日本マグネティックス株式会社ブログ

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7.おわりに

2008年05月13日 15時44分45秒 | 服巻慶治社長コラム[粉体用電磁分離機]
7.おわりに
 粉体の特性および磁性粒子の特性は、無限の組み合わせがあり、未知の原料に対しては、実際にサンプルテストを実施して評価しなければならないのが事実である。NMIは、20年におよぶ粉体中の微小磁性体除去に関わった経験(表4参照)から、最適な機種選定や、磁選機の能力を最大限に発揮させるための運用方法の決定に、役立つだろう。本稿が、異物除去の一助になれば幸いである。

参考文献
[1]川合共二, ナノテクノロジーのすべて, 工業調査会, p.10, 2001.
[2]神保元二, 粉体の科学, 講談社, pp.21-23, 1986.
[3]粉体工学会, 粉体工学便覧, 日刊工業新聞社, p.240, 1986.

2008年4月24日 日本マグネティックス株式会社
服巻慶冶、渡邉隆司 共著
磁選機 棒磁石 リフマグ マグハンマ 選別機 マグネット応用機器の設計・製造・開発メーカー NMI 日本マグネティックス株式会社

6.永磁式と電磁式の比較 ―磁束密度だけでは比較でない―

2008年05月13日 15時41分55秒 | 服巻慶治社長コラム[粉体用電磁分離機]
6.永磁式と電磁式の比較 ―磁束密度だけでは比較でない―
 表3に、永磁式とNMI製の電磁式の比較表を示す。永磁式としては、棒磁石を一定ピッチで固定し多段にしたものが、広く使われているので、それを例に挙げた。
 NMI製電磁分離機の特長は、磁極面積の多くしている点にあり、さらにバイブレータを用いて粉体流れの改善しているところである。その結果、磁選効率はほとんどの粉体において高くなる。また、電磁式のため磁力のON・OFFが容易に行うことができるので、磁性粉排出もの自動化できる。このように、磁選機は磁束密度だけでは、比較ができないことがわかる。
磁選機 棒磁石 リフマグ マグハンマ 選別機 マグネット応用機器の設計・製造・開発メーカー NMI 日本マグネティックス株式会社

5.粉体専用に開発された電磁式分離機CG型

2008年05月13日 15時40分19秒 | 服巻慶治社長コラム[粉体用電磁分離機]
5.粉体専用に開発された電磁式分離機CG型
表2に、粒度による磁選機の適用範囲を示す。世の中で使われている磁選機の多くは、0.1-1mm前後の大きさのみに対応できる。それ以下の粒度になると、粒子間の付着だけではなく、磁選機への付着も増大するからである。よって、磁選機には、磁力の向上だけではなく、以下のものが求められる。磁選機への付着対策や、粉体の流動を妨げない工夫、高磁力箇所の増大。
上記のほかに、NMI社製のCG型は、発生磁束を、効率よく装置内部に集中させ、高磁束密度領域を作る構造となっていることを特長とし、磁気漏洩も無い。また、円筒状内部へ先端を鋭角にしたMagnetic Filtered-Screenを多層にして収め、それらに微振動を与えることにより、流動性の悪い微粉体を分散させつつ、通過させることができる。さらに、どうしても通過性の悪い微粒子の場合は、スクリーンを収めた円筒部をノッキングすることにより、原料の捲込みを防止する装置も取り付け可能である。なお、円筒部の内部を利用し、密閉構造となっているので、粉体の舞い上がりが全く無い。ロール型・ドラム型にみられるような吸着面への付着も全く無い。
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4-2.付着力の正体

2008年05月13日 15時34分37秒 | 服巻慶治社長コラム[粉体用電磁分離機]
4-2.付着力の正体
どうして粉体中の磁性体除去が難しいのかは、付着力の存在によるのであり、粉体の特性を含めて、説明しておく。
付着力、即ち粒子と粒子を相互に引きつけ合っている力は、数種類存在し、それらが複合的に作用する。その中で主なものは、図2および表1に示すように、分子間力・毛管力・静電気力の三つである。
「分子間力は分子相互に働く力で物質によって決まり、他の環境条件によってはほとんど影響されない。そして粒子径やその付着面の形状によっていろいろ変わるが、大体粒子間、あるいは粒子面間の距離の2乗から3乗に反比例する。つまり、近づくと非常に大きな力になるが、少し離れると急激に小さくなる近接力であるということになる。
毛管力は、粒子間の架橋水分がある限り距離に関係ないが、少なくとも水分を介して粒子が接触し得る距離にある必要がある。そして、この架橋液膜は、水分量が少ないほど付着力が大きく作用するという特性がある。もちろん、水分が無くなれば付着力は消える。
静電気力は充分荷電すると非常に大きな力になる。」[2]。
このように、粉体中に存在する磁性粉には、磁気吸引力以外の種々の力が働くため、除去することが難しいのである。
表1 粒子と粒子を引きつけ合う三つの力[2]
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4.粉体にはたらく力 4-1. 磁気吸引力

2008年05月13日 15時33分03秒 | 服巻慶治社長コラム[粉体用電磁分離機]
4.粉体にはたらく力
4-1. 磁気吸引力
ここで、粉体に作用する磁気吸引力について説明しておく。磁気吸引力Fmは次式のようになる。
但し、Fmは磁気吸引力[dyne]、dは粒子直径[cm]、ρは粒子密度[g/cm3]、xは粒子帯磁率[emu/g]、Hは磁場の強さ[Oe]、dH/dxは磁場勾配[Oe/cm]である(帯磁率については、表5参照)。

上式からわかるように、吸引力FGは粒子の直径の3乗に比例する。つまり、大きな鉄片類は吸引力が大きく、遠くからでも吸引分離することができ、一般的に非接触型と呼ばれる磁力選別機で回収することができる。粒径が小さくなると、接触型と呼ばれる磁力選別機でなければ、吸引分離が困難になる。
表5 帯磁率[3]
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3.捲込み現象

2008年05月13日 15時31分24秒 | 服巻慶治社長コラム[粉体用電磁分離機]
3.捲込み現象
磁性体粉の除去が、なぜ困難であるかというと、微小磁性体粉に磁力が作用し、磁石に吸着するとき、周囲の製品粒子を抱き込んで吸着する。破砕径が小さくなるほど、1個の磁性体粒子の回りに製品粒子が付着した状態で、磁石に吸着する。また、磁性体粒子の磁性が強いほど、磁性体粒子と磁石の間に製品粒子を挟みこむ。これらは、「捲込み現象」と呼ばれる。こうなると、磁石は磁性粒子や製品粒子に、すぐに覆われて、一定以上磁性粒子は吸着できなくなる。
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2.異物の発生

2008年05月13日 15時29分53秒 | 服巻慶治社長コラム[粉体用電磁分離機]
2.異物の発生
1μmや10μmまで物質を粉砕していくときに、我々は機械的に粉砕機によって粉砕していく。その粉砕機を構成する材質の大部分は鉄で出来ている。これが大きな問題点である。粉砕の過程で、どうしても摩耗が起こり微小な磁性体粉が異物として、粉砕物の中へ混入する。この磁性体粉を磁力、または他の方法で取り除くのは大変困難な作業である。
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電磁分離機を用いた粉体中の磁性体除去 1.はじめに

2008年05月13日 15時26分14秒 | 服巻慶治社長コラム[粉体用電磁分離機]
1.はじめに
1990年代から、粉体をあつかう現場では、粒径が非常に小さくなり、数ミクロンまで粉砕されるようになってきた。2000年代には、さらに小さくなり、ナノメートルのオーダーになってきた。「ナノ(nano)」とは、10-9を表す接頭語で、1ナノメートル(nm)は10億分の1メートルというサイズを表している。
私達の日常生活からかけ離れた世界であり、その大きさを想像することは困難である。図1に示す髪の毛(10μm)やバクテリアの大きさ(1μm)までが、私達の想像が及ぶ範囲である。
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