戦場ヶ原からこんにちは

日光自然博物館がお送りする奥日光の自然情報+αです。

新・山の上からこんにちは vol.174

2016年08月26日 | 新・山の上からこんにちは

こんにちは、日光自然博物館です。

奥日光の自然情報を中心に、日光の最新の話題、さらに日光自然博物館の

イベント情報を、カテゴリー「新・山の上からこんにちは」の記事として毎週金曜日にお伝えしていきます。

 

■ 今朝の奥日光は20℃ (博物館周辺 8:00時点)

今回は、戦場ヶ原へ行ってきました!赤沼から入って自然研究路を歩き、泉門池の横を通り、北戦場を歩いて光徳入口に行くコースです。

8月23日の(岩)のブログでご紹介したとおり、夏の終わりから秋のはじめに咲く花々が咲き、奥日光では一足先に秋が始まっています。

北戦場の景色もこんな感じで

いつの間にかヨシが高く伸び、穂を出していて、

それらがさわさわ風になびいている様子は、秋を感じさせる雰囲気でした。

 

夏の早い時期の花は、まだ咲いているものもありましたが、咲き終わっているものが多く見られ、

それらはすでに実になっており、いろいろな実を見ることができました。

さて、クイズです!!「この実①~④は下のどの花だったでしょう??」

 ↑ ①こんぺいとうみたい!                         ↑ ②サーカスのピエロがかぶっていそうな帽子に見える
                                            のは、私だけでしょうか・・・

 ↑ ③このふさふさで、動物にひっつきます。         ↑ ④種がよく風で飛ぶよう、白い毛がついています。

 

ノアザミ                                    ダイコンソウ

ホザキシモツケ                              キンミズヒキ

正解は一番下!!です♪

意外な形の実で、きっとみなさんも、花と実のギャップを感じてびっくりするのではないかと思います。

それから、北戦場にはこんな実も・・・

直径1cmくらいで、小さなさくらんぼみたい!ツルコケモモの実です。

ツルコケモモ(クリックすると大きくなります)

丸くて赤く色づいてきた実はおいしそうで、動物たちにとっても魅力的な食べ物なのかもしれません。

花を観察するのも楽しいですが、花の終わった後に注目するのもおもしろいなと思いました。

少しづつ夏から秋へ移り変わっていく、今の戦場ヶ原だからこそ観察できるものがありますので、みなさまにお越しいただきたいです!

戦場ヶ原をお楽しみになるのにぜひ、明日と明後日の土日に開催される日光自然博物館のイベント、「戦場ヶ原ガイドウォーク」もご活用いただけたらと思います!(み) 

■ 自然体験イベント情報

 ★「中禅寺湖畔ナイトハイキング2016」  平成28年8月毎金曜日  〈当日16時締切〉
中禅寺湖畔での生きもの観察を通して、夜の自然を楽しむナイトハイキングイベントです。

 ★「戦場ヶ原ナイトハイキング2016」  平成28年8月毎土曜日  〈当日16時締切〉
戦場ヶ原での暗闇体験や星空観察を通して、夜の自然を楽しむナイトハイキングイベントです。

 ★「戦場ヶ原ガイドウォーク2016」  平成28年8月毎土・日曜日  〈当日受付〉
爽やかな夏の戦場ヶ原を舞台に、大自然の魅力を楽しむガイドウォークイベントです。

 ★「歴史“も”感じるガイドウォーク」  平成28年9月18日(日)  〈9月11日(日)締切〉
西ノ湖や千手ヶ浜の大自然の魅力を、歴史などの面から再発見するハイキングイベントです。

 

 ■ 企画展情報

 ◆ 「イケメン!?昆虫パラダイス」  平成28年7月16日(土)~9月4日(日)
紹介します!昆虫という、奥日光のイケメンたち。彼らのひみつや、出会い方などを大公開!!

 ◆ 「意外と知らない!?日光のコウモリ展」  平成28年7月16日(土)~9月4日(日)
様々な調査に基づくデータで日光のコウモリをご紹介。これでコウモリがぐっと身近な存在に!

 

 

【!クイズの答え!】
①→ダイコンソウ ②→ホザキシモツケ ③→キンミズヒキ ④→ノアザミ   
 でした☆

 


戦場ヶ原歩道状況のお知らせ 

2016年08月23日 | 自然情報

今回は戦場ヶ原のハイキング定番コース一つ、赤沼~戦場ヶ原~湯滝を歩いてきました。

台風9号の影響で少しコース状況が不安ではありましたが、多少の水たまりやぬかるみはあったものの、倒木やかかり木などで通行ができない危険個所はありませんでした。

一安心です。

 

久しぶりの戦場ヶ原。初夏から咲き出した、アザミやホザキシモツケなどの花からウメバチソウやリンドウ、アケボノソウなどが目立つようになってきました。

 

涼しい風にススキや花々が揺れ、秋の装いを感じさせます。

平地では残暑がまだまだ厳しいはず。一足先に秋の始まった奥日光へいらしてみてはいかがでしょうか?

因みに、今回歩いたのは8月23日の午前中。歩き終わった後もまた、雨が降ってきましたので引き続き注意は必要です。

また、今回の台風の影響でできた物ではありませんが、景色に見惚れ(私のように)こんな所でうっかりつまずいたりしないようにお気を付けください。

(岩)

 


新・山の上からこんにちは vol.173

2016年08月19日 | 新・山の上からこんにちは

こんにちは、日光自然博物館です。

奥日光の自然情報を中心に、日光の最新の話題、さらに日光自然博物館の

イベント情報を、カテゴリー「新・山の上からこんにちは」の記事として毎週金曜日にお伝えしていきます。

 

■ 今朝の奥日光は19℃ (博物館周辺 8:00時点)

今回は、高山(たかやま)に登ってきました。

漢字は「高い山」ですが、実際には標高は1667mと低め。
奥日光に連なる山々と比べて、気軽に登山チャレンジができるかと思います。

実は、私にとっては今回が初・高山。

ただ、葉が生い茂る時期は眺めがあまり良くないというウワサを小耳に挟んでいましたので、
どんなものが見られるのか(そもそもおもしろいものが見つかるのか……?)、ドキドキしながらのスタートになりました。

 

登山道を歩いていくと、断崖のような谷を発見!

足をとめてながめていると、ふっと吸いこまれそうになって、思わずあとずさりをしました……。

もともとはなだらかだった地面が、長い年月をかけ、雨水の流れによって浸食されたもの、それが、山にできる谷です。

さらに浸食が進むと、けずれた谷が広がって、尾根が切り立ってきます。
さらにさらに進むと、今度は、するどかった尾根がけずれて、谷と同じくらいまで低く、なだらかになっていきます。
そして、ふりだしにもどります。

山は、私たちの想像もつかないような、途方もない年月をかけて、その地形を変化させているのです。

 

ちなみに、あとで調べてみると、高山はかなり浸食が進んでいる山らしく、
実は、奥日光の山々のなかでも最も古いもののひとつにあたるそうです。

標高もそんなに高くない、山頂からの景色もイマイチ……

あまりぱっとしない印象があるようですが、
「奥日光の長老の山なんだぞ!」と、胸をはって高山をオススメできる、素敵なところをみつけました。

 

ところで、さっきの谷の風景、

地面にはえているササが少なくないですか?
最初は雪崩に押し流されたのかと思いましたが、雪崩に負けてしまいそうな細い木はしっかり立っています。

では、なぜ?

 

答えをくれたのは、この子でした。

手前の小さなササよりも大きく育った、奥に見える植物の群落。
シロヨメナという、白くて小さなキクの花です。

実は、このシロヨメナ、シカが嫌う植物のひとつなんだそうです。
対してササは、ニホンジカの大好物。

高山はシカ侵入防止柵の外側になるので、好物のササはすっかり食べつくされ、苦手なシロヨメナがたくさん残っていた、というわけです。

シカなどの生きものが植物を嫌うわけはいろいろあるようですが、
植物によっては、葉っぱからいやなにおいがする、毒をもっているなど、天敵に食べられないように、みんな工夫をこらしているようです。

なかなかやるなあと、生きものにはおどろかされてばかりです。

 

ちなみに、高山の幕張峠方面におりたふもとには、一面のシロヨメナ畑がありました。
まだまだつぼみが多かったので、見頃はこれから。

可愛らしい反面、工夫をこらして身を守る、したたかなシロヨメナが、一面に咲き誇る様子を、近いうちにまた見に行きたいと思います。 (山)

 

■ 自然体験イベント情報

 ★「中禅寺湖畔ナイトハイキング2016」  平成28年8月毎金曜日  〈当日16時締切〉
中禅寺湖畔での生きもの観察を通して、夜の自然を楽しむナイトハイキングイベントです。

 ★「戦場ヶ原ナイトハイキング2016」  平成28年8月毎土曜日  〈当日16時締切〉
戦場ヶ原での暗闇体験や星空観察を通して、夜の自然を楽しむナイトハイキングイベントです。

 ★「戦場ヶ原ガイドウォーク2016」  平成28年8月毎土・日曜日  〈当日受付〉
爽やかな夏の戦場ヶ原を舞台に、大自然の魅力を楽しむガイドウォークイベントです。

 ★「歴史“も”感じるガイドウォーク」  平成28年9月18日(日)  〈9月11日(日)締切〉
西ノ湖や千手ヶ浜の大自然の魅力を、歴史などの面から再発見するハイキングイベントです。

 

 ■ 企画展情報

 ◆ 「イケメン!?昆虫パラダイス」  平成28年7月16日(土)~9月4日(日)
紹介します!昆虫という、奥日光のイケメンたち。彼らのひみつや、出会い方などを大公開!!

 ◆ 「意外と知らない!?日光のコウモリ展」  平成28年7月16日(土)~9月4日(日)
様々な調査に基づくデータで日光のコウモリをご紹介。これでコウモリがぐっと身近な存在に!

 


「奥日光森のコウモリ観察会」イベント報告

2016年08月16日 | イベント情報

8月14日に、企画展「意外と知らない!?日光のコウモリ展」の連動企画

「奥日光森のコウモリ観察会」を開催いたしました。

コウモリの存在自体を知らないという人はいないと思いますが、どんな種類がどこにいるのか、何を食べているのかなどの詳しい生態については知らないという方がほとんどだと思います。今回は、そんな意外と知られていない動物・・・「コウモリ」にスポットを当てて夜の湯滝の森へ出かけました。

案内してくださったのは、企画展の展示作成にもご協力してくださった、安井さち子さん(日光森林棲コウモリ研究グループ)を始めとしたコウモリのスペシシャリストの方々!

コウモリについてのレクチャーを聞いた後は、バット・ディテクター(コウモリの声、超音波を聞こえる音に変換してくれる強力アイテム)を持って森の中へ!!

皆でディテクターを使って超音波を聞き、ライトを照らしながらコウモリを探します。1時間半という短い時間でしたが様々な種類のコウモリの存在を感じる事ができました。

(写真:モリアブラコウモリと思われるコウモリ。開会式前に姿を現して盛り上げてくれました)

今回の観察会で皆さんはコウモリに一層興味がわいたはず!そして、コウモリを始めとした生き物たちを通して夜の世界のイメージが少し変わったのでは!?

イベントにご参加してくださった皆様本当にありがとうございました。今回イベントに参加できなかった方、今回の観察会以外にもコウモリに出会えちゃうかもしれないイベントを現在募集中です。是非チェックしてみてください。

なお、企画展「意外と知らない!?日光のコウモリ展」は9月4日(日)まで開催中です。ぜひご覧ください。

(岩)


新・山の上からこんにちは vol.172

2016年08月11日 | 新・山の上からこんにちは

こんにちは、日光自然博物館です。

奥日光の自然情報を中心に、日光の最新の話題、さらに日光自然博物館の

イベント情報を、カテゴリー「新・山の上からこんにちは」の記事として毎週金曜日にお伝えしていきます。

 

■ 今朝の奥日光は17℃ (博物館周辺 8:00時点)

今回は低公害バスを利用して、西ノ湖と千手ヶ浜に足を運びました。

今年の西ノ湖の様子はというと・・・。

なんとほとんど水がありません!もともと湖底にあたる地面が露出している状態です。

(ちなみに去年の同じ時期の西ノ湖の様子がコチラ)

その露出した地面からは、植物が育って辺りを緑色に染め上げていました。

この植物たちは、何年も何年も種の状態で湖底で過ごし、今のわずかなチャンスも逃さず芽を出したのかもしれません。

そう思うととてもたくましいですね!

 

そして千手ヶ浜へと向かう千手の森歩道にはお花畑が・・・!?

マルバダケブキが見ごろを迎えていました。ちなみにこのマルバダケブキはシカが食べないといわれています。

一面に群生しているのもシカの影響かもしれません。

しかし・・・

中にはかじられたと思われるものもちらほらと。

もしかすると、シカもだんだんマルバダケブキを食べるようになってきたのかもしれませんね。(はる)

 

 

■ 自然体験イベント情報

 ★「中禅寺湖畔ナイトハイキング2016」  平成28年8月12、19、26日  〈当日16時締切〉
中禅寺湖畔での生きもの観察を通し、夜の自然を楽しむナイトハイキングイベントです。

 ★「戦場ヶ原ナイトハイキング2016」  平成28年8月毎土曜日  〈当日16時締切〉
戦場ヶ原での暗闇体験や星空観察を通して、夜の自然を楽しむナイトハイキングイベントです。

 ★「戦場ヶ原ガイドウォーク2016」  平成28年8月毎土・日曜日  〈当日受付〉
爽やかな夏の戦場ヶ原を舞台に、大自然の魅力を楽しむガイドウォークイベントです。

 ★「奥日光森のコウモリ観察会」  平成28年8月14日  〈締切:8月7日〉
講師による夜の森でのコウモリ観察。これまで想像しなかった夜の世界が広がるかも!?

 

■ 企画展情報

 ◆ 「イケメン!?昆虫パラダイス」  平成28年7月16日(土)~9月4日(日)
紹介します!昆虫という、奥日光のイケメンたち。彼らのひみつや、出会い方などを大公開!!

 ◆ 「意外と知らない!?日光のコウモリ展」  平成28年7月16日(土)~9月4日(日)
様々な調査に基づくデータで日光のコウモリをご紹介。これでコウモリがぐっと身近な存在に!