丸い玉は高いところから低いところに向かってころがります。
どんなに転がりやすい玉も、周囲をその高さより高い壁で覆ってしまうと
転がりません。
こうした特徴は人の心や行動でも
言えることです。
周囲の人が流暢に外国語を話すなかで、片言の英語力でしゃべる場合、
相当の勇気がいるでしょう。
それほど買いたくないものを
店員さんにしつこく勧められたら、買いたい気が失せるでしょう。
自分の意欲や勇気や衝動は変わらなくても、
相手がこちらに求めているハードルを下げたとたん、
心がそそられてやりたくなることは多々あります。
発達障がいのある子の場合、
周囲に自分よりできない子や
自分よりわがままを言う子や
自分よりぐずぐず用事をする子や
自分より怠ける子や
自分より何でも尻込みしてやらないような子が
ひとりもいない、という子がけっこういます。
いつでもどこでも周囲から注意されるだけの立場しか経験したことがないために
困ったちゃんモードになっている時の自分をメタな視点で
眺めたことがなく、
そのせいで余計にメタな視点を手に入れにくくなるということが起こりがちです。
そんな風にダメな子の立場にいつも立たされている子と
バランスをとろうと思ったら、
その子よりできないことがたくさんあって、年がら年中、「絵は描けないから描きたくない」
「お歌は知らないから歌いたくない」「ダンスは難しいから踊りたくない」とお人形に演じさせてみるといいかもしれません。
ぐずぐずだらだらして、くつしたを履いている最中にテレビを見て忘れてしまったり、
ご飯を食べている最中にいねむりしてしまう人形もいいですね。
そんな風に、自分が誰よりダメなんじゃなくて
自分よりダメだなという存在を目にすると、「そんな風にしちゃダメだよ」と一言言いたくなりますし、
そのお人形から「★くんはすごいなぁ。やっぱり人間だからなぁ。
〜なんてすごいなぁ」とびっくりされると、
それまでは「赤ちゃんのままでいい、お兄ちゃんになんかなりたくない」と言い張っていた子が
ちょっとがんばってみようという意欲を見せることはよくあるのです。
わたしはそういう時に、
子どもが笑いだしたくなるようなユーモアを盛り込んで
子どもに働きかけるようにしています。
子どもが「上手に字が書けないから書かない!」と言い張る時には、
子どものお気にいりのぬいぐるみに「鉛筆が重い〜重くて持てない〜
重すぎる〜だから書かないよ。うんしょ、うんしょ〜ダメ〜できない」と言わせるのです。
子どもと同じように「字が書けない」と言わせるのでなく「鉛筆が重い〜」と言わせると、
お人形の立ち位置は子どもより低くなるはずです。
おそらく子どもは、「ぼくは鉛筆は重くない。
ちゃんと持てるよ、ほら」と自信を持って言うことでしょう。
そのようにとっかかりの気持ちが前向きだと、
できることが急に増えるのが広汎性発達障がいの子でもあります。
話は変わりますが……
恥ずかしがり屋でひとり遊びが好きな子に、本人が人と関わりたいと思う気持ち以上に、
親御さんが「人と上手にかかわってほしい」と期待すると、
バランスが悪いので、かえって子どもが引っ込み思案になってしまうという話を書きました。
ハンディーキャップのせいで、社会性の発達がゆっくりしている子どもたちにも
同じことが言えます。
以前、『自閉症のDIR治療プログラム』という著書から次のような文を引用させていただいたことがあります。
周囲と関わりをもち意味のあるコミュニケーションを学び始めたばかりの時期は、集団活動は
一日の10パーセントを超えてはなりません。
集団では、我慢すること、許すこと、指示にしたがうこと、目的を達成することなどを経験
できます。しかしそれは二次的で、この段階では小集団での1対1の関わりが何よりも
重要です。関わりが続くようになり、想像力豊かに考えられるようになって初めて、
他の子どもの活動も経験してよい段階に進むのです。
もちろん、いずれも保護者や大人たちによって進行される必要があります。
( 『自閉症のDIR治療プログラム』S.グリーンスパン
S.ウィーダー 著 広瀬宏之訳 創元社 p269より)
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日本でこの決まりを厳守することは難しいかもしれません。
でも気持ちが急くからとか、周囲に勧められたからという理由だけで、
子どもの現在の状態に対して、
目に見えて負担がかかるようなことをさせない方がいいと思っています。
そうした意味で、先に引用させていただいた文章を頭のとどめておいていただくと
うれしいと感じてます。













これは定型発達のお子さんにも言えることですよね。
発達障害を抱えた子ならば特に・・・。
まずは、親自身の子どもに対する感度(アンテナ?)を高めなければなりませんね!
ところで、私も発達障害に関するブログを書いているのですが、是非こちらの記事を紹介させていただけないでしょうか?
親御さん自身が子どもの目線と同じ高さになることの大切さは、息子を見ていてヒシヒシと感じるのですが、なおみ先生の言葉が非常に心打つものであり、丁寧でわかりやすく表現されておられると感じたからです。
失礼に当たりましたら申し訳ありません。
とてもありがたく感じています。
どうぞよろしくお願いします。
早速ですが、ブログで紹介させていただきました。
(ブログ→http://ameblo.jp/hunedonn/entry-11163613568.html)