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「デイジー」 DAISY

期待感たっぷりのよく出来た予告編と韓国映画ながら監督がご存知香港ノワールの傑作『インファナル・アフェア』三部作のアンドリュー・ラウということで、仕上がりの良さを期待していたのがこの「デイジー」。

自分を見守ってくれている幻の恋人がいつかその姿を現してくれる日を待ち続けている画家の卵、ヘレン。
ヘレンと捜査の途中で出会い、身分を明かさないままいつしか恋に落ちるインターポールの捜査官、ジョン・ウー。
そして遠くからヘレンを見つめ、匿名で花を贈ることでしか関わりを保てないヒット・マン、バクウィ。

そんな心くすぐられるべく周到にキャラクター設定された三人の男女の切ない関係をオランダを舞台にアクションとともに描くラヴストーリーとなっている本作。

凡庸なオープニングに一抹の不安を覚えつつも、チョン・ウソン演じる愛してしまった人のために橋を作り、花を贈り続けるだけにとどまらず、愛する人のために絵画を勉強し、愛する人のために仕事場の近くに部屋を借り、愛する人に時として遠くの窓越しから一方的に手を振り、愛する人を見つめ勝手にともにコーヒーを飲む、そんな孤独なスナイパーの一途な姿には少なからず心動かされた。

だがしかし、なのにどうしてか、いくら恋敵が登場したからといって「こんな勇気があったのかと自分で驚いた」と言いつつ、それまでストイックさを貫いていたバクウィがいきなり彼女の前に現れるくだりから、そりゃないでしょと恋愛映画的にはいささか意気消沈。

ただそれ以降はさすがアンドリュー・ラウ。彼独特のスタイリッシュで小気味良いアクションシーンは冴えわたり観るものを魅了する。
褒めすぎなのは承知の上で(笑)、テンポあるカット割りで次々と展開されるストップモーション、コマ送り、スロー撮影といった演出の数々の、あまりに大雑把な凡百の銃撃シーンに比べ何と美しいことか!



そして互いに死と隣り合わせで生きてきて、ともに同じ女性を愛してしまった刑事とスナイパーのお互いの相手を思う気持ちのやり取りも、トニー・レオンとアンディ・ラウが演じた中国マフィアと刑事という関係性を思い起こさせ、話の持って行きようによってはよりやり切れないほど運命に身を置かざるを得ない「男の世界」が見れたかも知れないと思うと、ないものねだりであることはわかっちゃいるけれど、残念でならなかった。

それにしてもこうした恋愛映画の常套人数とも言える女性一人にオトコ二人という関係性において描かれる世界観に関してはとても近いものを感じ、やはりアジアって繋がっているんだなあと妙に納得したりもしてしまった(苦笑)のだけど、さて。



今日の1曲 “ These Days' ” : Jackson Browne

ヘレンに扮していたチョン・ジヒョンの主演作「僕の彼女を紹介します」で何故か“ Stay ”が流れていたという薄い繋がりで今日はジャクソン・ブラウンのこの曲(邦題「青春の日々」)を。
彼にとって通算2枚目のアルバムであるこの「 For Everyman 」(73年)。
イーグルスの大ヒット曲 “ Take It Easy ”が収録されていることで知られていますが、今改めて聴いても珠玉の名曲揃い。デビッド・リンドレイのスライドがクーッ!泣いています。
AOL のコチラのページに行くと演奏風景とインタビューを見ることが出来ます。
アルバム全曲を少しずつ聴くならこっちのほうへ。
コメント ( 8 ) | Trackback ( 29 )
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コメント
 
 
 
TB&コメントありがとうございました♪ (こーいち)
2006-05-30 12:35:24
こんにちは。

切ないラブストーリーでしたね。



>そりゃないでしょと恋愛映画的にはいささか意気消沈。

同感です(笑)。今まで何だったの?と思ってしまいますよね。

アクションシーンは見応えあるし、

オランダの雰囲気も素敵でした。
 
 
 
TBありがとうございました (charlotte)
2006-05-30 12:36:44
こんにちは。

う~ん「男の世界」、やはりないものねだりですが、私も見たかったです。

恋をすると人は盲目になりますよね…それにいきなり大胆になったり。

映像が美しかったです。やはりオランダという場所柄がただの韓流っぽくなく私には好印象でした。
 
 
 
彼女の魅力 (たましょく)
2006-05-30 13:04:56
 TBありがとうございますm(_ _)m



 アンドリュー・ラウ監督作品の特徴

とも言えるバイオレンスさを表現しな

がらも、チョン・ジヒョンが存在する

ことで、恋愛要素もしっかりと描かれ

ているあたり脱帽。



 今までにあまりない役にチョン・ジ

ヒョンの新たな魅力がそこにあったと

感じます。
 
 
 
こんにちは♪ (ミチ)
2006-05-30 17:03:23
韓国映画のいつもの病気物の純愛ならあまりすきではなかったでしょうが、これは私の好きなノワール&ドンパチが入っていたので良かったです。

もっともっと男の世界を見せれくれればより一層切なさが増したはず!

女一人に男二人、これっていつの時代もどこの世界でもステキなストーリーを産み出す元ですね。
 
 
 
コメントありがとうございます  (nikidasu)
2006-06-01 01:35:42
■こーいちさんへ



確かに切ないけれど、二人の男はどちらもあまりに優しすぎました。

もう少し互いに激しさがあればと、これまたないものねだりしたりしています。



■charlotteさんへ



なるほど、恋することによって見境がつかなくなってあのような行動に出たわけですね。うーむ。

それにしても韓国の俳優さんって、オランダにいても違和感を感じさせませんでしたね。(現地調達のオランダ人のほうが相当にヘンだったりして)



■たましょくさんへ



チョン・ジヒョンの部屋で3人が居合わせるシーンで三者三様の表情を描くべく、スクリーンを3分割して同時に見せるシーンに昔観た映画を思い出してしまいました。

でも正直言ってアンドリュー・ラウ監督にはもっと硬派な映画を撮って欲しいと個人的には思ったりしています



■ミチさんへ



昔々「黄金のパートナー」という三浦友和 藤竜也 紺野美沙子 3人が出演する東宝映画があったことをふと思い出しました。













 
 
 
こんにちは~♪ (とんちゃん)
2006-06-01 06:27:47
TB有難うございました♪



パクウィは ヘヨンが銃撃戦で撃たれて 声と ジョン・ウーを失ったので いてもたってもいられなくなり 目の前に現れたのかと思ってました^^ 



普通なら 俺がデイジーを贈ってきたんだ!と 名乗り出てもよさそうだけど 殺し屋だけに 身分不相応だと思っていたのかも しれないし (だとしたら 人のいい殺し屋さんですね 笑)

ジョン・ウーも おとり捜査の時 パクウィの事 捕まえる事もできたのに、WHY?ですよね。

でも 「夢見る少女」(???)の私には こんな恋愛物 最高でした♪

 
 
 
観たよ、デイジー (ちえぞ)
2006-06-19 21:14:15
一連の韓国映画、甘々な感じが受け付けないのでしたが、

ルックス的にOKなウソンが出てるので、観てみました。

で、アンドリュー・ラウ監督だったせいか、アムスロケだったせいか

さほど鳥肌立たず観れました。銃撃シーンとかかっこよかったと思いました。

お話的にはちょっと甘めな感もありましたが、

結局どの人も「根はいい人」(ってのに弱い私)だったしね。



24日(土)から、テアトル新宿で、エンディングが異なるバージョンを上映すんですって。

もちろん観に行くつもりデス(^3^)

 
 
 
え、えーつ? (nikidasu)
2006-06-20 09:24:07
■ちえぞさんへ



アムステルダムロケは確かに違和感なく馴染んでい

て、そのあたりの演出は巧かったッス。

それにしても別ヴァージョンのエンディングって、

いったい何がどうなるのか(別の誰かが死んで別の

誰かが生き残るのかってこと?)、大いに興味あり

です。

結果を是非教えてくださいな。
 
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