虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

マザー・テレサ (2003/イタリア、イギリス)

2006年06月08日 | 映画感想ま行
MADRE TERESA
監督: ファブリツィオ・コスタ
出演: オリヴィア・ハッセー    マザー・テレサ
    セバスチャーノ・ソマ    セラーノ神父
    ミハエル・メンドル    エクセム神父
    ラウラ・モランテ    マザー・ドゥ・スナークル

 インドの貧しい人々のため生涯を捧げ、ノーベル平和賞を受賞した修道女マザー・テレサの伝記の映画化。

 映画としては駆け足ながらも押さえる所は押さえ、マザー・テレサのしたことをきちんと見せてくれて、偉大な人間に触れ素直に感動させてくれました。
 オリビア・ハッセーは考えてみると他には3本しか見ておりません。「ロミオとジュリエット」「失われた地平線」「復活の日」 あ、それから「ナイル殺人事件」にも出ていたっけ。私は、「ロミオとジュリエット」を見て、ムチムチのジュリエットだなあ…という感想だったので公開当時の人気のほどはよくわかりませんが、清潔感のあるきれいな人ですから、修道女スタイルはぴったりですし、年取ってからの姿も確かにマザー・テレサによく似ていたと思いました。

 それにしても、マザー・テレサというのは最強の女性です。ちょっと不謹慎な言い方ではありますが、ゆるぎなき信念に高潔にして完全な無私の精神には、誰も太刀打ちできません。おまけにどんな形でも権力(組織があれば望まなくても自然発生してしまう…だって指揮系統にもれなくついてきちゃうから)を忌避するという徹底振り。つい最近見た「ダ・ヴィンチ・コード」でカトリックの過去の暗部がつつかれていたばかりで、つい考えますが、マザー・テレサのような人を生み出すのは信仰の持つ本来の姿なのでしょう。
 井上ひさしの孤児院時代について書いたものにも、その孤児院で働くカトリックの修道士たちが自分たちの食べ物着るものを削り、泥だらけになって畑仕事をして日本の子どもたちを養う姿が描かれています。井上ひさし氏も「神よりもその修道士の姿を信じた」という意味のことを書いていたと記憶しています。より高きもの、より尊き生き方を目指す力の源となる…宗教、信仰などあまり我が事として切実には考えられない状況に私はいます。気楽ではありますが、こういうところだけはうらやましいようにも思います。


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4 コメント

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ningyoさんも・・・。 (satoshi)
2006-06-08 23:43:15
見られたんですね。

ningyoさんが見られたのも116分版ですよね。

かなりの駆け足は、これが元は184分のTVドラマで編集されているからでしょうね。

でもかなり上手く編集してましたよね。



オリビアは公開当時、日本では絶大なる人気で、スター人気投票などでもオードリーを蹴散らしていたくらいですよ。

「サマータイム・キラー」「暗闇にベルが鳴る」もかなり前に見ていますが、「失われた地平線」はまた見たいです。
熱意 (ningyo)
2006-06-09 22:35:26
主役のオリビア・ハッセーの熱意が伝わりました。

日本でオードリーを蹴散らしたというのは

すごい人気だったのですね。
権力 (kimion20002000)
2006-06-24 01:30:43
TBありがとう。

徹底して、自分の判断で、物事を進めますね。組織は、本当は信じていないところがありますね。

自分と同じように献身的な仲間さえいればいいんだという考えかたであり、凡百のヒューマニズム論とは、一線を画していますね。
TBコメントありがとうございます (ningyo)
2006-06-24 21:44:18
本当に、求めるものが私のような凡人とはまったく別のところにある方でした。

誰しもそのような気高いものへの憧れはあるのでしょうが、徹底できる人間はそうはいません。

本当に素晴らしい方でした。