仏教を楽しむ

仏教ライフを考えるコラムです。浄土真宗本願寺派僧侶

お寺さん崩壊

2017年03月13日 | 日記
『お寺さん崩壊』(新潮新書2016.12)本派の水月昭道さんが書いた本です。一般人向けなので、知っていることばかりで、お坊さんが読むと、読むところがないので、パラパラとめくるだけで終わってしまいそうな本です。でも一般には人気があるようで、図書館でリクエストして落掌まで、時間を要しました。

その本の中に、提言もあり、「住職給料性」の話が出ていました。実際そうしているお寺もあります。

その部分だけ転載してみます。


筆者の所属する宗派とは異なるか、禅宗(曹洞宗)のお寺の護持会会長をしている上田氏(仮名)は、「ウチは住職を給料制で雇っています」と胸をはる。
 それは、先代の住職が亡くなったことに端を発していた。
 「息子さんは他所で働いておられましてね、跡は継がんということでしたから」 お寺を預かる上田氏ら役貝たちは、他から住職を呼ばねばならないという一大事に直面することになりこの時慌てた。…

 「それを完全ガラス張りにすることで、健全で持続可能なお寺運営の道を探ろうと考えたのです」
 最初に取りかかったのか、住職を雇うための給与体系の検討だった。役場の部長クラスの待遇を示すことができれば、ある程度有能な住職を呼び寄せることかできるはず、とのヨミがあったからだ。
 「結果的には、これか当たりました。年俸は約一千万円程度と少し高めかもしれませんが、三十代の秀抜な若手僧侶か喜んで来てくれましたから」
 給与のはかには、退職金も年間六十万円ずつ積み立ててあげているそうだ。経費もガソリン代や携帯電話などの通信費、住居にかかる電気・ガス・水道代などの雑費については、「六対四」の割合で優遇しているというから凄い。懸案になりがちな跡継ぎ問題についても当初より交渉済みだそうで、男の子が複数生まれた場合、必ずひとりはお寺に残す方向で話はついているとのこと。
 その上で、宗教法人を持続させていくために、積み立ても抜かりなく実施しているそうなのだ。
 一体どうやったら、そこまでのことが出来るのだろうか? 「先祖代々お世話になっている思い入れ深いお寺ですから、檀家の皆でこの先もずっと守っていかないといけないという気持ちがありまして、そのためのルール作りをしたんです」
 それは次のようなものであった。

○お寺へ新規に所属するご家庭からは、入会金として万十万円を預かる
○お布施以外の収入を確保するために納骨堂を建て、一軒あたり五十万円で購入する
○葬儀や法事のお布施について最低額を決めた(葬儀三十万円以上。法事三万円以上)
このぶんであれば求るべき本堂の建て替えについても余裕を持ってあたれる、と自信を漲らせる。
 こうした雇用制度と法人資産管理を実現するかわりと言ってはなんだが、住職か法事などに出勤して頂いてくるお布施は全て法人の管理下に置かれることになっている。(以上)

檀家の護持意識が強い寺であれば過能でしょう。

先般行られた本願寺派の宗門調査によれば、山陰では、寺院の平均年収が「五十万円未満」が23・3%(全国平均の10・1%)では無理な話です。過疎地域の多くの寺が、寺に生まれたという住職の善意で兼職で、寺院が支えられている寺院が多いようです。
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