9の続きです。
親と子どもの関係は、
シンプルに相互に交流しあう関係です。
気持ちや言葉がお互いに行き交う関係です。
と書きました。
といっても子どもが他人とコミュニケーションを取ることに
ハンディーを持っている子だった場合、
親子の気持ちや言葉のキャッチボールが
自然に行き交うようになるのは難しいです。
とはいえ難しいだけで、不可能というわけではない
はずです。
問題なのは、コミュニケーションというのは
何の努力も学習もしなくても自然にできるものという気持ちが強すぎて、
自閉傾向のある子たちとコミュニケーションが成り立たないなら
コミュニケーションを取っていくための努力自体をあきらめてしまいがちなことです。
もっとも、あきらめているのではなく、
コミュニケーションの代わりに、「自閉症」 の子には「○○法」のマニュアルに基づいた
接し方をすべきと思い込んだり、
療育にさえ通っていればそれ以上素人にできることはないと考えて、
子どもとの間に交わされるコミュニケーションの質を高めるのを
忘れてしまうのかもしれません。
ABAとかTEACCHといった実践的なテクニックは、
「子どもとの間に人間的な関係を築いていこう!」という気持ちで
コミュニケーションの質を高めることをベースに置いた上で
はじめて活きてくるはずです。
そうした方法を本の通りに行うことが目的になると、
子どもの人と関わる能力の発達を
阻んでしまいかねません。
ずっとずっと全力で努力してきたけれど、
コミュニケーションの質を高めるなんて無理だった、とおっしゃる方がいるかもしれません。
本当にその通りなのかもしれません。
でも、「全力で努力する」という力のかけ方が
子どもの側からの親と関わろうとする気持ちと
釣りあっていたか、考えてなおしてみる必要はあります。
自閉傾向のある子たちは
とても過敏ですから、
大人の熱意は、その気配だけで逃げ出したくなるような
重圧に感じられていたかもしれないのです。
次回に続きます。












