今週の法話

法華宗北海寺住職-二王院観成による仏教用語と法話集です。毎週水曜日に更新いたします。

福島原発、汚染水はなぜ増えるのか?

2012-08-27 06:00:52 | 幸福の追求

福島第一原発の汚染水はなぜ増えるのか、というテレビ報道が五月にあっ

た。その原因として地下水が建屋内に流入しているのが原因だ、と東電は

主張している。しかし、その説明には大いなる疑問がある。その理由は、建

屋外から地下水が流入しているとすれば、汚染されていない地下水だけを

海に放出することができるはずである。極めて簡単な作業ですむはずであ

る。それができないとすれば、理由は2つ考えられる。

 一つは、地震と水素爆発の影響で、核燃料棒とメルトダウンした塊を冷

却することが有効にできない状態だからではなかろうか。圧力容器は勿論

のこと、格納容器に接続されている配管部分などが破壊されている可能性

があるのではなか、ということである。したがって、毎日注水しなければ

ならないからではないか、という疑問である。その冷却装置も破壊されて

いるため、建屋全体で冷却せざるを得ない状態にあるのではなかろうか。

すなわち、ザルに水の状態が現在も続いている、ということを意味してい

るのではないか、という疑問である。

 二つ目の疑問は、メルトダウンした核燃料の塊が格納容器も貫通してい

るのではないか、という疑問である。さらには、建屋の底も貫通している

のではないかと心配している。この場合も、毎日注水する必要がある。も

しも、これが事実であるとすれば、海にも多少はシミ出ることになる。そ

うすれば、海への影響も無視できなくなる。

 いずれにしても、東電の説明には説得力はない。信用できるのかどうか

も疑問である。

 また、ストロンチュームが検出されたことを1年3ヶ月東電は隠し続け

ていたと報じられている。一方、ストロンチュームを抽出する方法が開発

されたと報じられているが、しかし、それで何ら解決されたことにはなら

ない。最終的にそれをどう、どこに、どんな方法で処分すれば安全なのか、

という点にかんして何ら解決されていないからである。

 一度、原発事故が発生すれば、国土と人間に与える悪影響は極めて大き

い。国民として、もっと真剣に観察する努力が必要ではなかろうか。原発

は、30年といわず、即刻廃止すべきである。


米の大干ばつは典型的な予兆現象!

2012-08-24 11:56:53 | 環境

 ミシシッピー川はミネソタ州に始まり、メキシコ湾に注ぐ全長3779km

で、流域には10の州がある。昨年は記録的な増水を続け、6州で洪水

被害を出している。ところが今年は一転して水量が5mも低くなっている

所もあるとテレビ報道されている。同時に大干ばつでトウモロコシが立ち

枯れし、農地が干上がっている映像も報じられている。NOAAによると、

米の中西部の地面の温度が最大記録を示し、土壌の湿度はほとんどな

い、とも報じられている。雨が降らないからである。このため、農作物が

大打撃を受けている。特に、ミネソタ、アイオワ、インディアナ、ウィスコン

シン、オハイオ、カンザス、ミシガン、ミズリー、ネブラスカ、ノース・ダコタ、

サウス・ダコタ、の中西部地方の被害が大きい。米国はコーン、大豆、

小麦の最大輸出国である。今後、世界の食料事情に与える影響の予測

さえできない状況だと、いわれている。

 この米の大干ばつは、温暖化による典型的な現象である。今後、時には

大雨、時には大干ばつ、という現象は世界的な規模に波及するはずであ

る。恐らく2050年頃になると、さらなる大干ばつが人類の食物を奪う深刻

な事態となるのを疑う余地がない。

 これらによる結論は、各国ともに他国に食料を輸出するだけの余裕がな

くなる時代が遠からずくることを意味している。すなわち、各国ともに、食料

を自給自足しなければ、何も食べられなくことを意味している。工業製品を

輸出して得た金で、食料輸入するから大丈夫だ、という話は、今だけに通

ずるものである。将来をしっかりと見据えなければ、日本民族は自滅するだ

ろう。

 将来的には、地底栽培、屋内栽培、トンネル内栽培などが農業の主流と

なるであろう。 


友好妨げる韓国大統領発言 !

2012-08-18 06:32:43 | 戦争と平和

 李明博韓国大統領は14日、日本の天皇が韓国を訪問したいなら、

「独立運動家への謝罪」をするべきだ、という発言の趣旨である。

戦争被害者の怨念のすごさを感じざるを得ない。しかし、大統領の

発言には矛盾点がある。そもそも李大統領が2008年に来日した時、

天皇に訪韓してくれるように要請したのは自分自身である。

 また、韓国や中国に侵略したのは、天皇の意思ではなく、軍部の独

断専攻というのが、日本国民の大多数の判断である。昭和天皇は侵

略や戦争に反対だった、というのは定説となっている。昭和天皇は平

和主義者だったのである。

 韓国から見れば、すべて天皇の責任であるかのように判断するのは

当然かも知れない。事実、法的にはそうなっていた。しかし、実態は天

皇といえども戦争などに反対できない国内体制になっていたのである。

反対すれば、天皇自身の生命の危険性があったといわざるを得ない

状況だった。

 ましてや、現在の平成天皇には、一切の戦争責任はない。むしろ、

現在の為政者を責めるべきであろう。責める相手を間違えると、日韓

の友好の大いなる妨げとなるだけである。

 戦争被害者としての韓国大統領の発言は理解できないわけではな

い。しかし、寝た子を起こすようなことは避けるべきだと考える。