虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

ひとりひとりの子にとって一番大事な働きかけ 7

2011-05-26 05:53:14 | 子どもの個性と学習タイプ
昨日は1歳後半の★くん、☆ちゃんのレッスンでした。
★くんはおそらく内向的感覚の思考寄りの男の子。
☆ちゃんはおそらく外向的感情の感覚寄りの女の子。


★くんは新しいことにチャレンジしようと思うたび、少しやりかけると
お片づけが気になって、まだ遊ばないうちから
緊張した表情で几帳面におもちゃをきっちりそろえて、お片付けをはじめます。
親御さんがいつも片づけを強要しているからというより、
内向的感覚の子独特の神経質さが、そうさせているようでした。

出したものを片づけられることは大事ですが、
それが気になって、何もはじめられなくなったり、していることへの熱意がすぐに遮断されるようでは困ります。

内向的感覚の子のように慎重で神経過敏な性質の子には、
これまで何度も書いてきている
「親が子どもの発するものを受信する」力が非常に重要になってくると感じています。

さまざまなことが「できない」とき、
能力的な問題でできないのではなくて、
取りかかる時に不安が強すぎて、その結果、ほとんど何もしないために
できるようにもならないという子がいるのです。

慎重すぎる性質の子には、親は
「これしてごらん」「あれしてごらん」と後押しして
やらせようとすることが増えます。
でも、それが原因で、もともと慎重で、「あれがしてみたい」という意欲が生まれる機会が少ないのに、そのチャンスをほとんど親が奪ってしまうので、
本人は自発的に始めたという実感がいつまでも持てない場合があるのです。

声をかけるとすれば、
「子どもの好奇心や意志が表情に浮かんでいるのを見て、自分から関わろうとするまで黙って待ってあげる」など、
タイミングがとても大切です。 

ただ慎重な子というのは、親が期待する反応と、その子の今にとってちょうど良いレベルの反応というのに、
かなりの落差があるので、
注意が必要です。

慎重な子の場合、初めて目にするものなら、「あれ?面白そうだな」と
チラチラそれを楽しそうにしている様子をうかがう……
程度でその日はお腹いっぱい状態だったりするのです。
無理やりやらせると、不安や恐怖心や嫌悪感が高まって
2度とそれをしようとしなくなるかもしれません。

ですから、「消極的で何をするときも嫌々取り組む姿が心配です」といった内向的感覚の子には、
本来なら、「あれ?面白そうだな」とチラチラと見る段階の経験をたくさん積ませてあげて、しまいにやりたい気持ちがあふれてきて、
自分から働きかけていくのを待ってあげると、
このタイプの子の「一度はじめたことにじっくり取り組み、完璧になるまで根気よく繰り返す」という良い面が発揮されるようになるのです。

次回に続きます。



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1 コメント

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慎重で神経過敏な性質 (りるりる)
2014-11-12 04:07:30
いつも参考にさせていただいています^^
娘(3歳9か月)が幼稚園登園拒否気味で悩んでいます><
娘は、慎重で神経過敏な性質で、苦手なことは、怖い出来ないと言って固まります。
特に階段や山道を降りる時です。
運動も苦手気味で、入園前は、焦っていましたが、少しずつ遊具でも遊べるようになり安心していましたが、幼稚園では、お友達についていけないようで、おいていかれる・・・。1人になると泣いたりです。
なので、どうしても幼稚園に行くのが嫌な時は、近くの別の公立幼稚園の広場へ参加したりしています。
そこには、色々なお子さんがいて、娘と同じような、感情が高ぶって癇癪おこしたり、大騒ぎしたり、イヤイヤしたりの子もいて、先日、その子達と色々な遊具で楽しそうに遊んでいました。
これまで、怖がっていた、ブランコの立乗りや登り棒などもまねしたりでビックリしました。
慎重で神経過敏な性質の子は、本当にゆっくり自分のやってみたい感じを待ってあげるのがいいんだなって親が出来ないのを気にするから余計プレッシャーになるんだな~って痛感しました。
幼稚園も転園しようかと悩んだりです・・・。

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