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「スラムドッグ$ミリオネア」 Slumdog Millionaire

D. It is written
う~ん、いろいろ話題が先行し、期待感が募りすぎたからか、あるいは劇場スタッフ曰く「配給会社がそんなに大きな会社じゃないのでプリントの数が少なくて、おかげで地方にまで同時に公開されないですよ」というトホホなこともあって、気持ち的タイミングがずれたことも多少影響してか、とにかくとてもとても、本当に良く出来た映画だと感心しつつも、哀しいかなどこか物足りなさを感じてしまったのだ。


警備員に追われつつムンバイのスラム街を少年たちが駆け巡る疾走感溢れるオープニングシ-ンに始まり、クイズ番組での出来事を縦軸に少年の生い立ちからの成長物語をインドの社会情勢を描きつつ振り返るといった具合に構成される物語そのものは、実際にそのクイズ番組を観た人ならより納得の巧い展開だと思った。

そして実は一人の少女を想い続けた主人公の純愛物語だったという意外なメインストーリーにそれなりに心も動かされ、三つの年齢層に分けて演じるそれぞれの出演者たちもとても素敵な演技を見せてくれた。


そしてとにかくまさに王道とも言えるパワフルでサービス精神たっぷりなエンタテインメントぶりは、最後の最後のかの「踊るマハラジャ」とも通じるインド映画ならではのお約束シーンまで本当にお見事で、敢えてとやかく言うことはないのかも知れないし、事実普通に楽しめる作品だとも思う。

ただ、だけど、しかしながらだ。
劇中アメリカ人観光客を案内していた主人公がクルマに戻ってみると、F1のピットイン作業並みの速さでものの見事に全ての部品が盗まれ、それを見て怒った運転手から強打され、「これがインドの現実なんです」と主人公が訴えるシーンがあったけど、それに対して動揺したアメリカ人夫婦が「これがアメリカ(の姿)だよ」と言ってドル紙幣を渡す…。
このシーンが実は(とっても穿った見方であることは承知の上で)、なんとなくこの映画の成り立ちを表す、監督からのハリウッドに対する自虐的な皮肉では?とつい感じてしまったのでありました。う~む…。


ともあれ“ D ”は、クイズの答えであり、destiny の頭文字であり、監督自身のイニシャルでもあるわけだけど、それをさりげなく表す文字処理、最後の最後まで上手な映画ではありました。
機会があれば是非。



今日の1曲 “ 21st Century Breakdown ” :  Green Day

世の中的にとても評判が良いという意味ではグリーンデイの新作『 21st Century Breakdown 』もまたこの映画同様高く評価されているけれど、このアルバムもまたどこか物足りなさが募ってしまうのであります。
ったく、我ながらないものねだりジジイには困ったもんだ(苦笑)。
それにしても You Tube にはにせものネタがびっくりするほどあって、何とも時代を感じてしまいました。
と言うことで今回は珍しくニコニコ動画での全曲紹介であります。

[NEW] Green Day - 21st Century Breakdown (Retail)

コメント ( 4 ) | Trackback ( 18 )
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コメント
 
 
 
こらぁぁ(笑) (すとん)
2009-06-04 00:40:57
こらぁぁぁ!!
グリーン・デイと一緒にすんなぁ!!(笑)

って言ってみたものの、言えてるよね、言えてますがな。
すんません仰るとおりです。

まとまってるけど、魂無しって感じやよねぇ。
どっちもさぁ・・・・。

この、それってどうなん?感を受け入れないとたぶん
孫守りはできないのではないのさぁ!
と自分に叱咤激励しながら、昨日いただいたグリーン・デイのライブ聴きながら、日本の観客のノリって凄いよねぇ、盲目的で。外タレにとってはたまらんやろなぁと思い聴いてた俺はジャパニーズ・イデオットです。

で、スラムドッグの監督は英吉利人やし、自虐的って言うんじゃなく、自分等の歴史は棚に上げ、単にダラなアメ人を皮肉ってるイヤな演出じゃないの?って思ったことだけはエラそうに付け加えたりなんかしたりして・・・・。

追伸:たくさんのデータありがとうございます。





 
 
 
◇すとんさん (nikidasu)
2009-06-06 10:56:27
>スラムドッグの監督は英吉利人やし、自虐的って言うんじゃなく、
自分等の歴史は棚に上げ、単にダラなアメ人を皮肉ってる演出

なるほど、そう言われればそうかも。
とにかく、どこか根本的に物足りなさを感じるところは
グリ-ン・デイ( ← しつこい)同様あったりしましたねえ。
 
 
 
TBありがとうございました (シムウナ)
2009-06-07 23:32:49
TB有難うございました。
予告編から、なぜ教育をまともに受けていない
主人公がクイズの難題をことごとく正解していくのか
興味があり楽しめました。
過酷な運命、そして一途な愛。
そんな映画でしたね。

今度、訪れた際には、
【評価ポイント】~と
ブログの記事の最後に、☆5つがあり
クリックすることで5段階評価ができます。
もし、見た映画があったらぽちっとお願いします!!
 
 
 
Unknown (moriyuh)
2009-06-11 17:47:25
nikidasuさま

こんにちは。
TBありがとうございました。お返しが遅くなりごめんなさい。

>「これがアメリカ(の姿)だよ」と言ってドル紙幣を渡す…。
このシーンが実は(とっても穿った見方であることは承知の上で)、なんとなくこの映画の成り立ちを表す、監督からのハリウッドに対する自虐的な皮肉では


なるほど…成立ちですか。
そういう側面もあるのかもしれませんね。


 
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