50歳を迎えてなお、クルマ、映画、小説、コンサート、酒、興味は尽きない。そんな日常をほぼ日替わりで描写
俺の明日はどっちだ
「雪に願うこと」

一旗揚げようと東京で会社を興すものの失敗し故郷に戻ってきた弟(伊勢谷友介)と戸惑いながらそんな彼を迎え入れる兄(佐藤浩市)。
そんな二人を中心に障害物レース“ばんえい競馬”が舞台となって繰り広げられる人間ドラマには素直に心動かされてしまった。
もともと荷物を運びきることを目的とするため、そりがゴールラインを超えた時点でゴールとするという“ばんえい競馬”。
スピードではなく持久力とパワーを競う競技であり、途中の障害(坂)で馬が上り始める前に「ため」を作るところなど、まさに人生に置き換えられる味わい深さを持っている競技だ。
そして登場してくるのは、屠殺寸前の馬であり、父親を失い、勝つことからも遠ざかってしまった女性騎手であり、女でひとつで子供を育て上げている訳ありの中年女性であり、迷いながらなんとか厩舎経営を行なっている兄だったりする。
なかなか思うようにならないのが人生だろうし、例え順調であってもシャドーキングみたいにいつ何が起こるかわかったもんじゃない。
そんな中、額に汗して働くのが偉くて、デスクワーク中心で働くのがいけないという単純なものではないと思うけれど、(何故彼が社会を見返そうと思ったのかという背景が見えなかったのは残念だったにせよ)あまりに自己中心で自分勝手に生きてきた弟に対する兄の叱責、友人からの罵倒、あるいは認知症となった母親の言葉には心打たれた。
そして1トンを越すという巨大な輓馬がシルエットとして登場する早朝のシーンや朝焼け、そして夕日が沈むシーンなどの丁寧に丁寧に、まるで馬や人間たちの息遣いまで感じさせる映像にもすっかり見入ってしまった。

さらには豪華絢爛というのではなく、ちゃんとした演技がちゃんと出来る実力ある映画俳優が顔を揃え、誰もが丁寧に演技していることにも監督の思いの深さが観ているほうまで伝わってきた。
とにかく「都会で敗れた人間が田舎での純朴な人々のふれあいの中でやり直しを決意するありきたりなストーリー」などと簡単に語って欲しくない「志し」のある力作であると言い切ってしまいたい。
それにしても、かつて長谷川和彦監督を筆頭に、大森一樹、高橋伴明、池田敏春、井筒和幸、黒沢清、石井聰亙といった監督らとともに『ディレクターズ・カンパニー』なる製作者集団に今は亡き相米慎二とともに加わっていた根岸吉太郎監督。そんな盟友だった相米監督が映画化を望んでいたというこの作品をこうして見事映画化したことに対して何やら感慨深いものも感じてしまった。
今日の1曲 “ Without You ” : Harry Nilsson
映画の中で弟から結局東京に戻ることを告げられたとき「厩舎のみんなが寂しくなるだろなあ」と精一杯強がって言った兄ちゃんが好きでした。
ということで、いささか安直ながらこの曲を。
ニルソンの71年リリースのアルバム『 Nilsson Schmilsson 』に収録され彼にとって唯一の全米ナンバーワン・ヒットを記録したこの曲、元々はバッドフィンガーのピート・ハム&トム・エヴァンスの作品のカヴァーだったのでした。
ちなみにニルソンが亡くなってから1ヵ月後、マライア・キャリーのヴァージョンが全英シングルチャート1位にと、とにかく名曲です。
アルバムの試聴はコチラ
あまりオススメではないのですが、http://www.youtube.com/watch?v=sCzackNVgBA&search=Without%20You←コチラでマライアの動画も見れます
そんな二人を中心に障害物レース“ばんえい競馬”が舞台となって繰り広げられる人間ドラマには素直に心動かされてしまった。
もともと荷物を運びきることを目的とするため、そりがゴールラインを超えた時点でゴールとするという“ばんえい競馬”。
スピードではなく持久力とパワーを競う競技であり、途中の障害(坂)で馬が上り始める前に「ため」を作るところなど、まさに人生に置き換えられる味わい深さを持っている競技だ。
そして登場してくるのは、屠殺寸前の馬であり、父親を失い、勝つことからも遠ざかってしまった女性騎手であり、女でひとつで子供を育て上げている訳ありの中年女性であり、迷いながらなんとか厩舎経営を行なっている兄だったりする。
なかなか思うようにならないのが人生だろうし、例え順調であってもシャドーキングみたいにいつ何が起こるかわかったもんじゃない。
そんな中、額に汗して働くのが偉くて、デスクワーク中心で働くのがいけないという単純なものではないと思うけれど、(何故彼が社会を見返そうと思ったのかという背景が見えなかったのは残念だったにせよ)あまりに自己中心で自分勝手に生きてきた弟に対する兄の叱責、友人からの罵倒、あるいは認知症となった母親の言葉には心打たれた。
そして1トンを越すという巨大な輓馬がシルエットとして登場する早朝のシーンや朝焼け、そして夕日が沈むシーンなどの丁寧に丁寧に、まるで馬や人間たちの息遣いまで感じさせる映像にもすっかり見入ってしまった。

さらには豪華絢爛というのではなく、ちゃんとした演技がちゃんと出来る実力ある映画俳優が顔を揃え、誰もが丁寧に演技していることにも監督の思いの深さが観ているほうまで伝わってきた。
とにかく「都会で敗れた人間が田舎での純朴な人々のふれあいの中でやり直しを決意するありきたりなストーリー」などと簡単に語って欲しくない「志し」のある力作であると言い切ってしまいたい。
それにしても、かつて長谷川和彦監督を筆頭に、大森一樹、高橋伴明、池田敏春、井筒和幸、黒沢清、石井聰亙といった監督らとともに『ディレクターズ・カンパニー』なる製作者集団に今は亡き相米慎二とともに加わっていた根岸吉太郎監督。そんな盟友だった相米監督が映画化を望んでいたというこの作品をこうして見事映画化したことに対して何やら感慨深いものも感じてしまった。
今日の1曲 “ Without You ” : Harry Nilsson
映画の中で弟から結局東京に戻ることを告げられたとき「厩舎のみんなが寂しくなるだろなあ」と精一杯強がって言った兄ちゃんが好きでした。ということで、いささか安直ながらこの曲を。
ニルソンの71年リリースのアルバム『 Nilsson Schmilsson 』に収録され彼にとって唯一の全米ナンバーワン・ヒットを記録したこの曲、元々はバッドフィンガーのピート・ハム&トム・エヴァンスの作品のカヴァーだったのでした。
ちなみにニルソンが亡くなってから1ヵ月後、マライア・キャリーのヴァージョンが全英シングルチャート1位にと、とにかく名曲です。
アルバムの試聴はコチラ
あまりオススメではないのですが、http://www.youtube.com/watch?v=sCzackNVgBA&search=Without%20You←コチラでマライアの動画も見れます
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ボスを代々木で見た翌日、新宿でご飯ご馳走してくれた
御仁が大好きです。
「食え、食え、美味いから」と鯛の昆布蒸しやら…
新宿ゴールデン街の一角でした。
翌日、調布で映画のラッシュ見せてくれた。
まだ音が入っていないから、場面に合わせて
助監督がカセットでテープを流す…。
映画は当たらなかったデス。
が、今、振り返っても…充分に大人の物語だった。
日本の男と女の話、日本人の物語は、この人が
描いていくんだ、と
心から敬愛してやまなかった、デス。
逝ったことは今もって泣けるが如く勿体無い相米慎二。
…「雪に願うこと」同感です。多謝
相米監督が映画化したがっていたのですか。
それは是非見てみたかったかも!
学という人物についての背景がもう少し見えたらな〜と思ってしまいました。
ばんえい競馬というあまり知らなかった世界を知ったのは収穫でした。
脇の方たちの好演に伊勢谷君がかすんで見えたのですが・・。
方のブログを拝見しても評判がいいんですよね。
ただ、やはり客入りはいまいちなようで…。残念です。
そうでしたか。新宿ゴールデン街ですか。
相米監督がいなくなったのは、日本映画にとって
本当に残念なことだと思います。
「充分に大人の物語」、もっと観てみたかったです。
■ミチさんへ
もともとは相米監督の遺作となった「風化」の原作者である
鳴海章氏が相米監督のところに「輓馬」を送ったのがきっかけだったそうです。
伊勢谷君はあまり評判良くないようですが、
個人的には違和感なく(映画の中に)収まっていました。
■t@shi さんへ
はじめまして。
久々に品映画の良さが堪能できる映画でした。
ただ、世代によって評価に多少温度差があるような気がします。
ともあれ、興行的にもう少しなんとかなって欲しいものです。