虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

親子のボタンの掛け違い…… はっきり言うべき時におうかがいを立てる?見守ればいい時に厳しく言う? 7

2012-07-17 17:31:18 | 幼児教育の基本

親子のボタンの掛け違い…… はっきり言うべき時におうかがいを立てる?見守ればいい時に厳しく言う? 6

の記事について、次のようなコメントをいただきました。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

★くんと事あるごとに衝突していた☆(二歳三か月)の母です。
☆は5歳のお兄ちゃんとの間で「泣き喚けば思い通りになる」と学んでいて
もめごとがあるとすぐ、大人の方を見ながらキーキー訴えるように喚いていました。
彼の場合も、喚きだす前にそばに寄り添って気持ちを言葉にしてあげるのが大事なのでしょうか?
先生に、私のかける言葉が「軽すぎる」と指摘されたのがとても気になっています。また機会がありましたら解説していただけるとうれしいです。

もめ事の解決策として、別の魅力的な選択肢を用意してあげる(損した方が得する)、というのも試してみました。
色々誘い方を変えてみた結果、「代わりにこのおもちゃでお母さんとトンネル作ろうか」など「お母さんと」を強調するとスンナリ受け入れてくれることが分かってきました。
★くんのお母さんと真逆で、私の場合放置しすぎで、子どもは私と一緒に遊ぶことに飢えていたのだなあと改めて気づかされました。★くんのお母さんはいつも周りに子ども達が寄ってきてましたものね、そのときの対応を真似して私も遊びに付き合ってあげたいです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

☆くんはおとなしいけれど芯が強くて考えることが得意な

男の子です。状況を把握して、どうすればいいか自分に判断がゆだねられていると

わかると、誰に言われるでもなく自分で解決法を見つけだすことができていました。

 

たとえば、次のような場面がありました。

☆くんがお友だちの持っていたおもちゃを取りあげようとした時、うっかりその蓋で◆くんの指を挟んで

しまいました。怪我をするほどではありませんでしたが、◆くんはワッーと泣きだしました。

わたしは☆くんの背中を支えてあげながら、

「◆くん、痛いよ~って。痛い、痛いって。ごめんね、しようね」と告げました。

すると、

茫然と立ちすくんでいた☆くんは、「ごめんね」と言うやいなや

自分から進んで取りあげていたおもちゃを「どーぞ」と◆くんに手渡しました。

 

また、こんなこともありました。

☆くんと★くんが電車のおもちゃを取り合って激しく揉めていました。

★くんは体格ががっちりしていて気も強い子ですが、

内向的でおとなしい性質☆くんも、日頃から5歳のお兄ちゃんと物の取り合いで

鍛えているのか負けていません。

 

何を言われてもされても、キーキーわめきつづけるという戦法で、

決して折れようとしないのです。

 

そこでわたしが間に割って入って、

「☆くん、この電車で遊びたいの?この電車いいね。この電車で遊びたいのよね」

と気持ちを確認しました。

それから、★くんにも同様のことをたずねてから

ふたたび☆くんに「★くんね、電車で遊びたいんだって」と説明しました。

 

ここで大事なのは、大人の主観を入れないようにすることです。

「~なの?」と本人の気持ちをたずねて共感するときに、

「★くんが先に遊んでいたんだから譲らせよう」(その逆もあります)といった

大人側の気持ちが先にあって、

言葉のなかに大人の持って行きたい方向に子どもの気持ちを誘導しようとしているのが

見え隠れすると、

たとえ、1歳児、2歳児といえども、強く抵抗します。

頑固でひねくれた態度に陥りがちですし、たとえその場では素直に納得したように見えても、

しばらくすると、理由もなくキレて暴れたりします。

(いつも誘導されて、納得させられている子は

心に怒りを蓄積させていることがよくあります。)

 

こういう場合、大人が成敗するのではなく、

ただ事実を本人が理解できるように提示して、

本人の心に共感して、

子どもが自分で答えを出すのを待ってあげるのが一番なのです。

 

すると、静かに考え込んでいた☆くんは、近くにあった別の電車を

★くんの方に渡しながら、「かえっこして」と頼みました。

★くんは嫌がります。

すると☆くんはさらに別の電車を持ってきて、「かえっこ」をせまりました。

 

☆くん、なかなかの知恵者です。

それに、キーキー言い続ける方法で自分の我を通そうとしていたわりには、

状況を説明してもらうと、

落ち着いて考えて行動できているのですから、

この子の性質からいうと、キーキー以外の手段で解決できるような

環境を用意してあげれば、もっと自分らしく賢い判断力を身につけていくにちがいありません。

 

次回に続きます。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。