二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

あれは何だろう(ポエムNO.2-98)

2017年07月23日 | 俳句・短歌・詩集
心細くておーいと叫ぶと
向こうもおーいと叫ぶ。
一枚のセピア色の写真の中で
ビアホールPARADISEの椅子の背後で
通り過ぎた野良猫のちぎれた耳のあたりで。

叫びとともに
いろいろなものがUターンしてくる。
バッカスという名の名馬
腰のほそい夕顔美女のまつ毛
朔太郎がかき鳴らしたマンドリン。

・・・おーい
ぼくはずいぶん以前に撮影した一枚の写真に対して叫ぶ。
「聞こえたら 返事してくれ」と。
二次元の世界にも奥行がある。
空間ではなく 時間の奥行が・・・。

ぼくやきみの胸の底にたまった
真っ黒い泥水。
フナやドジョウがぴよん ぴよん跳ねている。
フナやドジョウのように見えるもの
あれは本当は何だろう

あれは あれは本当は何だろう?
窓辺に置いた鉢植えのサボテンが
逃げだしたはずの悪夢のようにチクチク痛むんだ
つらいなあ つらい。
ぼくはぼくから逃げだすことなんてできないのだから。
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