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伝説の兄弟

2016-10-19 12:41:08 | 演劇・戯曲・音楽・映画・美術
映画 『LEGEND』~レジェンド 狂気の美学~


一応、文句言います。
狂気の美学って?なんなんでしょ??
映画を見たら、そんなことどこに?って思うのだが。
見た人は、そういうことを思うかもしれないが、タイトルで出すとは・・・
あぁ、邦題考えた方が、そう感じたのか?
う~ん、私はそう感じなかったので、邦題の「狂気の~」に違和感です。

60年代の英国ロンドンに実在した、ギャングのボス、クレイ兄弟の物語です。
彼らのことは、まぁ犯罪者モノの書籍には、殆ど掲載されていますね。
よく「切り裂きジャックと並ぶ」程の知名度&人気、と言われています。
確かに・・・私も、それは分かるナァ、と思っています。
なぜか?それは・・・やはり双子、だからでしょうかねぇ。

書籍に掲載されているクレイ兄弟の写真を、何度か見たことがあります。
当然、探せばネットでも溢れているでしょうネェ。
御覧になったら、分かります・・・似ています・・・当然だが(笑)
身長が異なりますが・・・まぁここまでマニアじゃないので、気にしなくても(笑)

この映画は、ドキュメンタリー性を重んじてはいるものの
やはり娯楽作品には違いなく・・・良質のね。

1960年代のロンドン・イーストエンド。
幼い頃から、乱暴な双子と知られていたクレイ兄弟。
レジー(レジナルド)とロン(ロナルド)
ボクシングを習い、それをスポーツではなく
路上で気に食わない奴をぶちのめす為に、活用した。
話し合いも解決法も、何もかも腕っ節の強さで解決する。

しかし、街のチンピラで終るつもりは無い。
あるビリヤード場を拠点とし、ギャング集団を形成。
ダンス・ホールやパブを襲撃し、恐怖を植えつけていく。
そして、地元の店を「守る」という名目で、金を要求する。
しかし、ロニーはある事件で、懲役刑を言い渡される。
その後、釈放されるが、その頃には・・・
精神の不安定さが逼迫しており、文字通りロニーは恐怖の存在になっていた。

その一方でレジーは、クラブ経営に乗り出し、成功を収めていた。
そして、自分の世界を広げる為に、
他者と交流することを重視し始めていた。
もう兄弟で暴れまわる時代ではない。
他者を使用し、また利用され、騙し騙され・・・
こうやって、自分の勢力を着実に広げていっていた。

映画は、こういう背景から始まります。
クレイ兄弟を演じるのは、今大人気のトム・ハーディ。
ひとり二役です。レジーとロニー、どちらも演じます。
一卵性双子なので、ひとりで演じてもOK。
でも、ちゃんと違いが分かるのですよ・・・ロニーはメガネさんなので。

ハーディ自身も、演じ分けているようですね。
って、私が勝手に思っているのですが。
レジーの時には、人に話したり、話を聞くときに、目を細めている。
ロニーの時には、目を大きく見開いている。
ロニーは、メガネなので、その奥で目を見開いているので・・・
メガネの作用で、すごく大きく見開いているように見える。
コレが、結構怖くてね・・・
台詞が優しそうだろうが、脅していようが、目が見開いているので
言葉の真意が全く不透明で・・・余計怖い・・・
ヘビが、目を見開いているようで・・・これ、効果あったと思います。

口調も違いますがね。
ロニーは、ちょっとゆっくりめ・・・だから余計不気味・・・

物語は、ある女性の案内の声で流れていきます。
フランシス・・・レジーの恋人であり妻になった女性。
そして、孤独から薬物に陥って、自殺した女性・・・
彼女が、物語を語っていきます。

と、あら~レジーとの恋愛メインか?
と、最初、ウ=ン、と思いましたが・・・まぁ、恋愛もありますが
別に甘甘でもなくて・・・一安心(笑)
あくまでも、物語は双子、そしてレジーを見せています。

レジーのやり方に不満を持つロニー。
ロニーの考え行動はシンプルに尽きる。
気に入らなきゃ、殴り飛ばせばいい。
それでも黙らないのなら・・・殺せばいい。

ロニーの方法では、全てがぶち壊しになると分かっているレジー。
しかし、ロニーを切り捨てる、という選択はあり得ない。
ふたりは一緒だ。一緒に生まれてきたのだから。

ライバルもいなくなり、順調に見えてきた兄弟の勢力。
しかし、ロニーは、
自分の同性愛嗜好について侮辱的言葉を発した
ライバル勢力の生き残りを、文字通り「頭をぶち抜い」て殺してしまった。
その後始末に奔走するレジー。
目撃者のバーの女性スタッフを脅し、黙らせて・・・

自分が登ろうとすると、後ろから引っ張るロニー。
レジーの苛立ちが、段々増してくる。
そして結婚したフランシス・・・彼女が癒しの相手だったのに。
レジーの不在による寂しさの中で、ひとり孤独なフランシス。
実家の母親とは、ギャングとの結婚で断絶してしまっている。

フランシスは、薬物に孤独を癒してもらおうと・・・
そんなフランシスさえも、疎ましくなってくるレジー。

周囲は、レジーに進言する。
ロニーを、ロニーさえ切ってしまえば・・・全てが順風になるのだと。
自分の邪魔ばかりするロニー。

映画では、後半になって出て来ましたが・・・クレイ兄弟の母親です。
この兄弟、母親を崇拝していたという話が、必ず出てきます。
そして、母親も息子達が、自慢で・・・

母親の家で、くつろぐロニー。
「ママの作ったクッキー、おいしい!」
「ママの淹れてくれたお茶、サイコー!」
・・・・てな台詞はありませんが、こんな感じですね。
デカイ身体を、ちんまりした椅子に納めて、お茶を楽しむロニー。
母親も、ニコニコだ。

そこにやって来るレジー。
ロニーに一言言いたい!しかし・・・言えない・・・母親の前では。
母親は、しっかり分かっている。
兄弟の関係。レジーの心情。
それでも、母親はレジーに釘を刺す。
「兄弟は、助け合わねば」と。
厄介なロニーを、ちゃんと厄介だと分かっている。
その上で・・・レジーに面倒を見ろという母親。
・・・・・この母親も・・・・さすがこの兄弟の母親だわ~って。

ロニーを切れない。兄弟だから。
でも、自分だから、なんだろうなぁ、と私は思いました。
ここが、双子、ということが効いてくる、と。
ロニーを見ると、自分が見える。
ロニーの言動は、自分の言動になってくる。
ロニーを切ることは、自分を切ること。
それは・・・・そんなに簡単なことではない・・・

その葛藤がね、巧く出されていたかと思いました。
私は、この映画から、そういう印象を受けました。

フランシスとの溝が深くなってくる。
決定的な出来事が。それでも、反省し修復しようと懇願するレジー。
しかし、フランシスは死を選んでしまう。

その痛手に耐えられないレジー。
そこに、ロニーの無鉄砲さが、拍車を掛ける・・・

ここからは、映画のストーリーに沿います。
私が読んだ書籍とは、違っていますので。ここは映画で。

レジーの会計士は、様々な助言をしてくれている。
そして会計士が最も強く言うことは・・・ロニーを切れ、ということ。
当然会計士が気に入らないロニー。
部下に命じて、会計士を殺そうとするが・・・失敗に終る。
自分も狙われていることを、心底実感した会計士は
自分と家族の安全と引き換えに、クレイ兄弟に対し証言すると
警察と取引きすることを、決心する。

ロニーが、会計士を狙ったことを知ったレジー。
仲間が集まるパーティ。
その場で、会計士を狙った部下を、ナイフでめった刺しにするレジー。
その狂気と怒りに、ロニーさえ唖然としてしまう・・・
やっと、仲間に止められて・・・レジーはロニーに言う。

「お前の代わりだ」と。

ロニーを殺すことはできない。
自分を殺すこと、だから。

その後、兄弟は逮捕され、裁判で有罪となる。
会計士のほか、証言者が次々と出てきたのだ・・・

映画では、兄弟のその後、そして、レジーのフランシスへの思いが語られています。
フランシスを通して、
レジーのカリスマ的な伝説ではなく
普通の男、という部分が引き出されていて、
「一粒で二度おいしい」って感じがしましたね(笑)

いや、こういう映画は、大好きですね~。
もっと、犯罪者のこういう作品を、上質に制作してほしい、と思います。


見てよかった====!!!!




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