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「天然コケッコー」

ブラックテイストたっぷりだった山下敦弘監督の前作「松ケ根乱射事件」とは打って変わって、どこまでも清清しく、観ていてすこぶる気持ち和ませてくれたとびっきりキュートな少年少女映画。

「行って帰ります」、「帰りました」、
そんなきれいな言葉使いとともに、大きく広がる豊かな自然描写のひとつひとつにも強く心惹かれてしまった。

都会に対しての過疎村の田舎といった野暮な対立軸としてでなく、中学2年生という「年頃」の女の子の心の成長を純粋に描くための舞台として、まったく持って相応しい島根の村の何と素敵だったことか。

そして「松ケ根」を若干思い出させる変化球の大人のエピソードはさておき、パーカー欲しさにいとも簡単にはじめてのチュウしちゃう(笑)主人公・そよを演じる夏帆をはじめとする子供たちの屈託のないほぼ自然体の演技から奏でられる日々の出来事の何と愛しいことか。



「もうすぐ消えてなくなるかもしれんと思やぁ、ささいなことが急に輝いて見えてきてしまう」

そよたちが通っている学校もやがて廃校の憂き目にあうかもしれないし、大好きな友達や知り合いとの別れもやってくるかもしれない。
そんな今ある瞬間にしか宿らないものがあることにそよが気付いたとき、観ているほうもみんなで歩く登校シーンにすら何だか切なくなってきたりしたのだ。
そして極めつけはやはり一人ゆっくり黒板に向かってする愛あるキス。
いやはやその情感溢れる演出には思わず胸打たれてしまった。

加えてその後に続くワンカット・ツーシーンへの見事な演出にもすっかりやられてしまったぞー!



ともあれ中学2年生という「年頃」な女の子の日々の微妙に揺れ動く心の移ろいが丁寧にかつ瑞々しく見事に描かれている、どうってことないところにこだわった傑作であります。
夏のうちに是非劇場で!



今日の1曲 “ 言葉はさんかく こころは四角 ” : くるり

この前行ったコンサートでも演奏してくれた「くるり」お得意のミディアムバラードの傑作。
いつしか消えていく儚さを歌っていて、まさにラストシーンにうってつけの曲でありました。
新作アルバムに収められているものとはオーケストラアレンジが違っているムーヴィー・バージョンの動画はコチラから


コメント ( 5 ) | Trackback ( 20 )
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コメント
 
 
 
山下監督 (トリスタン)
2007-08-22 11:06:11
こんにちは。

今、家ではご主人様が山下敦弘監督に凝っていて、
久しぶりのお休みに
「どんてん生活」を見させられました。
(あえて「見させられた」と書きますが・・・)

天然コケッコーと同一監督なのかっ???
びっくりしました。
 
 
 
◇トリスタンさん (nikidasu)
2007-08-24 00:49:18
残念ながら「どんてん生活」は未見です。

それにしても山下敦弘監督に凝っているとは、
すこぶる良い旦那さんですね。

ともあれ、この「幅の広さ」が山下監督の魅力のひとつ
だったりもします。


 
 
 
はじめまして ()
2007-08-26 22:34:01
この映画 他の方はどう思ってらっしゃるのかな?と思って 久々に検索して 貴ブログに跳んできました。
私も 山下ファンです。残念ながら
「どんてん生活」と「松ケ根~」は未見
「ばかのハコ舟」が 大好きです。
私も「行って帰ります」などの方言の美しさにやられました。
TBさせていただきます。私の感想も読んでいただけると幸いです。
 
 
 
こんばんは♪ (ミチ)
2007-08-30 21:09:03
「松ヶ根~」を見たのはつい先日のような気がします。
同じ監督がこれを撮ったの?という不思議な気持ちでした。
でも、佐藤浩市の浮気エピなどは「松ヶ根」風味だったかな?(笑)
方言っていいな~ってあらためて思いました。
でも、我が地元の方言を映画で聞くとあまりいいとは思えないんですよね(汗)
 
 
 
◇ミチさん (nikidasu)
2007-08-31 01:09:33
女の子が「わし」と言って、まったく違和感のない
その言葉の響きがとても新鮮でした。
そして相手と向き合ってちゃんと話す言葉というのは
方言であろうがなんであろうが、響きがとてもきれい
なんだろうなと、改めて思いました。

そういった意味では金沢の方言もお年寄りが話す言葉は
とてもきれいに聞こえますよね。
 
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