マレーシア マイセカンドホーム  -シニア世代の海外ロングステイ-

マレーシアにロングステイする”マレーシアマイセカンドホームプログラム”の情報と解説のブログ。最新更新 2017年4月

クアラルンプール圏で建設中の新しいMRT電車路線及びLRT電車の路線延長によって居住選択範囲が大いに広がる

2015年08月26日 | マレーシアの住居知識と情報

公共交通網の中で、確実さと快適さはバスよりもやはり電車です。ですから電車の線路があるということは、日本人なら誰でもその便利さは経験上ご存知ですよね。
従って、クアラルンプール圏に居住することを考慮中の方、これから考えてみようという方は、電車網の路線地図をよくご覧になって、居住計画に取り入れてください。

なおクアラルンプール圏とは、クアラルンプールを核とした広域を指します、具体的にはクアラルンプールを取り巻く形で位置するスランゴール州のかなりの行政地方(自治体)も含む。下記で説明する電車網はモノレール以外は全てスランゴール州まで路線が伸びている。

当ブログは時々強調しているように、 ”マスコミや業者が創り出している海外ロングステイのイメイージにこだわらない人、捉われたくない人 を応援します”。従ってマスコミや業者が取り上げている地区である、地区でないといったことは、当ブログの一切関知するところではありません。

マレーシアに住んでも常時自家用車を運転する、電車やバスを使うつもりは全くないという方は、(当ブログではなく)当記事の対象から外れることになります。ただそういう方でも、配偶者の方にも免許と自動車がない限り、いざ1人行動というときに動きが取れないということになりかねませんから、今回の記事はある程度は関係あるはずです。

さてクアラルンプール圏の電車に関しては2012年8月9月に2つの記事を掲載しました。
『クアラルンプール圏で住宅を求める場合、電車網の知識を持っておきましょう』 の前編と後編です。基礎知識と基本情報として、あらかじめぜひ目を通しておいてください。 カテゴリー欄の 『マレーシアの住居知識と情報』 にあります。

その中で、LRT高架電車の路線延長プロジェクトと新電車MRT路線の建設プロジェクトに触れました。その記事を掲載した当時から4年以上経ち、両プロジェクトはかなり進捗しています。つまり竣工が見えてきました。

今回の記事では、LRTの路線延長及び新電車MRT路線が運行されることを見据えた視点で、クアラルンプール圏での住居選択の幅が大いに広がるということをお伝えします。

【現行の電車路線】

まず現在運行されている電車路線を再紹介しておきます。下のKL圏電車路線図をご覧ください。 追記: 2015年10月31日に、路線図を最新のものに入れ替えました。
クアラルンプール圏には3種類の電車路線がある

  • LRT 高架電車: Ampamng/Sri Petaling 路線と KelanaJaya 路線 の2路線
  • KTMモノレール: クアラルンプール中心部で運行
  • KTM Kmuter電車: 一部区間が重なった2つの路線がある、Seremban路線と Port Klang路線。


モノレールはクアラルンプール中心部だけを走行するので、クアラルンプール周縁部や近郊に居住する場合は直接にはあまり関係ない。乗り継ぐという意味では関係あります。

LRT電車は車輛がやや小型の電車です。1990年代後期から運行されている。運行会社の名称を取って Rapid KLの LRT という通称です。KelanaJaya 路線ではクアラルンプール中心部の走行区間だけは地下鉄線路であり、他は全て高架線路です。

KTM Komuter電車は、マレー鉄道KTMが1990年中期から運行を始めた近郊電車です。近郊町からクアラルンプール内を通ってまた別の近郊町へ線路が伸びている。
これら電車路線の多くが KL Sentral 駅という総合交通ハブ駅を経由するかまたは起点にしている。

【LRT 路線延長プロジェクト】
以前の当ブログ記事の中から再録します。
【高架鉄道LRT は路線延長プロジェクトが進行中】- 2012年3月6日付け
クアラルンプール及び近郊都市に乗り入れている高架鉄道 LRTでは路線延長プロジェクトが進行しています。
LRTの路線が35km延長されるこのプロジェクトでは、Ampang 路線では10の駅を増設、Kelana Jaya 路線では12の駅を増設します。これによって現在1日の利用者数30万人に 50万人が加わることになる予定です。

と書きました。このプロジェクトは2015年半ば時点でかなり進捗しています。2015年10月末に延長路線の一部区間が開通しました。Sri Petaling/Ampang 路線の延長部分と KelanaJaya 路線の延長部分が、最終的に Putra Heightsという新設駅でつながるのは2016年6月の予定。要するに、LRT路線がかなり変形したループ型になります。

2016年7月初め追記: 【 LRT 電車の路線延長区間が全面オープンした】 -  「マレーシアの新聞の記事から」を再録
クアラルンプール圏の LRT電車網の路線延長プロジェクト (LET)が完成して、延長路線の残り区間(16か所の駅)が2016年6月30日にオープンしました。LRT路線延長プロジェクトは総額 RM 70億、期間5年超を要しました。

この結果、Kelana Jaya 路線と Sri Petaling 路線が 新設の Putra Heights 駅でつながり、ループの形状になった。 
LRT電車網の駅総数 72、 KTM Komuter, KL Monorail など 他の電車路線と乗り換えができる乗換駅の数 12か所 
・Kelana Jaya 路線の延長部分 17.4㎞、 新設駅数 12、 
・Sri Petaling 路線の延長部分 17.7㎞、 新設駅数 11( ただし8つの駅の区間は既に2016年3月末に開通していた)、

今回開通した Kelana Jaya 路線の延長区間では Subang Jaya 駅で Komuter と乗り換えができ、USJ 7 駅で Sunway BRT と乗り換えできる。

LRT 電車の始発は 06時頃であり、終車は 23時半ごろです。ただし週末は終電車の発車は幾分早まる。
LRT 電車網における運賃は 最低で RM 0.80、 最高で RM 11.20 になります。 (日本の Suica のようなプリペードカードである) myrapid カードを使えば多少割引になる。

LRT 電車網を 運行するRapid KL の親会社である公企業の Prasarana Malaysia Berhad は、延長区間の全面開通によって LRT電車網の1日の利用者数が 30万人に増えるであろうと予測しています。 以上が追記分

LRTの2つの路線がどのように延長されるかの確認方法: 

a. 入れ替えた上の路線図をクリックしてダウンロードしてから、拡大すると細かな点がわかるようになります。

b. または、監督機関のSPAD(陸上公共交通庁)が提供している Klang Vallery Rail Transit Map(クアラルンプール圏電車路線図) をクリックしてください。すると別ページで開きますので、延長部分が確認できます。 手順: 開いたページの地図部分を左クリックする。すると小さな窓が現れるのでその右下にある拡大記号をクリックする。路線図が画面一杯の大きさになるので、延長路線部が容易にわかる。

【新電車路線建設プロジェクト MRTスンガイブロ - カジャン路線】

クアラルンプール圏では全く新しい電車路線の建設工事が進行中です。
この新電車路線は MRT Sungai Buloh - Kajang (スンガイブロ-カジャン)路線という名称で呼ばれており、2012年頃建設プロジェクトが始まった。現時点で公式に表明されている、竣工して営業開始は2017年半ばです。

MRTスンガイブロ - カジャン路線はこれまで全く電車路線のない地区に敷かれる電車路線です。線路が敷かれるのは、住民人口の多いまたは人気ある住商業地区が多い。その社会的影響及び経済効果は相当なものが見込まれている。

プロジェクトを主導する公資本の会社である MRT Corp の発行物を参照:

  • MRT は4輌編成で乗客定員数1200人。
  • 設計と主要製造元は Simens AG ですが、少なからずの車輛パーツがマレーシアで製造され、全ての車輛がマレーシアに建設した専用組立工場で組み立てられる。


路線図を掲げます。源資料である MRT Corp発行の路線図がスキャナーの横幅以上に横長です。そこで1枚の路線図にしてスキャンできませんが、2枚図に分かれたことで何とか駅名が確認できると思います。





この路線図に示された駅名に注目して、住居候補地を検討する際の参考にしてください。
次に2015年7月中旬に、マレーシアの新聞に載った記事を紹介します。

【新しい電車路線 MRTプロジェクトの進行状況】
クアラルンプール圏の新しい電車路線を MRT と呼ぶ。現在建設中なのが第1路線の Sungai Buloh -Kajang 路線です。 第2路線の Sungai Buloh - Serdang - Putrajaya 路線は路線引きがほぼ決まり市民からの意見を広聴している段階、工事開始は未だ先です。

第1路線の Sungai Buloh -Kajang 路線では地下路線 9.5㎞があり、この地下工事費は RM 83億になる見込みです。総工費はRM 230億になる見込み。
第2路線の Sungai Buloh - Serdang - Putrajaya 路線では地下路線 13.5㎞があり、その工事費を RM 110億と予定している。総工費はRM 230億になる見込み。総工費はRM 280億になる計画です。

MRTプロジェクトを進める公社 MRT Corp の最高経営責任者は語る、「第3路線は環状線であり恐らく地下路線が大部分になるが、はっきりしたことは未だわからない。我々は第2路線の起工式を2016年早期に行うことと、第1路線の竣工を計画通りに進めることに力を注いでいるからです。」

「第2路線において元請企業を決定する事前審査過程を現在進めているところです。」 「今年12月頃には元請け企業を決める作業を始めることになる。」

「第1路線の Sungai Buloh -Kajang 路線では、最初の開通区間である Sungai Buloh駅 - Semantan駅で予定通り2016年12月に運行を始めたい。」 「地下路線部分の進捗率は現時点で 79%です。第1路線全体の進捗率は現時点で 65%です。遅くとも 2017年7月には全線開通するとの計画を達成することはできるでしょう。」
以上

当ブログのこの記事では 第1路線である Sungai Buloh -Kajang 路線だけを対象にしています。第2路線が現実となるのは2020年以降のことだからです。

MRT Sungai Buloh -Kajang 路線の建設進行の様子は市民にも容易に目に入ります。クアラルンプール圏の対象地区の多くの場所で既に高架が完成しており、いくつもの駅が建設中です。ほぼ2年後にはこの電車路線が開通するであろうことが期待できます。


【現在建設が進んでいる新しい電車の路線沿いの住宅地を住居探しの選択に加える】

マレーシアマイセカンドホームプログラムに参加して、クアラルンプール圏に居住をお考えの方は、現行の各電車路線沿いに加えて、MRT路線沿いまたは LRT延長路線沿いにある住宅地区、高層であれ土地付き住宅であれ、を選択肢に入れた方がいいですよと、Intraasia は当ブログ読者の方々にお勧めします。

上で掲げた路線図では地区名が小さすぎて見えないので、PDF版もアップロードしておきました。該当部分をクリックするとPDFファイルが開きます。Adobeのアクロバットリーダーなど無料で得られる PDF閲覧ソフトを使えば拡大できますので、細かな字も読めます。

(観光地図ではない)詳しいクアラルンプール圏地図を使えば、MRT新電車路線やLRT延長路線の通る地区名を見つけることができます。もちろん Googleマップも大いに有用です、ただしそのマレーシア地図部分は最新の状況になっていないことが普通です。Googleマップに住宅やコンドミニアムが載っていないからその地区は未発展だ、と早合点しないでください。

PDFファイルの保存と閲覧方法

  1.  PDFファイルをそれぞれクリックして開く: Sungai Buloh -Kajang 路線図左側、 Sungai Buloh -Kajang 路線図右側
  2.  その2つのファイルをご自分のパソコンに保存する
  3.  PDFファイル閲覧ソフトで保存したファイルを開き、回転、拡大などを施して見やすい形にして閲覧する

 

当サイトを参考にして、マレーシアを訪れた際に実際に街に出かけてみてください。街を歩いていると、ほとんどできあがった高架が目に入り、時に駅が建設中のこともあるでしょう。 その近辺にコンドミニアムがあるかもしれません。読者の方々の今後の住居候補探しに是非ここに載せた情報をお役立てください。

 



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。