虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

言語化しにくい長所について (レンズーリの拡充学習について 14)

2017-02-11 18:51:43 | それぞれの子の個性と才能に寄りそう

子どもの個性や才能には、外から見えにくいし気づかれにくいものがあります。

「外から見えにくいし気づかれにくいもの」といってもいろいろあって、

言葉にすると、すんなり伝わるものもあれば、

言葉にするのが難しいものもあります。

今回は、中でも、特に言語化しづらいと感じている長所について書いていこうと思います。

 

教室で、毎回のように、「この子たちはすごいな。伸びしろが大きそう。」と

感じさせる子たちがいます。

それが困ったことに、その良さというのが、先に書いた、

見えにくく気づかれにくい上、言語化しづらい

性質のものなのです。

ですから、あらゆる場面で、持っているものの豊かさに気づいているのに、

いざ、親御さんから、「うちの子の個性的な資質って何でしょう?」とか、

「この子の強みは何でしょう?」といった

質問を投げかけられると、「とにかく後伸びしそうです」とか、

「いつも、すごいなと思っています」

なんて、ピントのずれた返事に終始してしまうのです。

 

上の写真は、数日前に

『野生の思考』を読みました 1

という文章の中で紹介した年中のAちゃんのポップアップ作品です。

記事上で、折りたたまれた馬が立ち上がる仕組みを作るのは

不可能なんじゃないかと思ったのですが、なぜか大成功。」

とサラッと出来事を書いたものの、成功したのは偶然とはいえ

「なぜか」というだけでは言葉をはしょりすぎで、

背景には成功の確率を上げているそれなりの理由があると思われるし、

何となくですが思い当ることもあるのです。

 

まず、Aちゃんという子は、たまたまこの日、できそうもないことを成功させたのではなくて、

教室に来るたびに、毎回のように、「こういう風にしたい!」と口にしたことを

成功に導いていることを書いておかなくてはなりません。

たいてい、最初、構想を耳にしたときは、

「それは、無理じゃない?」「いくらなんでも」と思うのですが、

力技やら、偶然の力やら、お姉ちゃんやわたしのアイデアを借りるやら、

想像力でカバーするやら、強くてくじけない意志の力やら、

それこそ使えるものをすべて総動員させて、大人がしたって不可能だろうと思っていたことを、

やり遂げてしまうのがAちゃんなのです。

それは、Aちゃんの小学1年生のお姉ちゃんにも共通する性質で、

わたしが、毎回のように、この姉妹に「すごい」と感嘆するのは、

完成にこぎつくまで、わたし自身、想像の世界でもそれができるとは思っていなかったり、

思考過程がこちらの想定外で、虚を突かれる驚きを伴っていたりするからなのです。

それは創作活動以外のさまざまな場面でも、この姉妹に見られる姿です。

Aちゃんがポップアップで馬小屋を作った日、Aちゃんのお姉ちゃんも

レッスンにいっしょに参加していました。

(きょうだいの子が教室に付いてきた場合、教室のお手伝い役として

参加してもらっています)

下の写真は、Aちゃんのお姉ちゃんのDちゃんの作品です。

 

 Dちゃんは、お手本通りのポップアップの家が、上の階を作るにつれて

ぐらぐらすることが気になるようでした。

そこで、厚紙を使って補強しはじめました。

ただ薄い紙に厚紙を添えるだけではなく、上の写真のように四角い枠の形を

上下に半分に分ける位置に厚紙を渡して、形がくずれないように工夫していました。

Dちゃんの奮闘を目にしながら、「うまく補強したね。その補強の仕方だと

畳めないだろうから、ポップアップにしたかったら、一部だけ補強の仕方変えてみる?」

と声をかけたところ、「大丈夫、畳めるよー」という涼しい声。

見せてもらうと、縦方向に折り畳んだ後で、横方向に折り畳むという複雑な折り方の工夫で、

自動的に立ちあがるわけではないものの、薄い本内に収まるようになっていました。

 

 

Dちゃんも妹のAちゃん同様、自分の「こうしたい」を、

どうにかこうにか実現に結びつけることができる子です。

 

AちゃんもDちゃんも、どうしてそんなことが可能なのかといえば、

『自分の頭の中にある思い』と、『身の回りの環境』とを

仲介する豊かで広大なスペースが存在するからと思われます。

教室には、DちゃんAちゃん姉妹のように

頭の中と現実の世界とをつなぐためのスペースの豊かさを感じさせる子が何人かいます。

 

考える方法 と 行き詰った時の解決法  

で六角形のポップアップを作っていたBちゃんもそうですし、

レンズーリの拡充学習について 11

で、展示品の舟を熱心に覗いていた子も、

 

忠臣蔵のポップアップ と 合掌づくり

で、紹介した忠臣蔵が大好きな子も、

共通する資質を感じます。


そうした子たちは、体験して触れたものや大人や友達から見聞きしたことを、

イメージしたり、創作したり、考えたりする時に

すぐに取り出せる形に加工して保存しておく習慣を持っています。

ストックしているスペースにあるものは、応用がきくので、

工作で学んだことを、そのまま算数の文章問題を考える時に使用したり、

ゲームで使った知恵を、計算方法を工夫する際に利用したりするのを目にします。



途中ですが、次回に続きます。

 

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僕のどこが好き? (ぽんみかん)
2017-02-12 13:21:59
私は虹色教室を紹介するときにいつも
その辺の育児書100冊読むより為になるよって伝えるのですが、今日のような記事を見ると本当にそれを実感します。

息子のぽんすけの癇癪も自分の不甲斐なさも、多分一人では乗り越えてこられなかったし、
本当に奈緒美先生やお友達のママたちや周りの人の優しさや愛情で救われてやってこられているなあと思う日々です。

ぽんすけの、ママ?僕のどこが好き?どのくらい好き?という問いかけにぎゅーぎゅーしながら山ほど答えている毎日ですが、いまいち説得力なさそう。
でも、ふとこの記事を見て思いました。

ぽんすけ、ほんともうあんたは!!!(激怒)と思うけど、この子を見てるとなぜかわからないけどめちゃくちゃワクワクする、とにかくちょっとすごいんじゃない?って親バカ発揮されてしまう。(全く根拠はありません)
なぜかわからないんですけど、だから虐待とかノイローゼとかそっちに行かずに済んでるのかなあと思うのです。

先日もめちゃくちゃ怒られた直後にどれくらい好き?というので、え??(怒)こんだけママ毎日鬼みたいに怒っててるのにちょっとも嫌いにならないくらい!すごくない!?ってプンスカしながら言ったら、ほんとだ!すごい!!と目を丸くしてて、二人で笑ってしまって、それから定番になっています(笑)

先生の記事で勉強させていただいても、やってはいけないことばかりやってしまってますが、子供はぽん!と私の葛藤や悩みを超えてくる成長を見せてくれて
いつもこっちが育てられてる・・と思います。

自分でもなんて言ってわからないんですが、
この記事を読んでいつものワクワクする気持ちと同じ感情が込み上げてきました。
こどもってすごいなって思います。

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