虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

自閉っ子の遊びが生まれる時

2017-06-06 08:48:06 | 自閉症スペクトラム・学習が気がかりな子

自閉っ子が成長する時

自閉っ子が成長する時 2

で記事にさせていただいたAくんとBくんのレッスンの様子です。

前回のレッスンで、自分の思いついた言葉にそって工作してから

遅延エコラリアと場にあっていない発言が激減したというAくん。

今回も、遅滞エコラリアや場や状況に合わないひとりごとはほとんどありませんでした。

お母さんの話では、これまでおもちゃで遊ぶことがなかったのに

電車のおもちゃを線路の上で動かして遊んだり、お人形を使ってごっこ遊びをしたり

する姿が見られるようになったそうです。

教室でも、ブロックの線路をつないだ後で、電車のおもちゃをすべらせたり、

『メイシーちゃんのおうち』というドールハウスになるポップアップ絵本で上手に

遊んでいました。

ベビーレッスン用のおもちゃの箱を探っていたAちゃんが見つけた

扉が開く車。メイシーちゃんを乗せるとピッタリサイズなのに気づいて大喜びしているAくん。

前回のレッスンで、Bくんがトンネルの中のページになるたびに

教室の電気を消しても、

自分が見ている絵本の場面と教室が暗くなることのつながりが

さっぱりわかっていないように見えたのですが、

今回は、トンネルの場面になると電気を消すことを期待するような表情をみせ、

再びトンネルに電車が入る場面になった時は、自分で電気を消しにきていました。

これまでもAくんがBくんが遊んでいたおもちゃに後から触っているところを見ることが

何度かありましたが、今回は、Bくんのすることは何でも真似してみたい

という意志がはっきりと感じられる遊び方でした。

 

 

 

粘土を重ねて、ストローで抜いて遊んでいるBくん。

完璧主義で美しいものが大好きなのに

手先が不器用なBくん。

ただ型を抜くだけで美しい作品ができることが

うれしくてたまらないようでした。

型を抜いた後の粘土の塊は汚く感じたようで「いらない」と言っていたのですが、

ガチャポンの容器を用意してあげると、中に粘土を入れてからセロテープで密封して、

「地球だよ。やっぱり、どろ団子だよ」と満面の笑みでした。

 きれいな粘土でできる模様に夢中になっていたので、

水が自ら塗り絵をしているように見える実験をしました。

Bくんはすっかり心を打たれた様子です。

算数タイムの一コマ。前回までは、自分発で始めた遊びはするけれど、

こちらが「算数の時間だから席に着いて」と誘うと、頑なに拒否して座ろうとしなかったBくん。

今回は、粘土遊びに使ったガチャポンを見て、「この中に何が入っていたの?」とたずねるので、

「ないしょよ。算数の勉強の時間に中に入っていたおもちゃを使って勉強しようか?」と声をかけていたためか、

粘土の作品作りに心から満足していたからか、

素直に席について、算数の問題にいろいろ取り組みました。

わたしが出した5本の止まり木に鳥をとまらせてから、とまっていない鳥を数える問題も

きちんと解くことができました。

問題が終わった後で、Bくんはセロテープで積み木をピッタリ貼り合わせていってから

鳥を乗せて行きました。

積み木で列車の連結を表現して鳥を乗せていくのも

Bくんのアイデア。

Bくんは何でもセロテープできっちりと貼り合わせて

大好きです。鳥を入れる蓋つきの箱が作りたかったそうです。


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