今週の法話

法華宗北海寺住職-二王院観成による仏教用語と法話集です。毎週水曜日に更新いたします。

人類に残された時間?

2017-06-22 17:40:35 | 幸福の追求

   古来、人類は自然のエネルギー等を全活用して生きてきた。たとえば風を利用する帆船、牛馬を利用した農耕、早さを誇る馬の利用、人間や物資を運ぶ馬車や牛車、通信手段としてのハト利用、蝋燭や油を使った照明等が代表例である。一方、悪しき例としては、戦争に使う刀、弓矢、毒矢、石の大砲等がある。いずれにしても、環境破壊に繋がることはなかった。

 これらを変えたのが世界の産業革命である。約200年前のことである。帆船から蒸気船へ、刀から鉄砲や大砲へ、牛馬から自動車や鉄道へ、ハトから飛行機へ、蝋燭から電気へと変わった。中でも鉄砲の発明と利用は日本の戦国時代にまで逆のぼる。

 この産業革命は、庶民の生活効用にも利用されて今日にいたっているが、戦争の副産物として発達してきたといってもむ過言ではない。言い換えれば、人間生活の利便としてよりも、戦争手段の効率化のために科学が発達したのである。

この産業革命は人類の生活を便利にすると同時に、大量の炭酸ガス(二酸化炭素)を排出することになって、人類の未来を自ら閉ざす結果にもなりつつある。環境は破壊され、自然災害は悪化し、激化し続けている。さらに凶暴化するのは誰の目にも明らかである。産業革命は、あたかもアダムとイブが禁断の木の実を口にしたのと同じ一面があることを少し前まで人類は知らなかった。

しかし、人類が生き残る可能性はある。すくなくともゼロではない。これには概略2説あ

る。一つは、現況を変革して生き延びるという延命論であり、二つには、地底都市や他の惑星への移住説である。対比してみよう。

第一の現状変革説であるが、レスター・ブラウン著「地球に残された時間 ―80億人を希望に導く最終処方箋― 」(枝廣淳子/中小路佳代子訳・ダイヤモンド社)に上手にまとめられているので、代表的な人類延命論として紹介したい。ブラウン氏は、1934年、米国生まれ。「ワールド・ウオッチ研究所」を立ち上げ、「地球白書」と「地球環境データブック」を毎年刊行し、環境問題のバイブルと世界中の人々から高く評価された。同氏に対し敬意を

表する次第である。

 同書の中で同氏は「いまや私たちの未来にとっての脅威は、武装攻撃ではなく、気候変動や人口増加であり、水不足や貧困、食料価格の高騰、そして破綻しつつある国家なのだ」、と指摘しつつ、人類の延命は可能だとして次の4点を提唱している。これはアース・ポリシー研究所が「プランB」と称する延命策でもある。

    世界の二酸化炭素の排出量を削減すること。

    世界人口を80億人以下で安定させること。

    貧困を根絶すること。

    森林、土壌、帯水層、漁場を回復させること。

を提唱している。次回以降の本欄で、一つひとつ検証してみたい。

ジャンル:
ウェブログ
コメント   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« パリ協定と地球劣化否認の無... | トップ | 人類に残された時間? (2) »
最近の画像もっと見る

コメントを投稿


コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。

あわせて読む

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL