俺の明日はどっちだ

50歳を迎えてなお、クルマ、映画、小説、コンサート、酒、興味は尽きない。そんな日常をほぼ日替わりで描写

「ウォーク・ザ・ライン / 君につづく道」  WALK THE LINE

2006年02月27日 15時03分22秒 | 時系列でご覧ください
単なるアメリカンカントリーミュージックの大御所の半生記を描いた自伝映画と思いきやさにあらず、過去の忌まわしい記憶によって屈折した一人の男が、憧れの歌手を一途に思い続け、真っ直ぐ歩き始めること( = WALK THE LINE )を見つけることによって、自分の人生をも見つけるといったストーリー展開で、とてもよく出来た恋愛映画であると同時に優れた音楽映画でもあった。

とにかく何より驚いたのが、劇中の全てのパフォーマンスが主演の二人ホアキン・フェニックスとリース・ウィザースプーン、彼ら自身によるものであるということ(エンドロールのクレジットを見るまで知らなかった!)で、「ビヨンド the シー」でボビー・ダーリンを演じたケビン・スペイシーの歌いっぷりにも匹敵する素晴らしいステージングには圧倒された。

加えて、よく出来た兄を失くすという実生活とも重なる設定の中、ホアキン・フェニックスのまさに渾身ともいえる演技には素直に感動させられたし、人生の様々なものを抱え込み悩むリース・ウィザースプーンのあまりに健気な姿にもすっかり感情移入してしまった。

それにしてもジョニー・キャッシュ。個人的にはカントリーミュージックの大立者という一般的な紹介のされ方から、勝手にとても保守的な人物だという認識があったのだけど、思ってもいなかったパンキッシュなヴォーカルスタイルに驚いたし、そのあまりに弱い性格と反骨精神溢れる姿勢という微妙なバランスの上で活動していたミュージシャンだったという新たなる認識を得ることが出来、さらにそんな彼の魅力溢れる音楽性に触れることができたのは本当に嬉しかった。

そしてここ最近のミュージシャンの姿を描いたアメリカ映画にハズレはないなあと実感。

今日の1枚 “ Live in Cook County Jail ” : B.B. King

囚人たちが足を踏み鳴らすところから始まるこの映画のオープニングはとても秀逸だったし、そのときに録音されたライヴアルバム「アット・フォルサム・プリズン」は当時人気絶頂だったビートルズのアルバムを抜く売れ行きだったとも語られていた。
で、刑務所でのライヴアルバムとくれば、どうしても忘れてはいけないのが1971年リーリースのB.B.キングのこのアルバム。“ Every Day I Have The Blues ”“ Sweet Sixteen ”“ The Thrill Is Gone ” ・・・・。今みたいに巨漢になっていない彼のギターの鳴ること! 一家に一枚、是非置いて欲しい傑作アルバムであります。
試聴はこっちっす。


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3 コメント

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TBありがとうございました (charlotte)
2006-02-28 15:59:49
こんにちは。

音楽もさることながら、家族のあり方や人を好きになる醍醐味(?)みたいなものも感じ取れて、とてもいい作品でした。

オスカーをぜひ取らせてあげたいですよ~!

ロカビリー、聞き惚れてます♪
こんにちは♪ (ミチ)
2006-02-28 20:44:44
あまりなじみのないカントリーとロカビリーですが、やはり音楽って聴いてるだけでイイですね~。

音楽映画にハズレなしですよね。

二人の歌のレッスンの成果、ギター練習の成果が現れていて素晴らしかったです!

刑務所のステージシーンは良かったわ~。
Unknown (t@shi)
2006-06-21 23:09:42
TBさせていただきました。

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