虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

バベル(2006/アメリカ)

2008年02月01日 | 映画感想は行
BABEL
監督: アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
出演: ブラッド・ピット    リチャード
   ケイト・ブランシェット   スーザン
   ガエル・ガルシア・ベルナル   サンチャゴ
   役所広司    ヤスジロー
   菊地凛子    チエコ
   二階堂智    ケンジ
   アドリアナ・バラーザ   アメリア

 モロッコへ観光にやってきたアメリカ人のスーザンを傷つけた銃弾。夫リチャードは血まみれの妻を抱え、医者を探し回る。夫妻がアメリカに残してきた幼い子供たちの面倒をみるメキシコ人の乳母アメリア。息子の結婚式に出るため帰郷する予定が、夫妻が戻らず途方に暮れる。日本では聾唖の女子高校生チエコが、苛立ちを抱えている。

 前評判ほどの大作という感じはしませんでしたが、いい映画だと思います。
 バベル、という言葉で示される意思疎通のことでもあるけれど、それ以前のもっと根源的な、人間が他を求めずにいられない孤独と、それなのに自分の排他意識を投影してしまうことの相克を感じさせます。
 結局のところ、バベルとは銘打ってあるのに言葉は決定的なものではまるでなくて、ただ目の前の相手の傷ついた心に寄せる気持ちが何かを動かしていく。とはいえ人の心の傷なんて簡単にどうにかなるものではなく、この世は取り返しのつかないことだらけ。

 菊地凛子さんのすさみ方、ヌードもきれいよりただの裸と感じるのもリアルです。私の知ってる高校生はもうちょっと幼さを感じるのばかりで、その点は私的に「?」ではありましたが、実にチエコの行動自体を納得させられました。


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