〔幸せな結納〕
先日結納が行われた。
結納式に合わせて数日前から色々な準備も必要になった。
大切な女性のために何ができるのか。 私に出来ることは文字を書くことと、着物を着せてあげられるくらい。
結納に必要な目録や受書を書かせていただき、20代の時に作った糸も外していない着物と半襟がついた長襦袢が出てきたので、嫁入り道具として持たせることができた。
すっかり忘れていた着物だが、色も彼女にピッタリでこの日のために出てきたような気がする。
そしてスムーズ着付けてあげるために、着付けの練習もした。
帯結びも上手く結べる自信もないので座布団を胴に見立てて練習した。
前夜には結納に必要なセリフ合わせも何とかこなし、当日を迎えた。
天気にも恵まれ青色の空の下できれいに着飾った彼女と夫となる優しい彼。
マクロビオティックの美味しい料理と水引で作られた美しい手仕事の縁起物の細工。それらを眺めながら、突然彼女と暮らすことになったころの8年の生活の様子がよみがえった。
毎日左手しかない手袋を、朝5時に出ていく彼女に使わせ、私はポケットに右手を突っ込み2人で手をつないで駅まで歩きバスに乗るのを見送っていたあの頃。
毎月1000円ずつ貯金して年一度のバス旅行も楽しみの一つだった。
真冬に停電になったときは、お互い湯たんぽ抱っこしてろうそくの明かりを使って指で影絵をして遊んだり夜,寝ながら布団の中でおしゃべりする時間も2人の大切なコミュニ
ケーション。
お互い一緒に暮らしたことがない2人にとってかなりのストレスにもなったことも事実。
今は私とは別暮らしだが、毎週会うたびにきれいになっていく妹を見るたび私も幸せな気持ちになっていく。妹を大切にしてくれる彼にも感謝の気持ちでいっぱいだ。
まだまだやらなくてはいけないことは沢山あるが、素敵な夫婦になってほしい。
下のペン画は9月に家に挨拶に来られた時作った料理です。
忘れないように記念に記録しました。