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バティニョールおじさん (2002/フランス)

2005年07月10日 | 映画感想は行
MONSIEUR BATIGNOLE
監督: ジェラール・ジュニョ
出演: ジェラール・ジュニョ    エドモン・バティニョール
    ジュール・シトリュク    シモン

 1942年、ナチス占領下のパリ。肉屋のバティニョールは、ナチス協力者の娘の恋人が隣家のユダヤ人、バーンスタイン医師を密告し、自らも意図せずにナチスに協力してしまう。そしてバーンスタインの家をはじめとして、ユダヤ人の没収財産で潤ってしまうバティニョール。ある晩、バティニョールのもとに連行先から一人逃げてきたバーンスタイン家の12歳の息子シモンが現われる。

 特に良くも悪くもない、困難な時代に出切れば自分の周りは平穏に、と願っている一般人が積極的に勇気を持って生きようとするとき、彼は英雄になっていたというお話。大袈裟で気がひけるが、落ち込んでいる時にはこういう映画が薬になる。

 フランスがナチスに占領されていた時代は長かった。その時代に、ナチスに抵抗した人、協力した人、そして自分の生活を守ろうとした人、フランス人も一様ではない。たとえばアメリカ映画「大列車作戦」と比べてもフランス人の描き方の違いには驚く。バティニョールは、ともかく自分は面倒なことに関わらずに生きたいと思っている。ナチスに特に抵抗もしないが、積極的に弾圧に参加もしたくない。しかし、娘の恋人に便宜を図られればそれを断り通すこともしない。そしてその娘はナチス協力者の恋人に嫌悪は感じても、便利さを手放す気はなく、妻は目の前においしい話があれば乗らないのは馬鹿だと思っている。
 誰もが、連行されたユダヤ人のその後なんて考えない。考えたくないから考えない。知らないでいれば責任はない?
 しかし「その後」を考えてしまったバティニョールは、それまで必死に守ってきた彼の生活を壊す。

 その原因となった男の子が、典型的なインテリ家庭の子どもで、生活の違いが労働者階級のおじさんとモロにぶつかる。お互いに「なんてこった…!」と思いあってることもわかる。それでお互いに助け合ったりしている。シモン役の子の結構生意気な、やなガキが実にうまい。終盤で田舎の子どもが出てくるけれど、見てくれからして生活がきっちり反映されてる。
 そして、親と別れた子どもたちにとって、自分たちの傍にいることを選んだバティニョールの選択の重みはどれほどのものだったろう。先日の「ピエロの赤い鼻」のほうが大泣きしてしまったが、これは美しい画面とユーモアに、やはり人間がそれぞれ自分の生き方を決定するというメッセージを感じさせられた。
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2 コメント

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TBさせていただきました♪ (メル)
2005-10-07 23:26:13
私も「ピエロの赤い鼻」の方がかなり来ました^^が、これも結構気に入った映画になりました♪

そうそう、おっしゃるとおり、シモンの方がおじさんよりも賢いかも・・な~んて思わせてくれる場面もありましたよね^^生意気でちょっと頭も良くて・・と子憎たらしい?子供を上手く演じてたな、と思いました。
ありがとうございました (ningyo)
2005-10-08 16:46:31
ユダヤ人問題には当たらずさわらずで、

見ない振りで暮らしていたおじさんが

子どもの運命が気にかかる一心で

とうとうユダヤ人の代弁をするほどになるのが自然で

当時のフランスの、いろいろな立場の人たちの見せ方も巧いと思いました。

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バティニョールおじさん (シネマ日記)
「コーラス」の先生役のジェラールジュニョが脚本、監督、主演をした作品。彼はフランスでは超有名な一時代を築いたコメディアンらしく、彼を含むコメディアン集団が作った流行言葉なんかもたくさんある、とこないだ日本に遊びに来ていたワタクシの友人Florent君が言っていた
バティニョールおじさん (映画チラシ館)
2002年 103分 監督 ジェラール・ジュニョ 出演者 ジェラール・ジュニョ、ジュール・シトリュク、ミシェル・ガルシア 1942年のナチス占領下のパリ。 肉屋を営むバティニョールは、ナチス支持者の娘婿が隣家のユダヤ人、バーンスタイン一家を密告したことから
『バティニョールおじさん』 (み 映画&ビデオ・DVD 記録)
2002年/仏原題:Monsieur Batignole製作:ドミニク・ファルジア/オリヴィエ・グラニエ/ジェラール・ジュニョ監督:ジェラール・ジュニョ脚本:ジェラール・ジュニョ/フィリップ・ロペス・キュルヴァル撮影:ジェラール・シモン美術:ジャン・ルイ・ポヴェダ音楽:カリル
「バティニョールおじさん」 (心の栄養♪映画と英語のジョーク)
バティニョールおじさんパンドこのアイテムの詳細を見る 1942年、 ナチス占領下のパリ。 肉屋を営むエドモン・バティニョールはパッとしない普通の男だ。 口うるさい妻と世渡り上手な娘、 ドイツ軍へ協力する娘婿にも できるだけ無関心を装っていた。そんなある日、 隣に住
バティニョールおじさん (cinema note+)
2002年 仏 原題 Mo
バティニョールおじさん (映画君の毎日)
パンド バティニョールおじさん ドイツ軍占領下のパリでユダヤ人迫害の下、 普通の肉屋のおじさんがユダヤ人の子供を助ける話。 日本にだっていそうな普通のおっちゃんが、 決して名声や栄光の為でなく自分の気持ちで、 子供達を助けてあげようとする。
(今日の映画) バティニョールおじさん (Kozmic Blues by TM)
バティニョールおじさん(2002) Monsieur Batignole
『バティニョールおじさん』 (Mon plaisir ☆)
バティニョールおじさんパンドこのアイテムの詳細を見る この映画は、私が行きそびれた2002年の横浜フランス映画祭でも上映されました。 私は、友達に当選ハガキを譲り受けて、試写会で観ました☆ 出演:(後々考えるとすごいメンバーでした♪) 監督・製作・脚本・主演は