などという安易な考え方でお米を販売したりして、お願いだから足を引っ張らないでほしい。
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口約束で、大丈夫な仲でいたいのだが

2008年11月13日 15時51分46秒 | Weblog
 某産地と、今年の田植え前に、慣行栽培で安定品質の銘柄米を、年間同じ価格で1000俵(30kg×2000袋)欲しい。さらにそれを、毎月80俵ずつ、産地から配達して欲しいとお願いしておいた。
 この産地で1000俵というと、前もって生産者に、栽培と量の確保をお願いをしておかないと、なかなか実現できる事ではない。
それも80俵ずつ配達するとなると、当然トラックの手配もしなければならない。
だからこそ、田植え前にお願いしたのだ。

 しかし、いざ配送が始まるとなったら、このことについて産地は、全く準備をしていなかったため、当然、価格は見直さなくてはならなくなるし、仕入れるタイミングも、実際に仕入れる量も狂ってしまうという事態になってしまったのだ。
 こういうことにならないようにと、本当なら契約書を作ってしまったほうが良かったのだが、産地との信頼関係が出来ていると考えて、口だけの約束としておいたのだが、今回は、それが裏目に出てしまった。

 自分としては、「裏切られた」という思いが強くなってしまい、産地がモタモタすればするほど、電話で「いいかげんにしろ」と、怒鳴ることとなってしまったし、実際に会ったときでも、「ふざけるな」と怒ってしまった。

 お米を、一つの商品として、物のように扱うことは簡単なのだが、自分が取り扱っているお米だけは、そうあって欲しくないと思っているから、こんなトラブルは避けたいものだ。
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山形97号、ようやく本腰になったか

2008年11月13日 14時51分05秒 | Weblog
 なかなか産地での方向性が決まらないまま、宙に浮いた感じになっていた、山形県の新品種「山形97号」も、そろそろ名前が決まる最終段階となってきたことや、来年には消費地でのテスト販売も始まることから、本格的に動き出し始めたようだ。
 山形県にとっては、「はえぬき」「どまんなか」の2大銘柄のブランド化に失敗してしまったという、苦い過去があることから、今回の新品種については、何が何でも成功させて、産地の活性化をするための、若い後継者を作り出すための、魅力あるブランド米として、シッカリと成長させなければならないという、厳しい現実がある。

 しかし、消費地は冷え始めていて、少しでも価格の安いほうへと動きたがっている。
その中で、一定以上の価格を付けて、ブランド化していくためには、ただ「美味しいお米」「山形県の新しいお米」というだけでは、初めから無理なことは明らか。
どこが、どういう風に美味しいのか。どう食べれば、お米の一番良さがわかるのか。どんな料理にあうのかなど、調べなければならないことは山ほどある。
また産地側でも、ブランド化が完成するまで、個々が安易に行動したり、組織としても、うかつな計画をしないように、山形県全体で、最新の注意をし続けることが出来るのかなど、決めておかなければならないことが、さらに山ほどある。

 果たして本当に出来るのか。出来なければ、山形県の将来は無いだろう。
この、山形県の全てを背負っている、山形県最後の新品種、何が何でも成功させてほしいものだ。
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なんて愚かな。新潟が、値段を下げて販売するそうだ

2008年11月13日 09時19分33秒 | Weblog
 複数の情報筋から、「新潟県が昨年と同じように、年内中にコシヒカリの値段を下げての販売に変更するようだ」という情報が入った。
真偽に付いては、まだハッキリしていないのだが、もしもこれが本当だとしたら、「なんて愚かな」と思うと共に、「新潟は自滅の道を選んだんだ」と確信する事となるだろう。
 安く販売するということは、今まで自分が作り上げてきた「ブランド産地」を捨て、「お買い得産地」になるということだ。
「お買い得産地」は、何処まで行っても「お買い得産地」であって、「ブランド産地」とは明らかに違う。
有名な産地だから、誰もが知っている産地だからという理由が、「ブランド産地」という訳ではないのだから。

 これからお歳暮時期となる。今回は事故米の件もあることで、お歳暮にお米を使うのかどうかに疑問がある。
もしも使うというのであれば、誰もが知っている産地を贈ろうとするのは明らかだろう。
その産地が、安売りしている産地だとしたら、はたして贈り物として使ってくれるのだろうか。
自分が送る立場だとしたら、贈った側に失礼が無いように、安売りをしていない産地を選ぶだろう。

 産地からすると、5kg2000円弱だとしたら、「まだ良い価格だ」と思うかもしれないが、1キロ400円もしないお米については、、どんなに知られている産地であろうが「お買い得米」であって、「ブランド米」とは言わないのである。
消費地でのブランド米価格というのは、1kg500円弱からなのだ。
 また、一度値段を下げてしまったら、今の消費地での現状からすると、二度と価格を上げることは出来ないだろう。
そういうことを判って、それでも価格を下げるというのであれば、それはそれで仕方が無いのだろうが・・・・
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