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「モンドヴィーノ」 Mondovino

ずいぶん以前、オヒョイさんこと藤村俊二さんが南青山に出したワインの店『オヒョイ’ズ』に一度だけ行ったことがある。その時ワインリストを見て、最初に並ぶ数々のワインの結構なお値段に驚いて、あわててページをめくり、「なーんだ、4,000円とかもあるじゃん」と思いつつよくよく見るとそれはグラスワインだったりして「どっひゃー!」なんてことがありました。
結局その日は、うしろのほうに紹介されていたワイン(値段は覚えているのに、銘柄は忘れてしまった!)を頂いて、途中オヒョイさん本人も登場して各テーブルをまわってくれていたこともあって、なにやら凄いところに迷い込んだ気がしたものでした(苦笑)。

そんなオヒョイさんが
「この映画を観ると、明日選ぶワインが変ります」
と予告編で言っていた映画「モンドヴィーノ」。
ひとことで言うならばワインのソムリエの資格を持つというジョナサン・ノシター監督が作り上げたワイン業界の内幕ドキュメンタリーということになるんだろうけれど、これが映画的魅力にも多少通じるところがあって面白かった。

なにしろ登場してくる人たちそれぞれがとてもキャラがたっているのだ。ワイン業界で多大な影響力を誇り、いかにもといった醸造コンサルタントのミッシェル・ロランや日本でも有名なワイン評論家ロバート・パーカー、巨大資本で業界を席巻していく野望ムンムンのモンダヴィ親子といった人たちが(どちらかといえば)ヒール役で登場し、その取り巻きたちも含めて「ワインのグローバル化」という立場を非常に分かりやすく表明してくれる。
片や伝統的なワイン醸造にこだわり「詩のようなワインを造る男」と形容されるおじいさんやテロワールを大切にし、「こびない頑固な造り手」であり続けようとする父と娘、さらにはワインに従来通りの個性を強く求める輸入業者といった人たちが登場し、画一化に繋がる技術重視のワイン作りに反旗を翻しているという構図。

そしてそうした立場の違う人たちに対してことさら糾弾したり過多に共感することなく、ただひたすらインタビューを繰り返すことによって、今置かれているワイン業界の全体像が浮かび上がってくる、そのさまはかなり興味深かった。

確かに手持ちキャメラのゆらゆら動く映像は時として本当に見づらいし、撮りっぱなしでの意味のないパンとか、たびたび登場してくる犬たちにはかなり困ってしまったけれど、観続けて行くうちに(フランスの流通の雄・カフールの話も少し出てくることもあって)、ことワイン業界のみならず、より普遍的なことが全体のテーマとなっていることがわかってきて、いろいろ考えさせられた。

そういった意味では、たまたま前日友人たちと行ったレストランに「オーパス・ワン」があって、機会があれば一度飲んでみたいと話していたけれど、この映画を観てしまうとどうにもこうにも、まさしく「明日選ぶワイン」からは気持ち的に外れてしまうんだよね、やっぱり。

今日の1曲 “ Jealous Guy ” : John Lennon
ジョン・レノンが凶弾に倒れてから今日でちょうど25年。そこで、映画とは全然関係ないけれど、この曲を。
ジョンにとって事実上の初ソロ・アルバムである「ジョンの魂」の次にリリースされたアルバム「イマジン」の3曲目に収録されているこの曲、ブライアン・フェリーのカヴァーもオススメですが、やはりジョンの歌声には叶わない。
I DIDN'T MEAN TO HURT YOU
I'M SORRY THAT I MADE YOU CRY
I DIDN'T WANT TO HURT YOU
I'M JUST A JEALOUS GUY

はぁー、つい思い出してしまう冬の夜であります。





コメント ( 6 ) | Trackback ( 7 )
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コメント
 
 
 
再び (A嬢)
2005-12-09 00:13:19
再び失礼します。

コレ、ワタシ観なきゃいけませんね♪

「明日選ぶワイン」が変わるように。

ウフ(*^^*)



 
 
 
但し、注意が必要です (nikidasu)
2005-12-09 00:27:42
Aさんみたいにワインが好きだったり興味ある人だったらOKだと思います。

ただ、「サイドウェイ」みたいなのを期待してしまうと、かなり趣きが違うのでちょっとマズイかも。

若干心して観る必要があるかもしれません。

 
 
 
TBありがとうございます (kiyo4hm)
2005-12-10 08:41:46
TBありがとうございました。

ワインに詳しい人だと、出ていらした人達もご存知なのですね。

私は全く疎いタイプだったので、このおっさん?って感じでした・・すみません。

私はあの手ぶれ映像にすっかりやられちゃって

正直あの2時間はキツかったです。
 
 
 
TBありがとうございました。 (永野寿子)
2005-12-10 10:04:31
TBありがとうございました。



この映画はテロワール派とグローバル派と2つに大きくわかれますよね。

現在、賛否両論ありますね。



私はミッシェル・ローランにもお会いし、モンダヴィ親子にもお会いしています。

そしてエチエンヌ・モンテーユさんや、ガサックのオーナー・・・

お会いすると皆さん、良い方ばかり。



でも私はテロワール派ですね。



そんなことで、私の周りでも意見のバトル、やっています(笑)。

今回の映画の投げかけで、そんな意見のやり取りが出てきたことは、映画の成功だったのではないのでしょうかって思いますね。



これからのワイン業界に期待ですねー。
 
 
 
今晩は (nikidasu)
2005-12-11 03:05:56
>kiyo4hm さん



全く知らないと、この映画は少々ツライ部分はあるかもしれませんね。

確かに「作品」としては、もう少しまとめたほうが良かったかもしてませんが、これはこれで効率を重視しないテロワールと通じるものがあるような気がするのですが・・・・・・。



>永野寿子 さん



凄いですね。いろんな人たちと会われているんですね。

それにしても世界的に「スローフード」という言葉が喧伝されている割に、テロワール派が窮地に追い込まれつつあるというのは、皮肉なものです。

 
 
 
モンダヴィでは (永野寿子)
2005-12-11 20:39:22
モンダヴィに行ったとき、結構カルチャーショック受けました。



ナサにある宇宙ステーションのところで、人工衛星をつかって、カリフォルニアのぶどう畑の光合成などについて調べ、どこになんのぶどうの樹を植えたらよいのか研究をしたんだと話をしてくれました。



そして、フランスで100年かかってわかったことが、モンダヴィでは10年でそれが解明したとか。

そのことを、フランスに行って話をしたところ、一笑され、相手にしてもらえなかったと悔しがっておりました。

そんな話を、数年前にモンダヴィで聞いていましたら、肝心のモンダヴィ帝国は、去年崩壊してしまいました。

とっても複雑な気持ちですね。
 
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