虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

言語化しにくい長所について 2 (レンズーリの拡充学習について 15)

2017-02-13 11:34:04 | それぞれの子の個性と才能に寄りそう

前回の記事で、

「そうした子たちは、体験して触れたものや大人や友達から見聞きしたことを、

イメージしたり、創作したり、考えたりする時に

すぐに取り出せる形に加工して保存しておく習慣を持っています」と書いたことについて、

少し補足しておこうと思います。


「子どもの興味の幅を広げ、さまざまな知識に触れさせるために、

博物館や科学館に連れて行ったり、創作や実験を体験させるワークショップに参加させたり

しているものの、毎回、ああ、楽しかった、面白かった、で終わってしまいます。

そこで見聞きしたことが子どもの中に根を下ろしているように見えないし、

別の場面でそれが生かされることもありません。」

 という親御さんの話をうかがうことがあります。

また、「図鑑が好きで、細かい説明を暗記するほど読み込んでいるものの、

実際にそれを活用するとなると、知識の丸暗記が邪魔して

考えられなくなっているようです」といった相談を受けることもあります。

 

どちらの理由も、子どもの『頭の中の世界』と『現実の世界』の間を取り持つ

中間層にあたるものが育っていないからかな、と感じています。

 

虹色教室での活動は、工作をするにしろ、実験をするにしろ、ごっこ遊びをしたり、

プリントを使った算数学習をしたりするにしても、

『頭の中の世界』と『現実の世界』の間を取り持つ

中間層にあたるもの

を育てることを意識しています。

「体験して触れたものや大人や友達から見聞きしたことを、

イメージしたり、創作したり、考えたりする時に

すぐに取り出せる形に加工して保存しておく」という

方法を教えたり、実際にやってみる機会を与えたりすることを、

活動のメインに据えているのです。具体的な例については、

次の機会に書いていきます。

 

ですから、ベビーレッスンから通ってる子たちのほとんどが、

「考えたり想像したりする活動にも使えるし、

実際、手や指を使って何かやってみる活動にも使える」という

どちらにも接続可能の知恵をたっぷり蓄えていることを、

いつもうれしく思っています。

 

 この頭の世界と現実の世界の中間層にあるどちらにも接続可能の知恵

について、これまではっきりと意識したことがある方は

あまりいないかもしれません。

 

でも、実際の教育の現場でも、

おはじきやタイルといった教具を使って、算数の問題を解くように指導しても、

そうした『頭の中の世界』と『現実の世界』の間を取り持つ

中間層にあたるものが、欠如しているために、

「問題文を読んで、具体的な道具を操作する」ことができない子がいること

に困惑しているのではないでしょうか。

 

「わからなかったら、丸や線を描いて考えなさい」と指導しても、

丸で表しているのが、問題文にある言葉のイメージと

つながっていることがピンとこない、

線で表しているのが、ある一定の数量であるイメージができない、という子が

子どもたちの遊びや生活の質の変化にともない、目立つようになったのです。

小学校で算数セットがあまり使われなくなったのは、

そうした理由もあるのではないかと思っています。

そうした道具が理解の補助として使えない子が増えているのではないかと

感じているのです。

 

前回の記事で取り上げてた頭の中の世界と現実の世界の中間層の

豊かさを感じる子たちというのは、

そうした虹色教室で大事にしている活動からもう一歩進んでいて、

そうした中間層に移行する対象の多種多様さや加工の仕方のユニークさ、

行き来の仕方が一方通行ではなく双方向であるところなどを

この子たち特有の強みとしているのではないかと感じています。

 

 

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