集会で、前知事の埋め立て承認の「撤回を力強く必ずやる」と明言した翌日、米政府官僚から、「県知事の撤回表明は敵に手の内を見せたに等しいのに、沖縄ではなぜ評価されるのか」との質問を受けた。

2017-03-29 06:17:22 | 日記
沖縄タイムス2017年3月27日 10:00
集会で、前知事の埋め立て承認の「撤回を力強く必ずやる」と明言した翌日、米政府官僚から、「県知事の撤回表明は敵に手の内を見せたに等しいのに、沖縄ではなぜ評価されるのか」との質問を受けた。

 同官僚によると、米側には知事が撤回した場合の展開を想定したシナリオがすでに幾つかあるらしい。

 「知事が撤回した場合、日本政府がすぐにそれを取り消す代執行訴訟を起こして終止符が打たれるというのが理想だが」と前置きした上で、「しかし実際には、防衛省が国土交通相に行政不服審査請求と撤回の効力の一時停止を申し立て、一昨年(取り消しの取り消しの場合)と同じように長い法廷闘争が始まることになるだろう」と説明した。

 そしてその長い法廷闘争に再び突入する可能性を回避する幾つかのオプションが日本政府側にはあるらしいと指摘した上で、「知事の『撤回表明』は日本政府に入念に準備する時間を与えたに等しい。沖縄に有利にならないはずなのになぜだ」と首をかしげた。

 同官僚によると、知事が辺野古集会に参加するとの事前情報を受け、米政府内では集会の前日に知事が埋め立てを撤回し、集会の場で県民に報告するのではないかとの予想もあったそうだ。

「しかし、実際にはアクションのない宣言だけで拍子抜けした。これは法律の専門家らの目にはリスクの大きい行為と映るのではないか」と述べ、「知事が撤回を表明したのは、呉屋守將氏からのプレッシャーが働いたからではないか」とも分析した。

 新基地建設を巡っては、サンフランシスコで15日に開かれた沖縄ジュゴン訴訟で裁判が振り出しに戻るかもしれない可能性が示唆されたため、米有力議員がこれを問題視。米政府は慌てて議会対策を始めたらしいが、前述の米政府官僚は「知事が事前に撤回を表明してくれたおかげで、これは余裕をもって議会対策ができそうだ」と打ち明けた。

 知事が県民集会の場で撤回を表明した理由は何だったのか。米官僚が指摘するようなリスクはないのか。

 大浦湾を守るために必要なのは、「辺野古を止める」と繰り返すだけでなく、実際に止める一歩を踏み出すことだ。知事は集会で「あらゆる手段を通じて」と改めて強調していたが、本当に必要なのは、新基地建設計画を確実に止める一つの有効な手段なのではないか。

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